2012/11/03

ケアマネ・実務研修時におけるアセスメント・ツールの選び方



ケアマネジャーの試験に合格すると研修でアセスメント・ツールの演習などがあるかと思います。

そして、その際に、どれを選ぶのかを迫られる訳ですが、まったく海のものとも山のものとも分からないものを何も知らない人が選べるわけがありません。

まして、それらの帳票はすべて細かくて、一目見ただけでは、何がどうよくて悪いのかなど、見分けがつくはずがないのです。

そこで、まったくの初心者の方が手っ取り早く、かつ、失敗のない選び方をご説明します。

それは、主に下記に絞れるかと思います。

1) 自分の不得手な分野を補ってくれるものであること
2) 記入欄やチェック項目が多すぎないこと
3) 記入欄が少なすぎないこと

1) については、日本の介護支援専門員はあらゆる資格の方が取れるということもあり中には老人や介護に接したことのない人も多いかと思います。一方で、老人には接したことはあるけど、それ以外の勉強は何もしたことがないという人もいるかもしれません。

それら、さまざまな人がAさんのアセスメントをした際に、その見立てに偏りや偏見、ムラがあっては困ります。

そこで、少しでも問題の「抜け」がないかを確認する意味で、そのような道具を使うわけです。

ですから、現在、いろんな団体がツールを作成していますが、それぞれ、その職能性ごとにこだわりが強く出ています。

うっかりすると、自分のなじみの基礎資格の団体が作ったものを選んでしまいそうになるかもしれません。

でも、それはちょっと違うかなと考えます。

むしろ、自分に足りないものを気づかせてくれるもの。
それが、今後のあなたのスタートには見合っているのではないかと考えます。

ただ、2)と3)に言及しますと、どれも適当なものはないのかな、というのが本音です。

というのも、やはり、どこもそれなりのプライドと威厳を持って作成していますから、「悪い意味で細かすぎる」んですね。

実際に現場で実践をやり始めると、どれも細かすぎてしっくりくるものは少ないような気がします。

正直なところ、実際の現場で、あれほど細かい詳細なアセスメントをしていれば、おじいさん、おばあさんは、寝てしまいます(笑)

ですから、私の事業所の場合は、事業所独自のものを作成して使っています。

え? 独自のものでもいいのかって?

大丈夫です。厚生労働省で定めた23分野に渡る項目が標準装備されているという条件がつきますが、何も実際の現場では、既存団体の作成したツールでなければならないわけではありません。

それに、研修でAというツールを選択したとしても就職した先では、Bというツールで統一されているかもしれませんし。

そして、アセスメント・ツールについて大切なのは、そのようなツールの使い方うんぬんよりも、「自分に足りない視点を探す」ということではないかと考えます。

本当に介護支援専門員業務が完璧な人にとって、最高のアセスメント・ツールは何の指定欄もあらかじめ設けられていない、一人ひとりの利用者によって変幻自在に内容が変わる「白紙」の様式だからです。

以下、参考までに主なアセスメント・ツール

MDS-HC方式:アメリカ発
日本社会福祉士会方式(ケアマネジメント実践記録様式)
日本訪問看護振興財団方式
三団体ケアプラン策定研究会方式:施設の団体が作った
日本介護福祉士会方式:
新・サービス計画ガイドライン方式: 全国社会福祉協議会



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