訪問介護(ヘルパー)利用上のポイント

数ある介護サービスの中でももっとも利用者が使いこなすのが難しいサービスが訪問介護です。それには制度、人材、相性などさまざまな問題がありますが、利用者側の利用方法に問題がある場合もあります。

 訪問介護は一人の人が家の中の日常生活場面に介入してきて、さまざまな世話をするサービスであるだけに、利用者やその同居家族の生活にまで多大に影響を及ぼすサービスです。また、家という閉ざされた空間の中で個別に行われるために公私混同が起こりやすいリスクを兼ね備えたサービスです。

 「公私混同」はその関係が良好である場合には、あうんの呼吸などで融通が利き使い勝手がいいように感じられますが、一歩間違えば非常に大きなリスクを伴います。その意味で訪問介護など在宅サービスを上手に利用するには、公私の境界をきちんと設け、節度ある利用が重要となってきます。

 また、特定の訪問介護員が公私混同をしてしまい特定の利用者のプライバシーに介入しすぎることは、その管理をしている訪問介護事業所にとってもリスクとなります。誰にも魔が差すということはあるがゆえに、そういう事態を未然に回避する意識が重要になります。
 それら利用者と訪問介護との関係が節度あるものとなるように訪問介護の利用については、さまざまなルールが設けられています。

 例えば
1)訪問介護が支援対象とする範囲は家の中としており、通院などは例外的に認められているものの、「場所はどこでもOK」という風にはなっていません。

2)また、その支援内容も日常生活上の支援ということで「非日常的な冠婚葬祭や年に1度の大掃除、行事などへの支援など」は対象になっていません。

3)また、ちょっとした野暮用や雑用など単なる便利屋とならないよう身体介護の算定には最低20分程度以上の内容が必要とされていますし、複数回サービスを利用する際には概ね2時間程度の感覚を開けることになっています。

4)もちろん、健康な同居家族の食事の支度や家事などもできません。

 このようなルールは普通の感覚であれば理解できるものです。しかし、長く訪問介護員を利用しているうちに感覚がにぶってくることもあります。少しずつ関係性に「程よい緊張感」がなくなってきたりしてしまうことがあります。
 
 それら程よい関係を保つために訪問介護事業所でも訪問介護員(ホームヘルパー)調整時にさまざまな配慮を行います。例えば、複数回サービスの提供がある場合、あえて一人の同一ヘルパーだけに仕事を担わせないことがあります。

これには、そのヘルパーが病気などで欠勤時等に他のヘルパーでも代替が可能にしておくなどの意図があります。また、ヘルパーとしてもたった一人で利用者の情報を背負っていることは時に負担感が強すぎる場合もあります。負担に押しつぶされないために複数のチームで仕事を担う体制をくむことで責任の分散と仕事の透明化を図ります。

 また、普段、現場でサービスを提供するのは訪問介護員ですが、基本的に訪問介護員はその上にいるサービス提供責任者との連携の元に仕事を行いますので、介護に関する情報などは随時、訪問介護員からサービス提供責任者へ伝達され、さらにそれは介護支援専門員(ケアマネジャー)に伝達される仕組みになっています。

 以上、おおまかな訪問介護の仕組みを知った上でご利用いただければ、よりよい利用につながるのではないかと思います。

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