2013/10/15

生活リズムって?

ずっと関わっている利用者のAさん(92歳女性)。

ご主人と二人暮らしで近くに身内はいません。

家では2階で布団で就寝、

朝 目が覚めたら起きて自分でゆっくり階段で1階におりてくる。

日中は1階。食事も1階で。という生活で特に転倒したりつまづいたりされることはありませんでした。

認知症があり、同じ事を何度も言ったり、夜遅く起きてごそごそしたりするので
ご主人も疲れて、
去年ぐらいからショートステイを月に一回ほど利用するようになりました。

ある日ショートから帰って来たら骨折していました。入院。

人工の股関節を入れる緊急手術。執刀医曰く

『そんな大した手術じゃないから、まあ成功です。入所するか、自宅へ帰るか早めに決めて下さい。ここで出来る事は特にないんで』

看護師長から
「落ち着きがなく寝てくれない、昼間も騒いだりする、手術した足を内向きにしたり、転倒したりすると人工関節がはずれて再手術になるから付き添ってほしい」と言われ、

ご主人がヘルパー派遣と家政婦を頼み、24時間付き添いました。

夜中 騒いだりされながらも、二週間ほどでちょっと手を貸せばトイレで排泄できるほどに回復。
回復期の人が移る、リハビリ病棟に移りました。リハビリ病棟は、一日の生活リズムを整えるとの事。

『こちらで介助しますのでヘルパーさんはもう結構ですよ』と言われました。が、3日ほどで

『昼食と夕食介助だけヘルパーさん来てもらいたい』とケアマネジャーに連絡あり。夕食の時間に病院へ行きました。

久しぶりに会ったAさんは、痩せて頬骨が出た力のない顔で身体もひとまわり小さくなっているように見えました。

《日中は出来るだけ離床》と 車椅子に乗せられ、テーブルを取り付けられた状態で眠っている。これが92歳の生活リズム?

Aさんを見て驚いてる私に、『少し体調 悪かったんでねぇ』と看護師さん。

リハビリ病棟の患者は基本、食事の時間がくると食堂に集まって(というか集められ)一斉に食事をする。そして歯磨き、トイレ、着替え、就寝。
そのリズムに乗せられてる、ほとんどが高齢者でした。

Aさんの横に座り 看護師さんが用意した食べこぼし用エプロンを『これつけるの?』と尋ねる。

Aさん『あんたがつけなさい』

『私はもっとかわいいの持ってます』と自分のエプロンをみせる。

Aさん『あら いい色ねバラが綺麗やわ』と笑顔。

自分だけが食べるのは私に悪いと気を使う方なので、おにぎりを用意して一緒に食事。

30分程で、20人ぐらいいた人は次々に歯磨きに出発し、誰もいなくなり、テレビが消されました。

『あら、テレビ消えたよ。もう食堂終わりかな?部屋でたべましょうか?』と病院のヘルパーさんに声かけると、
『いえ こちらでゆっくり食べていただいて結構ですよ』
と言われました。

お言葉に甘えてゆっくり食べてると、電気も半分消されました(笑)

いいんです。節電万歳です。(しばらくして部屋食に変わりました)

ご主人は奥さんの事をちゃんと考え、出来る限りの事をし、
病院の体制に疑問を感じ
医師やケアマネに在宅を希望し続けています

『ここにいても好きに動けないから落ち着かない。寝てるぐらいなら家に帰ったほうが落ち着くと思う』

看護師さんに 家での暮らしを聞かれたので
『家では家事をしたり植木の手入れをしたり、ゆっくりだけどよく動く働き者で、こける(転ぶ)こともなかったです。』と伝えると

『在宅 希望されてるけど 勝手に起きて骨折とかしたら危ないから 今の状態では厳しいよね。ご主人は理解がないし…』と言われました。

『いや、在宅 大丈夫ですよ きっと。』
と医学的根拠もなく、無責任に口から出ました。

看護師さんは『うーん…』

私から見ると《奥さんの生き方をちゃん考えている理解のある家族》であるご主人も、

看護師さんから見ると《現状を考えず在宅を希望する理解のない家族》なのか。

人を見る視点
物事を見る視点
は、一つではない。

色んな角度から考えるのが望ましい。

しかし…、このリズムに心地好く乗れる年寄りがいるとすればハリウッドスターやな。

なんて思いつつ、食事を共にする今日このごろです

おかめ

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