◆ケア交流会「本トの話」こぼれ話。
先日は忘年会を開催しました。特養で作業療法士(以下OT)をされている女性が来てくださり、面白い話を聞かせてくださいました。以下にちょこっとご紹介。(聞き手・本間)
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「私ですか? 特養で作業療法士(以下OT)をしてます。OTは施設内で一人だけです、沢山、配置したところで、お金になりませんからね。
でも、仕事はおもしろいですね。『訓練』と称して、いろんなことができますからね。
だって、ホラ、介護職の方はルーティン業務などで仕事がかなりガチガチに組まれているから、今や、ゆっくり老人と話す時間すら持てないじゃないですか。
でも、私の場合、ほとんど放飼いのようなものですからね、老人がトイレに行きたいタイミングでトイレ介助に入ったりしてます。トイレ介助すら介護職の方は時間的な余裕がなく、臨機応変な対応をする余裕もないですからね。
それだけ多忙で更に、残業は沢山あるし、休みもきちんと取れていない方もいます。本当に気の毒に思います。
ただ、そうした状況下で余裕のある介護を受けられないお年寄りも本当に気の毒ですからね。せめて、私だけでもと思い、介護職さんができないような、一人ひとりの方とじっくり向き合うような介護をしています。
じっくり話をしてると、みなさん、面白い話や素顔が引き出せて面白いんですよね。生活の中に生きがいなどが見いだせるのが、何よりのリハビリになると思いますから。
ええ、そうです。普通に介護職さんと同じように介護してますよ。それに少しだけで、違ったことをやっている程度で。だって、みなさん、80、90代の方々なわけで劇的な向上なんてありえないわけですからね。
え? なら、介護職とほとんどやっていることが変わらないかって? そうですね。あまり変わらないと思います。普通のオムツ交換もしてますし、食事介助もしてます。
それなら、なぜ、専門職として配置されているのかって?
そうですね。その話は以前にも、同じリハビリ職と話したことがあります。
特に回復病棟など出身で機能の回復という成功体験を重ねてきたリハ職からすれば、介護の領域でのリハビリの場合、なかなか目立った成果は上がらないわけで、やはり『自分はここの職場で何をしているんだろう』と自問せざるえない人も出てくるんですよね。
それで、その質問に対し、以前、ある先輩が「これだ」っていう答えを言ってくれましたね。明解な答えでした。
その先輩、こう言ったんですよね。『国が配置するように決めているから、この職場に(私たちは)いるんじゃないの。別に専門性が必要だからとかは二の次で』って(笑)。
でも、確かにそれが事実なわけですよね。それ以来、私も、普段、やっていることは介護職の方々と対して変わらないですけど、開き直って、特にこだわらずにやってますね。
でも、同じリハビリ職同志でも派閥じゃないですけど、相容れない流派のようなものはありますよ。
リハビリ職全体の中で見れば、私のような、『機能回復にこだわらないOT』は異端で、いわゆる普通のOTからは変な目で見られることもありますね。
私が行く、介護系の研修でも、まず同じPTやOTと遭遇することがないですし。
え? 同じ施設内の看護師との付き合いですか? なるべく近寄らないようにやってます(笑)。同じ医療職とはいうものの、向こうは何人もいますし、こっちは一人だけですしね。一度、介護に関して自分の考えを看護師の上司に話したら、白い目で見られました(笑)それ以来、お互いに温度差を感じたようです。」
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