あらかじめ仕組まれた第15回ケアマネジャー試験合格者「あり方」の迷走


介護支援専門員。

それは介護保険制度の創設と共に鳴り物入りで登場し、当初、「制度の要」とまで評された資格。それから15回目の今年度。国は、介護支援専門員のあり方を根本的に見なおそうと検証を始めました。「制度の要」に疑問符を投げかけたのです。そこでは受験資格から試験、研修の内容まで様々な議論がなされています。着地点は未だ見えていません。そして、その会議の迷走ぶりを示すが如く、試験問題でもどういったケアマネ像を目指すのかがまるで見えない内容となりました。

 試験内容への詳細な講評はシルバー新報に書かせていただきましたので、そちらをご覧いただければと思います。

ケアマネジャーの試験は年々、複雑かつ難解になる一方で、制度当初、2冊だった受験用テキストは3冊プラスCDというボリュームになり複雑かつ膨大になりました。熱心に現場で実務に就きながら、合間をぬって勉強に勤しむというやり方では、もはや通用しないでしょう。離職中・休職中などで実務経験は乏しいが、結果的に勉強に専念できる環境の人が合格するというおかしな事態がかなり起きているのではないかと想像します。

しかし、その試験の中心となっているのは制度や疾患に関する知識を問うものばかり。実際の現場では、それらはゆっくり調べれば解決することが大半で必須の知識ではありません。合格後、行われる実務研修でもアセスメント情報からクイズのように問題を読み取り、必要なケアサービスという正解を推測させるかのような非実践的な内容が占めています。

加えて、その後、行われる現行の居宅ケアマネ教育の多くは運営基準を模範としたような教科書的なプロセスで行われ、かつ算定ルールや給付管理を省いた形で行われるものが大半です。

まるで実践とは程遠いことばかり国はしているように思えます。
しかも、居宅ケアマネジメントは個別で訪問する業務形態がゆえに実地指導なども行いにくく、加えて少人数の事業所が大半であるためまともな教育を受ける機会を得られることも多くはありません。先輩がいるからといって、その先輩がきちんと仕事を教えてくれる保障がないのが、この職種の特徴です。人数が多い事業所なら安心かというと、みんな「誰かがなんとかしてくれるだろう」と無責任集団であることだってありえます。

その結果、難解な試験や研修をパスしたにも関わらず、給付管理の1つも分からない、算定のやり方も分からない、まったく戦力にはほど遠いケアマネジャーが量産されているのが実際ではないかと思います。

一方で、ケアマネジャーの質のあり方を厚労省始め、多くの学識者の方々が批判をしています。しかし、そのケアマネジャーを養成する、この制度を作っているのは彼らです。ケアマネジャーではありません。彼らが作ったケアマネジャーを彼ら自身が批判しています。一体、これはどうしたことでしょうか。

ケアマネジャーのあり方を検討する以前に、「国の機関」やあのような「会議のあり方」そのものを検討しなければならないのではないでしょうか。

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