東野真吾さん
(社会福祉法人神戸福生会・御倉あんしんすこやかセンター※)
※地域包括支援センター
※本文は個人情報保護の観点から事実と異なる箇所があります。
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介護の仕事はできないと感じた
介護の仕事はできないと感じた
高校卒業が近づき進路について考えている時のことでした。
ある日、たまたま家の近所を杖をつきながらヨボヨボと歩くおばあさんがいました。
その時ふと、「このお婆さんの役に立つような仕事につきたいな」と思いました。
その頃は介護保険制度が始まる前年で、世間的にも介護や福祉のことをよく見聞きする時代背景がありました。
そこで介護福祉士の資格を取りたいと思い、介護福祉学科のある大学を受験することにしたのがこの業界に入ることになったきっかけです。
その後、福祉大学に入学し、介護のことを学びました。
大学の生徒会のようなものにも参加し、広報誌の編集や写真撮影などもしていました。大学時代は楽しかったですね。
勉強は人並みにしたほうだと思います。
でも、授業で介護施設などへ実習に行くようになり、次第に当初もっていた理想が陰るようになります。
というのも介護施設にいらっしゃる老人にはリハビリなどやってもまったく改善されない方や、重度の認知症でコミュニケーションが取りづらい(あるいはまったくとれない)方も多くいらっしゃいます。
ある日突然亡くなられることも珍しくはありません。
若い人のように機能訓練をすれば右肩上がりで成果がでるようなことは、ほとんどないといっていいでしょう。
介護者は機能が低下する一方の老人によりそうだけです。
わずかな実習期間でしたが、大学で習った介護の目的の「自立支援」という言葉が無意味に感じてしまったというか、何をやってもけっきょくは死にゆく人々に対する援助の意味を見いだせなくなりました。
自分には「老い」にひたすら寄り添い続ける、とくに直接介護の仕事はできないと感じたのです。
大学卒業の頃には既に介護の仕事はしたくないと思うようになっていました。
大学の広報誌作りが面白かったので、大学卒業後、福祉の本を取り扱っている出版社に就職したいと考え上京しました。
介護老人保健施設の支援相談員に
大学の広報誌作りが面白かったので、大学卒業後、福祉の本を取り扱っている出版社に就職したいと考え上京しました。
出版社などを何社か受けたのですが、どれも失敗。
いろいろ考えた末に、やはり一度はきちんと介護の仕事に取り組もうと思い、介護老人保健施設へ支援相談員(入退所調整や他機関との連絡調整などを行う者)として就職することになりました。
それから何年か相談員として仕事を続けていたのですが、新しい施設のオープニングスタッフとして介護職が足りないので異動してほしいといわれたんです。
心理的に抵抗のあった介護職でしたが、異動の話があったとき、自分でも拍子抜けするほどすんなりその事実を受け入れました。
異動の話を聞く少し前、生活とリハビリ研究所の三好春樹さんの企画で北海道のある介護施設へ見学に行く機会がありました。
そのときの体験が僕を介護職に目を向けさせたんです。
その施設は僕が目標としていたケアを実践していました。
朝の起床時間は管理的ではなく、まちまちだし、排泄はできるだけオムツは使わずトイレで対応している。
お風呂もベルトコンベアーのような流れ作業にならないようマンツーマンで対応し、機械浴は使わず家庭にあるような普通のお風呂に入れる。
手すりなどの環境面もさりげなく気が利いていました。
僕はそこで初めて、「きちんとした介護に取り組んでいる所がちゃんとあるんだ」ということを実感しました。
その頃、僕は現場の介護に直接関われない相談員のもどかしさを感じていました。
北海道から帰ってきたあとは、介護職もいいじゃないかと思う自分がいました。
そこにすごいタイミングで介護職への異動の話がきたんです。
新しい職場は新設ということもあり、介護の中身を自分たちで一から作っていくことができました。
非常に働きやすい職場でさまざまなことを学ばせていただきましたが、何年か働いていくなかである課題が見えてきました。
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介護の仕事はできないと感じた
介護老人保健施設の支援相談員に
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介護難民となる老人たち
「とくに何もありゃしないよ」
3/4
「介護が大変になった」と施設を出された井上さん
排泄と尊厳
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たった2週間後で施設から舞い戻ってきた
専門家と家族の協働が必要
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