2018/02/20

居宅介護支援・特定事業所加算 2018.4~2021.3



特定事業所加算



1)趣旨
特定事業所加算制度は、中重度者や支援困難ケースへの積極的な対応や、専門性の高い人材の確保、医療・介護連携への積極的な取組等を総合的に実施することにより質の高いケアマネジメントを実施している事業所を評価し、地域における居宅介護支援事業所のケアマネジメントの質の向上に資することを目的とするものである。
2)基本的取扱方針
特定事業所加算(Ⅰ)、(Ⅱ)又は(Ⅲ)の対象となる事業所については、
・公正中立性を確保し、サービス提供主体からも実質的に独立した事業所であること
・常勤かつ専従の主任介護支援専門員及び介護支援専門員が配置され、どのような支援困難ケースでも適切に処理できる体制が整備されている、いわばモデル的な居宅介護支援事業所であることが必要となるものであり、これらに加えて、特定事業所加算(Ⅳ)の対象となる事業所においては、日頃から医療機関等との連携に関する取組をより積極的に行う事業所であることが必要となる。
本制度については、こうした基本的な取扱方針を十分に踏まえ、(1)に掲げる趣旨に合致した適切な運用を図られるよう留意されたい。

注 別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)に届け出た指定居宅介護支援事業所は、当該基準に掲げる区分に従い、1月につき次に掲げる所定単位数を加算する。ただし、特定事業所加算()から特定事業所加算()までのいずれかの加算を算定している場合においては、特定事業所加算()から特定事業所加算()までのその他の加算は算定しない。


イ特定事業所加算()500単位

ロ特定事業所加算()400単位

ハ特定事業所加算()300単位
ニ特定事業所加算()125単位(平成31年度から施行)

※別に厚生労働大臣が定める基準の内容は次のとおり。居宅介護支援費における特定事業所加算の基準

イ特定事業所加算()

次に掲げる基準のいずれにも適合すること
(1)専ら指定居宅介護支援(法第四十六条第一項に規定する指定居宅介護支援をいう。)の提供に当たる常勤の主任介護支援専門員を二名以上配置していること。
1)関係
常勤かつ専従の主任介護支援専門員については、当該指定居宅介護支援事業所の業務に支障がない場合は、同一敷地内にある他の事業所の職務を兼務しても差し支えないものとする。
(2)専ら指定居宅介護支援の提供に当たる常勤の介護支援専門員を三名以上配置していること。
[2]2)関係
常勤かつ専従の介護支援専門員3名とは別に、主任介護支援専門員2名を置く必要があること。したがって、当該加算を算定する事業所においては、少なくとも主任介護支援専門員2名及び介護支援専門員3名の合計5名を常勤かつ専従で配置する必要があること。

(3)利用者に関する情報又はサービス提供に当たっての留意事項に係る伝達等を目的とした会議を定期的に開催すること。

[3]3)関係
「利用者に関する情報又はサービス提供に当たっての留意事項に係る伝達等を目的とした会議」は、次の要件を満たすものでなければならないこと。
ア議題については、少なくとも次のような議事を含めること。
1)現に抱える処遇困難ケースについての具体的な処遇方針
2)過去に取り扱ったケースについての問題点及びその改善方策
3)地域における事業者や活用できる社会資源の状況
(4)保健医療及び福祉に関する諸制度
5)ケアマネジメントに関する技術
6)利用者からの苦情があった場合は、その内容及び改善方針
7)その他必要な事項
イ議事については、記録を作成し、2年間保存しなければならないこと。
ウ「定期的」とは、おおむね週1回以上であること。
(4)二十四時間連絡体制を確保し、かつ、必要に応じて利用者等の相談に対応する体制を確保していること。
[4](4)関係
24時間連絡可能な体制とは、常時、担当者が携帯電話等により連絡を取ることができ、必要に応じて相談に応じることが可能な体制をとる必要があることを言うものであり、当該事業所の介護支援専門員が輪番制による対応等も可能であること。

(5)算定日が属する月の利用者の総数のうち、要介護状態区分が要介護三、要介護四又は要介護五である者の占める割合が百分の四十以上であること。
[5]5)関係
要介護3、要介護4又は要介護5の者の割合が40%以上であることについては、毎月その割合を記録しておくこと。なお、特定事業所加算を算定する事業所については、積極的に支援困難ケースに取り組むべきこととされているものであり、こうした割合を満たすのみではなく、それ以外のケースについても、常に積極的に支援困難ケースを受け入れるべきものであること。
また、(7)の要件のうち、「地域包括支援センターから支援が困難な事例を紹介された場合」に該当するケースについては、例外的に(5)の40%要件の枠外として取り扱うことが可能であること(すなわち、当該ケースについては、要介護3、要介護4又は要介護5の者の割合の計算の対象外として取り扱うことが可能)。

(6)当該指定居宅介護支援事業所における介護支援専門員に対し、計画的に研修を実施していること。
[6]6)関係
「計画的に研修を実施していること」については、当該事業所における介護支援専門員の資質向上のための研修体系と当該研修実施のための勤務体制の確保を定めるとともに、介護支援専門員について個別具体的な研修の目標、内容、研修期間、実施時期等について、毎年度少なくとも次年度が始まるまでに次年度の計画を定めなければならない。また、管理者は、研修目標の達成状況について、適宜、確認し、必要に応じて改善措置を講じなければならないこと。なお、年度の途中で加算取得の届出をする場合にあっては、当該届出を行うまでに当該計画を策定すればよいこと。

(7)地域包括支援センターから支援が困難な事例を紹介された場合においても、当該支援が困難な事例に係る者に指定居宅介護支援を提供していること。
[7]7)関係
特定事業所加算算定事業所については、自ら積極的に支援困難ケースを受け入れるものでなければならず、また、そのため、常に地域包括支援センターとの連携を図らなければならないこと。

(8)地域包括支援センター等が実施する事例検討会等に参加していること
[8]9)関係
特定事業所加算の趣旨を踏まえ、単に減算の適用になっていないのみならず、特定事業所加算の趣旨を踏まえた、中立公正を確保し、実質的にサービス提供事業者からの独立性を確保した事業所である必要があること。

(9)居宅介護支援費に係る運営基準減算又は特定事業所集中減算の適用を受けていないこと。

10)指定居宅介護支援事業所において指定居宅介護支援の提供を受ける利用者数が当該指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員一人当たり四十名未満であること。
[9]10)関係
取り扱う利用者数については、原則として事業所単位で平均して介護支援専門員1名当たり40名未満であれば差し支えないこととするが、ただし、不当に特定の者に偏るなど、適切なケアマネジメントに支障がでることがないよう配慮しなければならないこと。

11)法第六十九条の二第一項に規定する介護支援専門員実務研修における科目「ケアマネジメントの基礎技術に関する実習」等に協力又は協力体制を確保していること。(平成二十八年度の介護支援専門員実務研修受講試験の合格発表の日から適用)

ロ特定事業所加算
次に掲げる基準のいずれにも適合すること。

[10]11)関係
協力及び協力体制とは、現に研修における実習等の受入が行われていることに限らず、受入が可能な体制が整っていることをいう。そのため、当該指定居宅介護支援事業所は、研修の実施主体との間で実習等の受入を行うことに同意していることを、書面等によって提示できるようにすること。

12他の法人が運営する指定居宅介護支援事業者と共同で事例検討会、研修会等を実施していること。

()

1)イ(2)(3)(4)及び(6)から(12)までの基準に適合すること。
(2)専ら指定居宅介護支援の提供に当たる常勤の主任介護支援専門員を配置していること。


[11]特定事業所加算()について
常勤かつ専従の主任介護支援専門員については、当該指定居宅介護支援事業所の業務に支障がない場合は、同一敷地内にある他の事業所の職務を兼務しても差し支えないものとする。また、常勤かつ専従の介護支援専門員3名とは別に、主任介護支援専門員を置く必要があること。したがって、当該加算を算定する事業所においては、少なくとも主任介護支援専門員及び介護支援専門員3名の合計4名を常勤かつ専従で配置する必要があること。

[12]関係
特定事業所加算算定事業所は、質の高いケアマネジメントを実施する事業所として、地域における居宅介護支援事業所のケアマネジメントの質の向上を牽引する立場にあることから、同一法人内に留まらず、他の法人が運営する事業所の職員も参画した事例検討会等の取組を、自ら率先して実施していかなければならない。なお、事例検討会等の内容、実施時期、共同で実施する他事業所等について、毎年度少なくとも次年度が始まるまでに次年度の計画を定めなければならない。なお、年度の途中で加算取得の届出をする場合にあっては、当該届出を行うまでに当該計画を策定すること。

ハ特定事業所加算()

次に掲げる基準のいずれにも適合すること。

(1)(3)(4)及び(6)から(12)の基準に適合すること。

(2)(2)の基準に適合すること。

(3)専ら指定居宅介護支援の提供に当たる常勤の介護支援専門員を二名以上配置していること。

[13]特定事業所加算(Ⅲ)について

常勤かつ専従の主任介護支援専門員については、当該指定居宅介護支援事業所の業務に支障がない場合は、同一敷地内にある他の事業所の職務を兼務しても差し支えないものとする。
また、常勤かつ専従の介護支援専門員2名とは別に、主任介護支援専門員を置く必要があること。したがって、当該加算を算定する事業所においては、少なくとも主任介護支援専門員及び介護支援専門員2名の合計3名を常勤かつ専従で配置する必要があること。

ニ 特定事業所加算()

次に掲げる基準のいずれにも適合すること。

(1)前々年度の三月から前年度の二月までの間において退院・退所加算()イ、()ロ、()イ、()ロ又は()の算定に係る病院、診療所、地域密着型介護老人福祉施設又は介護保険施設との連携の回数(第八十五号の二イからホまでに規定する情報の提供を受けた回数をいう。)の合計が三十五回以上であること。

()前々年度の三月から前年度の二月までの間においてターミナルケアマネジメント加算を五回以上算定していること。

()特定事業所加算()()又は()を算定していること。
[14]特定事業所加算(Ⅳ)について
ア退院・退所加算の算定実績について
退院・退所加算の算定実績に係る要件については、退院・退所加算の算定回数ではなく、
その算定に係る病院等との連携回数が、特定事業所加算(Ⅳ)を算定する年度の前々年度の3月から前年度の2月までの間において35回以上の場合に要件を満たすこととなる。
イターミナルケアマネジメント加算の算定実績について
ターミナルケアマネジメント加算の算定実績に係る要件については、特定事業所加算(Ⅳ)を算定する年度の前々年度の3月から前年度の2月までの間において、算定回数が5回以上の場合に要件をみたすこととなる。
ウ特定事業所加算(Ⅰ)~(Ⅲ)の算定実績について特定事業所加算(Ⅳ)は、質の高いケアマネジメントを提供する体制のある事業所が医療・介護連携に総合的に取り組んでいる場合に評価を行うものであるから、他の要件を満たす場合であっても、特定事業所加算(Ⅰ)、(Ⅱ)又は(Ⅲ)のいずれかを算定していない月は特定事業所加算(Ⅳ)の算定はできない

[15]その他
特定事業所加算取得事業所については、介護保険法に基づく情報公表を行うほか、積極的に特定事業所加算取得事業所である旨を表示するなど利用者に対する情報提供を行うこと。また、利用者に対し、特定事業所加算取得事業所である旨及びその内容が理解できるよう説明を行うこと。

(4)手続
本加算を取得した特定事業所については、毎月末までに、基準の遵守状況に関する所定の記録を作成し、2年間保存するとともに、市町村から求めがあった場合については、提出しなければならない。

2018QA
137
特定事業所加算(Ⅰ)から(Ⅲ)において新たに要件とされた、他の法人が運営する居宅介護支援事業者と共同での事例検討会、研修会等については、市町村や地域の介護支援専門員の職能団体等と共同して実施した場合も評価の対象か。

(答)
・貴見のとおりである。
・ただし、当該算定要件における「共同」とは、開催者か否かを問わず2法人以上が事例検討会等に参画することを指しており、市町村等と共同して実施する場合であっても、他の法人の居宅介護支援事業者が開催者又は参加者として事例検討会等に参画することが必要である。

特定事業所加算(Ⅳ)について

138 
特定事業所加算(Ⅳ)については、前々年度の3月から前年度の2月までの間における退院・退所加算及びターミナルケアマネジメント加算の算定実績等を算定要件とし、平成31 年度より算定可能とされたが、要件となる算定実績について平成31年度はどのように取り扱うのか。

(答)

・平成31 年度に限っては、前々年度の3月において平成30 年度介護報酬改定が反映されていないため、退院・退所加算及びターミナルケアマネジメント加算それぞれについて、以下の取扱いとする。

【退院・退所加算】
平成29 年度3月における退院・退所加算の算定回数と平成30 年度4月から同年度2月までの退院・退所加算の算定に係る病院等との連携回数の合計が35 回以上である場合に要件を満たすこととする。

【ターミナルケアマネジメント加算】
平成30 年度の4月から同年度の2月までの算定回数が5回以上である場合に要件を満たすこととする。
・なお、退院・退所加算の算定実績に係る要件については、退院・退所加算の算定回数ではなく、その算定に係る病院等との連携回数の合計により、例えば、特定事業所加算()を算定する年度の前々年度の3月から前年度の2月までの間において、退院・退所加算()イを10 回、退院・退所加算()ロを10 回、退院・退所加算() を2回算定している場合は、それらの算定に係る病院等との連携回数は合計36 回であるため、要件を満たすこととなる。

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