サービス担当者会議って何?

ご存知のように介護保険証に載っている要介護認定には有効期間があります。それが切れないようにするためには、更新申請をしなければなりません。

 その更新により介護保険証が切り替わった際に、我々、ケアマネジャーには「サービス担当者会議を開催しなさい」というルールが厚生労働省で取り決められています。ケアマネジャー、サービス事業者などが利用者さん宅にて、介護サービス計画の打ち合わせをすることが、これに当たります。

利用者さんや、そのご家族にとってみれば、「そんなに大そうなことをしなくても」とやや躊躇(ちゅうちょ)される方も中にはいらっしゃいます。確かに複数の人たちが集まるので、そのお気持ちも分かるような気もします。しかし、この打ち合わせは、利用者さまの立場に立った始点からも開催しておかれる方が無難だと思います。

 その理由はいくつかあります。まず一つは介護サービスは直接、利用者さまに接する対人援助業務だからです。

われわれ、介護サービス事業者も初めての面接時などは緊張し、はりつめた神経を使いサービス提供をしています。それは利用者さまも含め、誰しも同じことかと思います。しかし、高齢者介護サービスの場合、若い人のリハビリなどと違い、劇的に症状がよくなるということはなかなかありません。むしろ、あまり変化のない中で、徐々に、状態が低下していくという場合が大半です。そんな中、あまり大きな変化や刺激のない中でケアサービスを集中し、緊張し、提供し続けるということは、例えプロといえども、難しい面があるのです。いつしか、知らず知らずのうちに気持ちが緩んでしまうということはあるのです。

そして、そんなちょっとした気の緩みが大きな事故につながります。もともと、利用者である要介護者の方は10代、20代のような健康状態ではありません。むしろ肉体的には転びやすく、ケガもしやすい「弱者」という部類に入ります。介護サービス従事者は常に適度な緊張感や集中力を持続することがとても大事なのです。

そして、そのような介護サービスの「仕切りなおし」の役目が、先の介護サービス計画の打ち合わせにはあります。半年から1年に1回ほど担当者で顔を合わせ、利用者さまを囲むことでサービス事業者は思いを新たにすることができるのです。


それ以外の介護サービス計画の打ち合わせをする意義は、各担当者が利用者さまの生活状況とサービス計画を確認する、という意味があります。
これは医療保険と違い、介護保険サービスでは殊のほか重要です。
というのも、医療は基本的に一番上に医師がおり、医師が上から下へ指示、命令を出し、サービスが提供されていきます。看護師、理学療法士、作業療法士などの医師を助ける職種は医師の指示がない限りサービスを提供することはできませんし、その内容も医師からの指示が根本になります。

しかし、介護サービスはそのような上からの指示が必要ありません。上から下への命令、指示がないので、放っておけば、それぞれのサービスがバラバラに脈絡なく提供され、費用負担の割りに介護負担が軽減されない、ということも起こりえます。

また、多くのサービスが国家資格を持った専門職種達です。一職種だけでのサービス提供ならいざ知らず、複数の専門職種がチームとなってサービスを提供する時、それぞれの専門性によるこだわりやプライドなどから、専門職同士の関係はぎくしゃくしたり、仕事の連携が取りづらかったりすることは、珍しいことではないのです。専門職であるがゆえに利用者様の生活全体に目が行かなかったり、事業者同士の関係がぎくしゃくする事があるのです。

そして、そうならないために介護保険では利用者さま主体の介護サービス計画(ケアプラン)というものが重視され、それを利用者さまやケアマネジャー、サービス事業者などの皆で作成し、みなで一つの介護サービス計画を中心にして動いていくようなシステムになっています。
当然、その介護サービス計画をうまく運用するには、担当者で顔を合わせ、介護サービス計画の打ち合わせをしておく方が、のちのち、介護サービス計画を変更したり修正するときに便利なのです。

以上が、介護サービス計画の打ち合わせ(サービス担当者会議)をする主な理由です。利用者さまご自身が、よりよい介護サービスを継続して利用していただけますよう、保険証の切り替え時などには、是非、サービス担当者会議をケアマネさんに開催してもらいましょう。サービス事業者の中で、常にサービス担当者会議に参加してもらえない事業者があれば、利用者さまの生活全体が大切に扱われているか、どうか冷静に観察してみましょう。あまりに事業者の都合ばかりが優先されているようであれば、保険者などへの苦情相談窓口に相談してみましょう。

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