特集・オラこんなケア嫌だ!

◆「俺ら北欧さ 行ぐだ」
��吉幾三作詞・「オラ東京さ行ぐだ」の替え歌)
ハァ
声掛けも無エ 教育も無エ
スタッフ全く笑って無エ
ボラも無エ
レクも無エ
薬で抑制 フーラフラ
朝起ぎで ババ連れで
機械的な「栄養摂取」
トイレ介助も無エ
会議も無エ
監査のときだけ優良施設

俺らこんなケアいやだ
俺らこんなケアいやだ

他業界へ出るだ
他業界へ出だなら銭コア貯めで
北欧で自立支援するだ~

��作詞:アホンマ・キヨフミ)

というわけで、今回は自分の痛い職場の投稿特集です。


◆編集部に不穏な川柳が届いた。

以前から何度か常連として投稿していただいていたみょんみょんさからだった。
笑っていいのか、一緒に苦悩するべきなのか迷う内容だった。
でも、7・5調を守っておられ、なんともいいようのないさじ加減の投稿だった。

まずは、それを見ていただこう。

【 タイトル 】:介護川柳

【してないよ ケース会議は 記録だけ】
【してないよ 記録だけだが 監査パス】
【エアコンで 風邪引き肺炎 エコ知らず】
【ナースコール 今度押したら 引き抜くぞ!】
【監査の日 整理整頓 レクさかん】
【ここはどこ? 監査当日 別施設】
【ひどい怪我 家族知らねば 闇の中】
【「置いといて」 寝たきりの人 物ですか?】

◆上記投稿に対し編集部では、みょんみょんさんに突撃メール・インタビューを敢行した!

【してないよ・ケース会議は・記録だけ】
【してないよ・記録だけだが・監査パス】

��編)実際、どんな感じで記録をされているのでしょうか?

どんなかんじもへちまもありません。
一言でいうと、デタラメです。なに?!そんなバカな!と思われるでしょうが、事実です。

例えば夕方4時20分に食事が出てきて、4時50分にベッドの中でも、記録は5時夕食です。Aさんが介助した利用者さんのことを、Bさんは自分がやったこととして記録します。

BさんがAさんでも、PさんがQさんでも同じことです。

労働者派遣法に違反しているので、派遣労働者Cさんは、その場にいない人間として扱われるため、記録はすべて他の職員の名前でサインをしています。

サービス担当者会議はやっていません。照会(問い合わせ)でよいとされている場合も、ご丁寧にやったフリしてます。

照会などはもちろん、それなんですか?ってかんじです。委員会なども、出席していない相談員や栄養士が出席したこととなっています。

でもこれらはほんの一例です。全てが万事こんな調子です。これをデタラメ以外の言葉で表現するのは困難です。それにしても、介護の世界の7不思議。なぜ監査は通るのでしょうか?

【エアコンで・風邪引き肺炎・エコ知らず】
��編)エアコンの温度設定は誰がどんな感じでしているのでしょうか?

大元は管理会社ですが、各フロア、各居室で切ったり点けたり、強めたり弱めたりできます。独立したエアコンもあります。

男は暑がり、女は寒がり。これは世の定説です。しかし例外はあります。更年期障害の女も暑がりです。

��0過ぎの介護部長がむちゃくちゃ暑がるため、フロアは常に厳冬です。

でも利用者さんはみんな更年期などとうの昔に終ってますから!!

厳冬を耐えるにはひざ掛け毛布が何枚も必要です。一人で5~6枚の毛布を使用しているおばあさんを、暑苦しい~と言って笑うのは男介護士です。暑苦しいのはお前の顔だよ、とは品がよく気の弱いおばあさんたちは言いません。

【ナースコール・今度押したら・引き抜くぞ!】
��編)実際に行われている会話でしょうか?

ある利用者さんから「こんなん言われた…でも言わんといて。黙っといて。」と訴えがありました。

言った職員は、大変な利用者の対応に追われて忙しいときだったので、つい言ってしまったのだと思われます。

でも他の職員で言っている人は多いのではないかと思われます。このあいだ、別のフロアのヘルプ職員が、冗談っぽくですが、オムツさわりのある利用者のことを、便触ったらぶっ殺してやるって、みんな言ってると言っていました。

みんなって誰よ?と問い詰めると、みんなって言ったらみんなだって、と逃げられました。

【監査の日・整理整頓・レクさかん】
��編)監査の日に豹変したら、利用者でクレームをいう人はいないのでしょうか?

要介護度の高い人が多く、フロアの半分が胃ろうで寝たきりの人です。
意思の疎通が無理な人もいて、残りの数人を相手に過剰演技をするわけですが、おかしいなと思ってはいるのでしょうが、はっきりと職員に言う人はあまりいません。「へんなかんじ」を訴える利用者もいますが、自分の立場を考えてか、遠慮がちです。

【ここはどこ?・監査当日・別施設】
��編)具体的にどんな感じに変わるのでしょう?

普通の施設みたいになります、ハイ。

これではわからない?すみません、普通じゃない施設を知らない人には説明が必要ですね。
各居室のドアがちゃんと閉められています。(いつもは…?)

寝たきりの利用者さんが「その日だけ」パジャマじゃなくて洋服を着ています。もちろん入浴準備だってぬかりなく!
介護記録など、個人情報関係のものはすべて人目につかないところに置いてあります。
ベッド柵は1本だけです!!(でもある利用者さんは、監査の間中、ホールのリクライニング車椅子の上に置かれていた…)

通路には邪魔なものが置いてなく、ちゃんと隅っこに片付けてあります。今なら火事でも逃げられる!

【ひどい怪我・家族知らねば・闇の中】
��編)家族とのコミュニケーションはどんな感じでしょう?

介護部長は家族から絶大な信頼を得ています。
秘訣は、「いいことしか言わない」「少しでも施設に不利と思われることは隠蔽する」といったところでしょうか。

職員が勝手なことをするのは許されません。たとえフロアの責任者であろうと、家族に対しては介護部長の指示通りにしゃべらなければいけません。

コミュニケーションはどんなかんじもへちまもありません。
巷ではコミュニケーションを題材にした研修などが人気のようですが、私が勤務する施設においては、幼稚園の未満児クラスからはじめないといけないくらい、誰もがコミュニケーション不全です。しかし、「コミュニケーション」という言葉は知っているようで、ベテラン職員はよく使っています。もっとコミュニケーション取って、とかって…

【「置いといて」・寝たきりの人・物ですか?】
��編)家族がきたとき、うっかり、危ない現場を目撃されたりってことは?

老人ホームに勤務してつくづく思うのは、入所施設というのは、一旦入ると家族が来なくなるんだなぁということです。

家族が来ないからって、利用者さんに対する待遇が悪くなるのは間違っていますが、でもそれって、法律で罰せられることはないけど、悪いことはやっぱりしたら駄目だよね~と言ったところで、悪がはびこるのと同じで、家族が来ない=ボランティアなど外部の人の訪問も少ない=閉鎖的な空間で非常識なことが普通に行われるようになる、というおきまりのパターンになると思います。

家族には、どこかで自分可愛さの身勝手さ(介護で自分の人生が台無しになるなんて真っ平ごめんとか)や後ろめたさがあり、施設から足が遠のくのでしょうか。

また、職員の非常識な言葉や態度を目の当たりにしても、何も言えないでいると予想されます。

利用者の呼び捨ては一部の職員にとって日常的なことです。他の職員にとっても、寝たきりの利用者は荷物や家畜の運搬同様、効率よく運ぶものとなっています。「置いといて」は自然に出てくるフレーズです。

◆この仕事をはじめて7月で6年が経ちました。

おかしいおかしい、そう思いながら、ただ流されるだけで解決に向けた努力をしていませんでした。

今の職場にい続けることは、犯罪に加担しているということで、投稿で憂さ晴らしをしようが、事業主や同僚をこき下ろそうが、ここで働いて給料をもらっている以上同罪です。
それに、最近ではフロアに足を踏み入れただけで気分がズドンと沈むので、もう無理かなと思いました。

水が低きに流れるように、悪くなる一方の職場にいるのも恐ろしくなりました。

今年度で退職することに決めました。どのような形で退職するかをきちんと考えようと思っています。

耐えられないことが多く、ブログで憂さ晴らしをしてきました。読んでいただけたら嬉しいです。(みょんみょん)

みょんみょんの鉄拳カイゴを直撃
http://myoumyoukaigo.seesaa.net/

◆介護という業界では老人のプライバシー保護や安全確保という名のもとに簡単に老人を囲い込み、外界から遮断することが簡単です。

管理者にふらちな人物がいればあれよあれよという間に職場の雰囲気は腐敗し、職員の志気の低下や不適切なケアを蔓延させます。

それらに意見しようとする人物が出現しようものならムラ社会的な同調圧力でもって陰湿なイジメまがいのことをし同調しないものを排除します。

そのような閉鎖組織ではどんなにがんばっても個人の力だけでは組織を変えることができません。職を失いたくないものは自らの心をごまかし、感覚を麻痺させ、同調させていくしかありません。

それらの中からエスカレートしてしまったケースがときどき事件と化しメディアに表れます。

「原子力村」から「中学生のイジメ」まで、この国のあちこちで起こっていることでしょう。
そして、そのような状況と同じ社会に同居している私たちはみな共犯者なのかもしれません。

一方で私はつねづね、介護現場の質を向上するには、老人の代弁が必要だとあちこちで述べています。
例えば自分のケア現場でのひどいケアを告発すること。
これは、まぎれもない老人の代弁行為です。

しかし、自分の身の回りのひどいケアを告発することは、それを改善できない自分の力不足を晒す側面もありますし、最悪の場合、属する組織と敵対し、我が身を苦しめる方向に向かわせます。

そして、最悪の場合、自らの職場を去らざるをえなくなります。
非常に勇気のいる行為です。得をすることは滅多にない。
通報者保護などまだまだ達成されていません。

それでも、私たちには自尊心がある。私たちのしているケアという所作が尊いものであり、老人の一人ひとりが尊い存在であるという自尊心がある。
その自尊心に掛けて、自分の存在のために声を出さなければならない時が、やはり人にはある。

◆国の審議会やメディアなどでは、どこかの優良施設の取り組みをクローズアップし、その理想論を多くの現場に強要しようとします。しかし、現実にはそんな理想的な介護が実現できるのは、トップに熱心なリーダーがいる一握りの事業所だけですしょう。

そういった机上論を野放しにするから、ますます現場の無力感はエスカレートする。

◆ちなみにみょんみょんさんの施設は該当する某関西地方の情報公表サービスで見ると非常に優良施設となっていました。

◆みょんみょんさんへ。お辞めになる決意をされたとのこと。
非常に勇気の必要とされた決断だったと思います。一点、気になっておりますのは

その点、うまく対処されますようお祈りしています。

今後も、一緒に考えさせていただきますので、今後も投稿してください。そして、これを読んでいただいていた読者の方のご意見、感想、体験談などをお待ちしています。(本間)