2012/07/04

予防通所介護・運動器機能向上加算

予防通所介護・運動器機能向上加算
◆目的
介護予防サービス計画において設定された利用者の目標のための支援であって、提供されるサービスそのものはあくまで手段である
◆人員体制
専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員※、柔道整復師またはあん摩マッサージ指圧師(以下「理学療法士等」という。)を1名以上配置※して行う

※看護職員については、本来の業務である健康管理や必要に応じて行う利用者の観察、静養といったサービス提供にとって支障がない範囲内で、運動器機能向上サービス、口腔機能向上サービスの提供を行うことができる。提供時間帯を通じて(人員基準に定める看護職員以外の)1名以上専従の配置が必要なわけではない。

 ※1名の看護職員で、運動器機能向上加算、口腔機能向上加算の両方の加算を算定してもかまわないが都道府県等は、看護職員1名で、基本サービスのほか、それぞれの加算の要件を満たすような業務をなし得るのか業務の実態を十分に確認することが必要
◆手順
以下のアからキまでに掲げるとおり実施すること。
ア 利用開始時におけるリスク確認等
利用者ごとに看護職員等の医療従事者による運動器機能向上サービスの実施に当たっての
リスク評価、体力測定等を実施し、以下の点を利用開始時に把握すること。
・サービスの提供に際して考慮すべきリスク
・利用者のニーズ
・運動器の機能の状況
※利用者の運動器の機能把握については、地域包括支援センターのケアマネジメントにおいて把握されるものと考えている。(利用者の自己負担により医師の診断書等の提出を求めるのではなく)
イ 機能訓練指導員による目標設定
理学療法士等が長期目標と短期目標を設定する
 ※長期目標:暫定的に、利用者ごとのニーズを実現するための概ね3月程度で達成可能な目標
※短期目標:長期目標を達成するための概ね1月程度で達成可能な目標
※長期目標および短期目標については、介護予防サービス計画と整合が図れたものとする。
ウ 運動器機能向上計画の作成、利用者への説明
利用者に係る長期目標および短期目標を踏まえ、運動器機能向上計画を作成する
【誰が】理学療法士等、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して
【記載事項】(利用者ごとに)
・実施する運動の種類
・実施期間(運動の種類によって異なるものの、概ね3月間程度とする)
・実施頻度
・1回当たりの実施時間
・実施形態
 等
作成した運動器機能向上計画は、運動器機能向上サービスの提供による効果、リスク、緊急時の対応等と併せて、当該運動器機能向上計画の対象となる利用者に分かりやすい形で説明し、その同意を得ること。
※利用回数(1月間に何回か)、(1日当たりの)時間の目安を示すことは予定していないが、適宜、介護予防マニュアルを参照して実施すること。
※予防通所計画との兼ね合い
 予防通所介護または予防通所リハは、運動器機能向上計画に相当する内容を予防通所介護計画または予防通所リハ計画にそれぞれ記載する場合は、その記載をもって運動器機能向上計画の作成に代えることができる。
エ 運動器機能向上サービスの実施
運動器機能向上計画に基づき、利用者毎に運動器機能向上サービスを提供する。
 ※運動器機能向上サービスは、国内外の文献等において介護予防の観点からの有効性が確認されている等の適切なものとする。

 ※運動器機能向上計画に実施上の問題点(運動の種類の変更の必要性、実施頻度の変更の必要性等)があれば直ちに当該計画を修正すること。

 ※個別にサービス提供することが必要であり、集団的な提供のみでは算定できない。
(個別の提供を必須とするが、加えて集団的なサービス提供を行うことを妨げるものではない)
1 ヵ月ごとのモニタリング
【モニタリング】
短期目標に応じて、概ね1月間毎に、利用者の短期目標の達成度と客観的な運動器の機能の状況について(必要に応じて、運動器機能向上計画の修正を行う)
カ 事後アセスメント
事後アセスメントを実施し、その結果を担当ケアマネ事業者に報告する
【時期】運動器機能向上計画に定める実施期間終了後
【事後アセスメント内容】
 ・利用者毎
 ・長期目標の達成度および運動器の機能の状況について
【継続提供する場合】
・予防ケアマネによる事後アセスメント報告も踏まえた介護予防ケアマネジメントの結果、
「運動器機能向上サービスの継続が必要である」と判断がなされる場合、上記アからカまでの流れにより、継続的に運動器機能向上サービスを提供する。
  記録
以下の場合は、あらためて運動器機能向上加算の算定のために利用者の運動器の機能を定期的に記録する必要はない。
「基準省令に規定されている、提供したサービスの内容等の記録に、利用者ごとの運動器機能向上計画に従い、利用者の運動器の機能を定期的に記録する場合」
【担当者】
 理学療法士等、経験のある介護職員その他の職種の者
 ※「経験のある介護職員」として想定される者
   これまで機能訓練等において事業実施に携わった経験があり
   安全かつ適切に運動器機能向上サービスが提供できると認められる者
機能訓練指導員の兼務
個別機能訓練加算Ⅰ(通所介護)を算定するために配置された機能訓練指導員が、予防通所介護の運動器機能向上加算を算定するために配置された機能訓練指導員との兼務はそれぞれに支障のない範囲で可能である。


◆(参考)指導・監査でよくある指摘事項


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