2013/07/22

7/18、予定通り読書会「ホンとの話」を開催しました。

◆去る7/18、予定通り読書会「ホンとの話」を開催しました。

参加者はグループホーム、デイサービス、訪問介護、在宅ケアマネジャーと今回は在宅系が多め。前回より少人数だっただけに、非常にコアで濃密なトークが展開。酒も入り半分酔っ払い状態での非論理的なケア談話の一部をご紹介~。(なお、飲酒により不適切発言もあるため個人名はすべて伏せさせていただきます)


◆共生について
A 「(知的障害、自閉症などの方々への支援について)「本の中に以前は契約や労働という概念もなく、障がいの有無に関わらず「共に生きる」ことを考えていた。本人宅でご飯作るのは面倒だから、ヘルパー宅で一緒に食べるとか、呑み屋で遅くまで飲むとか! 専門職の「役割」や「責任」といったことよりも・・・という箇所の「共に生きる」とはどういことなのかを考えてしまいますね…。共生について、努力している人はしているけど、寛容になれない市民側の気持ちもわかる。担当している認知症の人も、火の元の恐れが出始めると、近所の人が施設に入れたがろうとする現実があるから」

B 「在宅を見ていると『こんな人でも一人暮らしなんだ!』って人もいっぱいいる。たとえば、足は立たない、口は達者、施設からは入所拒否…それで近隣住民からは『あんな人いつまでも独りでおいて』と苦情が出てる…でもやはり本人の同意がないと入所には至らない…。周りの近隣住民が見ていることと援助者である私が見ていることとの違いが大きいように感じる…。そこで地域包括支援センターが助けてくれればいいんだけど、そうならない。『よくやってるわネ~』って傍観者のようなセリフだけで終わっちゃう」

C「在宅介護の現場では、以前、しょっちゅう警察沙汰になる人がいた。さみしさがあるのか軽犯罪ばかり繰り返していた。役所のケースワーカーもついていたけど、頼りにならないのか、そんな問題までケアマネが相談窓口になってた。介護の問題じゃないのに」

◆個人を見れない専門性と介護の分化

D「グループホームでは〇〇さんという固有名詞じゃなくて「認知症」とか「長谷川式」とか客観的評価で利用者が語られることが多い。例えば、帰宅願望ひとつ取っても、ほんとの理由はいろいろ。なのに、全部、『帰宅願望』という専門用語でくくられている現実がある」

C「介護保険以後、専門性=細分化の流れが強い。例えばデイもリハ特化型とか入浴特化型とか。それだけでない。ケア自体も専門分化されている。「認知症ケア」、「ターミナルケア」「タクティールケア」「バリデーション」って。介護ってそんなに細分化すべきものなのかな? 例えば口腔ケアが大事でよく言われる。それが大事なことは分かっている。でも、現状の人員体制や報酬体系でできうる限界がある。どんだけ安い報酬で介護現場の質を求めるのかって思う。

D「それにかこつけて研修屋もはびこっている。「○○療法」「○○ケア」って銘打つ研修のがやたらとある。そんなもの専門特化しなくても、現場は介護報酬の範囲内で普通にやってることなのに。」

C「『○○療法』という言い方には、本当に違和感を感じる。そこには「老い」や「認知症」を治療の対象としてとらえている、「治す対象」としてとらえている医療モデルが横たわっている。もちろん、治る人に対する療法なら、それを否定しない。でも、それは医療保険でやっていただきたい。でも、医療モデルは「もう、これ以上、よくならない、治らない」という人に絶望しか与えない。その絶望に立った淵に寄り添い、そこから『治らないあなたでもいい』と寄り添うところから始めるのが『介護」だと思う。ちなみに、訪問介護にリハビリ職同行で生活リハビリプログラムを考える加算が制度化されたけど、さっぱり使われていない。当たり前だと思う。』

◆『公』の意識

D「『介護保険は使わない』って宣言して、実際に保険料も払わなかった人がいた。その人が入院し、要介護状態になり、退院してきて自費のサービス利用だけで暮らしていたところ、あっという間に亡くなった。使わない保険料を延々と何年も支払うよりも、自費だけのサービス利用の方が安く済んだと思う。あの人は『介護保険(の掛け捨て)』に勝ったって思う(笑)」

A「市民にはしたたかな人がいる。ケアマネは自己負担金額不要だから『通院連れてけ』とか」

B「福祉用具業者にもあやしい所がある。高齢者は不要なにも関わらず、電動カートを高齢者宅に搬入し置かせてもらっている。本人から1割負担を取るべきところを、とっていないから本人の負担金はない。そして、残りの9割の介護保険の報酬を保険者に請求している。指定取消になるはず。」

C「介護も無駄な費用はあるけど、医療のムダや処方はもっと悪質なんじゃないかな。必要性のない検査を『とりあえず検査』と進めてみたり、必要性のない薬や老人が管理把握できない程の薬剤を処方してみたり」

…と、介護現場の吐息まじりの座談会はホンとアルコールをガソリンにどこまでも迷走してゆくのでした…。
 
 というわけで、次回の読書会は8月は1回、お休みをいただき9月12(木)に開催する予定です。当日は輪読中の本「良い支援?」の著者をゲストにお迎えしようかと、ただいま調整中です。
初参加の方はタイトルを「読書会希望」としてお名前と参加人数、返信先をお書きの上、メールならselfcare2010@yahoo.co.jp
まで。


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