(追記)地域ケア会議に関するQ&Aの送付について


ケアマネジャーのあり方などをさんざん審議してきた厚労省は、現在、「地域ケア会議」なるものの開催を義務付けてはどうかということを検討中です。
 そのQ&Aが発出されました。


 上記は非常に抽象的かつ漠然としたイメージの説明でしかないので、このまま実施に至った場合は必ずうまく機能しません。


要するに地域ケア会議は個別事例を通して、地域や地域の介護問題を把握し、解決への支援の場とするための行政主体の会議の性格が強いものです。


 これは現場を知らない行政に現場のことを知ってもらう意味ではメリットはあります。しかし、本当にやる気のある保険者でなければ単に机の上から理想論を打たれるだけの会議で終わる可能性が非常に大きいものです。


 なにより、医療機関などが介護問題への連携を今以上に高めてくれるような要望などが、こうした会議で検討されれば意味のあるものになるでしょうが、そうした肝心の部分は触らぬ神に祟りなしの如く、手付かずに終わってしまうことが一番、懸念されます。


 また、都市部などでは行政窓口の担当職員も2,3年で直ぐに変わってしまうなど、担当者による温度差の違いなどが多くあります。それが、結果的に現場実務者のやる気の低下などに結びつくことがあります。


 特に会議の場で公然の目にさらされるのはケアマネジャーとそのケアプランです。


受ける側はただ受身的に構えていては地獄以外の何者でもありません。「会議そのもののあり方」は適切なのか、キレイゴトばかりが飛び交う会議になっていないのか、など受ける側から検証する姿勢が必要になると考えます。
介護保険最新情報

Vol.315

平成25年2月14日

厚生労働省老健局振興課





各介護保険関係団体御中←厚生労働省老健局振興課



地域ケア会議に関するQ&Aの送付について



事務連絡

平成25年2月14

各都道府県介護保険担当課(室)御中

厚生労働省老健局振興課



(照会先)

厚生労働省老健局振興課

地域包括ケア推進係

電話03-5253-1111(内線39863936



(別紙)



「地域ケア会議」に関するQ&A



問1今般、「地域ケア会議」を通知に位置づけた背景は何か。


(答)

団塊の世代が75歳以上となる2025年へ向けて、高齢者が尊厳を保ちながら、住み慣れた地域で自立した生活をおくることができるよう、国は、医療、介護、予防、住まい及び生活支援サービスが、日常生活の場で切れ目なく提供できる地域での体制(地域包括ケアシステム)づくりを推進しています。

これを実現するためには、
①高齢者個人に対する支援の充実と、
②それを支える社会基盤の整備とを同時にすすめる必要があります。

このため、今般、
①専門多職種の協働のもと、公的サービスのみならず他の社会資源も積極的に活用しながら、高齢者個人の課題分析と在宅生活の限界点を上げるための支援の充実に向けた検討を行い、これらの個別ケースの検討の積み重ねを通じて、高齢者の自立支援に資するケアマネジメントを地域全体に普及することにより、地域で高齢者を支えるネットワークを強化するとともに、

②高齢者の自立を支援するための具体的な地域課題やニーズを行政に吸い上げ、社会基盤整備につなげる一つの手法として、地域ケア会議を通知に位置づけたところです。

各地域においては、市町村の方針や従来の活動の流れを汲んで、様々な取組が行われてきましたが、その目的や手法が多様であることから、今回このように整理したところです。現在行われている取組が、後述する目的に合致しているか、また、どの機能に該当するかを確認のうえ、地域包括ケアシステムの実現につながるよう、充実強化していくことが求められます。



問2「地域ケア会議」にはどのような目的と機能があるのか。

(答)

地域ケア会議の目的については、課長通知の中で
「ア個別ケースの支援内容の検討によるもの」と
「イ地域の実情に応じて必要と認められるもの」に大別しています。

前者については、課長通知のⅰ~ⅲで既に示していますが、後者については、例えば、個別ケースの検討による課題解決を積み重ねることによって明らかになった共通の要因や地域課題及び日常生活圏域ニーズ調査で把握された地域課題を基に、地域づくりや新たな資源開発、政策形成等につなげるものを取り扱うことが考えられます。これらを踏まえて地域ケア会議の有する機能を整理すると、個別ケースの支援内容の検討によるものについては、



①多職種が協働して個別ケースの支援内容を検討することによって、高齢者の課題

解決を支援するとともに、介護支援専門員の自立支援に資するケアマネジメントの

実践力を高める「個別課題解決機能」それを通じた


②高齢者の実態把握や課題解決を図るため、地域の関係機関等の相互の連携を高め

地域包括支援ネットワークを構築する「ネットワーク構築機能」


③個別ケースの課題分析等を積み重ねることにより、地域に共通した課題を浮き彫

りにする「地域課題発見機能」が主なものとして挙げられます。


また、地域の実情に応じて必要と認められるものとしては、


④インフォーマルサービスや地域の見守りネットワークなど、地域で必要な資源

を開発する「地域づくり・資源開発機能」


⑤地域に必要な取組を明らかにし、政策を立案・提言していく「政策形成機能」

などが考えられます。


これらの目的・機能は、一度の会議ですべてを網羅することは困難であるため、課題や目的に応じて、開催方法や実施回数、参加者等を検討する必要があります。

地域の実情に応じて既存の会議を活用しながら、不足している部分を強化していくことが重要です。

特に、個別ケースの検討による①~③は重点的な取組が求められます。

また、会議の主催者及び名称については、実施主体の判断によりますが、その機能に着目し、①から③については主に地域包括支援センター主催による「地域ケア個別会議」、④及び⑤については検討内容によって地域包括支援センターまたは市町村主催による「地域ケア推進会議」と称するなど、会議の機能に応じて設定することが考えられます。

いずれが主催する場合も、ひとりひとりの高齢者が尊厳を保ちながら、住み慣れた地域で自立した生活を送ることができるよう支援することを目指しています。会議の設置・運営に当たっては、上記のような地域ケア会議の全体像(目的・機能)を十分に理解した上で、開催目的を明確にして実施することが求められます。





問3「地域ケア会議」で行う個別ケースの検討と「サービス担当者会議」、「事例検討会」の違いは何か。

(答)


「サービス担当者会議」は、介護支援専門員の主催により、ケアマネジメントの一環として開催するものです。効果的かつ実現可能な質の高い居宅サービス計画とするため、利用者の状況等に関する情報を各サービス担当者等と共有するとともに、専門的な見地から意見を求め、具体的サービスの内容の検討、調整を図るものであり、その位置づけは地域ケア会議とは異なります。なお、サービス担当者会議においては、保健・医療職やインフォーマルサービス、住民組織等の協力者の参加が少ないという実態があります。

一方、「地域ケア会議」で行う個別ケースの検討は、
地域包括支援センター又は市町村の主催により、
包括的支援事業の一環として、
幅広い地域の多職種の視点により、
それぞれの専門性に基づくアセスメントやケア方針の検討がなされる場です。

この検討を通じて、高齢者に対する包括的ケアと自立支援に資するケアマネジメントの実践力を高め、保健・医療職やインフォーマルサービス等を含めた地域包括支援ネットワークの構築、地域課題の把握等を行います。

また、これらの積み重ねにより、介護支援専門員のケアマネジメント能力が向上し、その結果、サービス担当者会議が充実することが期待されます。なお、「事例検討会」は、援助者の実践力向上を図ることを目的とした場合、研修としての意味合いが強く、ここでいう「地域ケア会議」とは異なります。





問4個別ケースの支援内容の検討はどのように行うか。

(答)

個別ケースの検討に取り上げる事例は、
市町村の方針に基づき、地域包括支援センター又は市町村が選定します。

包括的・継続的ケアマネジメント支援業務の一環として支援困難事例の相談・支援から事例を取り上げる場合、総合相談支援業務等の一環として住民や関係機関等からの相談事例を取り上げる場合、各市町村の課題に応じて関係者に事例の提供を求める場合等が考えられます。

支援困難事例の場合は、主に介護支援専門員が抱える困難事例等、総合相談支援事例の場合は、地域住民や医療機関等の関係機関による支援要請事例等に対し、地域包括支援センターの三職種をはじめとした多職種による課題分析を行い、必要に応じて多様な機関との連携や役割分担を行い、サービス利用者や地域住民のQOL向上と自立支援に資するケアマネジメントの支援を検討します。

また、市町村の課題に応じて事例提供を求める場合は、たとえば小規模な居宅介護支援事業所、経験の浅い介護支援専門員が担当する事例、新規開設事業所の事例、軽度者の区分変更事例、予防プランの委託事例、障害者自立支援法からの移行事例、小規模多機能型居宅介護など地域密着型サービスの利用事例、施設入所待機中の事例、施設入所者の事例等、市町村として潜在課題が予測される事例に焦点を当てることが考えられます。

いずれの会議も、出席者への追及の場ではなく、よりよいケアマネジメントが行われるよう多職種が支援チームとなって検討する場であり、サービス利用者や地域住民のQOLと地域のケアの質の向上が目的です。

したがって、主催者側は意見を述べるだけではなく、必要に応じて、その後のモニタリングや支援内容に対する事後フォローを行うことが求められ、プランを変更することとなった際は、利用者等への説明や他機関との調整について、介護支援専門員をバックアップすることが重要です。





問5地域づくり・資源開発、政策形成を行うために「地域ケア会議」ではどのような検討を行うのか。

(答)

「地域ケア会議」において個別ケースの課題を解決していく中で、地域に不足している資源やサービス、連携が 十分な職種・機関、新たに取り組むべき課題等が明らかになってくるため、これらを関係者で共有し、社会基盤の整備についての検討を行うことが考えられます。

これらの地域課題は、日常生活圏域内の調整で解決可能な課題から、市町村全域での検討が必要な課題もあるため、それぞれのレベルの課題を地域包括支援センターと市町村職員が共有し、地域で必要な資源の開発を検討して政策に反映させていきます。この場合、案件によっては地域における関係者の代表者レベルによる開催が必要なケースも考えられます。なお、会議内容の具体例は以下のとおりです。


①地域づくり・資源開発等の例

・公的サービスだけでは支えきれない課題(ゴミ出し、見守り等)がある場合、住民

組織やボランティアとの協働などについて検討

・特定の機関(医療機関、施設等)との連携が進まない場合、関係者で好事例を共有

し改善方法を検討

・特定の介護支援専門員やサービス事業者の課題(自立支援の理解不足、サービス過

剰、サービス過少等)の解決のため、職能団体や事業者団体のネットワーク化によ

る解決方法を検討



②政策形成等の例

・圏域内で解決困難な課題(買い物弱者の移動手段、孤立死防止に関する企業との連

携等)について、市町村での事業化・施策化の必要性について提言

・地域ケア会議で見出した地域で実践されている有効な解決策を、地域全体に普及す

ることについて提言



以上のような取組により、以下に示すような政策形成につなげていくことが重要です。

・市町村は、地域包括支援センターの提言を受け、日常生活圏域ニーズ調査など計画策定に関する調査結果とあわせ、地域のニーズ量に基づき資源を開発し、次期介護保険事業計画に位置づけ
・市町村内で解決困難な課題(医療資源の 足、道路・交通、法制度上の課題等)について、広域的な検討の場及び国・都道府県等に対して政策を提言し、提言を受けた国
・都道府県等は適切に対応









問6「地域ケア会議」の開催によってどのような効果が得られるか。

(答)

地域ケア会議は、個人で解決できない課題を多職種協働で解決し、そのノウハウの蓄積や課題の共有によって、地域づくり・資源開発、政策形成等につなげ、さらにそれらの取組が個人の支援を充実させていくという一連のつながりがあります。

その効果を具体的に挙げると、サービス利用者や家族にとっては、より良いケアマネジメントが提供されることとなるため、サービス利用者の自立支援やQOLの向上につながります。

また、介護支援専門員と事業者にとっては、他の専門分野の知識を得る機会になり、他機関との役割分担やサポートによって負担が軽減します。さらに、支援チームが課題解決の経験を積み重ねることによって、類似事例においても自主的な実践が可能となり、早期対応が重度化を防止することにもなります。こうした取組は、地域ケア会議に参加した関係者のスキルアップや事業者間での質の管理にも役立ち、保険者にとっては、適正な介護給付の維持と地域包括ケアシステムの構築につながり、地域住民にとっては、住み慣れた地域で安心して生活を継続できるという効果があります。

このように、「地域ケア会議」の実践は、地域包括ケアシステムの構築・発展に有効な機能であり、サービス利用者は勿論のこと、支援者、市町村及び地域住民にとっても様々な効果をもたらすものであると言えます。



問7個別ケースの検討は行わなくてもよいか。

(答)

地域包括ケアシステムづくりのためには、①高齢者個人に対する支援の充実と、②それを支える社会基盤の整備とを同時にすすめる必要があります。地域ケア会議における個別ケースの検討は、自立支援に資するケアマネジメントの実現、サービス利用者のQOLの向上、関係者のOJT等の効果が期待されるところであり、これらの積み重ねにより、地域における個別支援の最適な手法が蓄積されます。また、これらの事例の課題分析等を行うことで、社会基盤の整備に資するニーズや地域課題を把握することができます。したがって、地域包括ケアシステムづくりのために、地域ケア会議において個別ケースの検討を行うことは大変重要な取組であると言えます。





問8「地域包括支援センター運営協議会」を「地域ケア会議」に置き換えてもよいか。

(答)

地域包括支援センター運営協議会は、地域包括支援センターの業務に関する評価を行い、センターの適切、公正かつ中立な運営の確保を目指すこと目的としていますが、運営要綱7-(3)に規定する所掌事務のうち、「(e)その他地域包括ケアに関すること」について、地域づくり・資源開発、政策形成等の地域ケア会議の目的・機能に合致する内容の検討を行う場合は、地域ケア会議に置き換えて差し支えありません。

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