2014/06/27

介護保険最新情報Vol.382 /介護予防・日常生活支援総合事業及び地域密着型通所介護に係る経過措置について




介護保険最新情報Vol.382
介護予防・日常生活支援総合事業及び地域密着型通所介護に係る経過措置について


厚生労働省老健局振興課
事務連絡平成26年6月25



「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」(平成26年法律第83号。以下「医療介護総合確保推進法」という。)については、本日公布されたところです。

また、本日、「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令」(平成26年厚生労働省令第71号。以下「整備省令」という。)があわせて公布され、本日から施行することとされています。

医療介護総合確保推進法及び整備省令のうち、本日から施行することとされている介護予防・日常生活支援総合事業(以下「総合事業」という。)及び地域密着型通所介護経過措置の概要については、「「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」の一部の施行等について」(平成26年6月25日付け医政発0625第1号・社援発0625第1号・老発0625第1号)及び「「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令」の施行等に伴う留意事項について」(平成26年6月25日付け老計発0625第1号・老振発0625第1号。以下「留意事項通知」という。)により、既にお示ししているところです。

これらの経過措置による総合事業及び地域密着型通所介護のみなし指定の詳細については、現時点で下記のとおり検討しているので、貴職におかれましては、これを御了知いただくとともに、管内市町村等に周知をお願いいたします。

なお、下記については、今後の検討により変更の可能性があることに御留意ください。

また、総合事業及び地域密着型通所介護の概要については、今後開催する会議等において示すことを予定しています。

記1.
総合事業に係るみなし指定

(1)みなし指定の趣旨

予防給付の介護予防訪問介護、介護予防通所介護等を総合事業として市町村に円滑2に移行するためには、市町村の事務負担の軽減を図ることが必要だと考えている。

このため、総合事業による事業者の指定については、事業開始時における市町村の事務負担を軽減するため、留意事項通知第2の1のとおり、みなし指定の枠組みを設けている(医療介護総合確保推進法附則第13条ただし書)。

(2)総合事業に係るみなし指定の有効期間

総合事業に係るみなし指定については、その効力が平成27年4月1日から生じ、その有効期間については、第6期事業計画期間における経過措置として、原則平成27年4月から平成30年3月末までの3年間とするが、市町村が平成27年4月までにその有効期間を定めた場合にはその定める期間とする予定である(今後政省令等で規定予定)。

そのため、例えば介護予防・生活支援サービスの基盤整備が充実している市町村においては、総合事業に係るみなし指定の有効期間をあらかじめ2年と定めること等も可能である。

なお、予防給付から総合事業への移行期間中である平成27年度から平成29年度までの間にあっては、予防給付による指定(介護予防サービス事業者の指定)の効力も残るため、総合事業に係るみなし指定について「別段の申出」をしない事業者については、市町村による総合事業の指定と、都道府県等による予防給付の指定の2つが効力を生じる。

(3)総合事業に係るみなし指定事業者の基準やサービス単価、利用者負担

総合事業においては、高齢者の多様なニーズに対応した多様なサービスが市町村ごと展開され、指定事業者の基準やサービス単価、利用者負担についてはその内容に応じて市町村が定めることが原則であるが、そのうち、総合事業に係るみなし指定を受けた事業者が提供するサービスの基準やサービス単価、利用者負担割合については、国が定めたものを勘案して市町村が定めるものとする予定である。

なお、国が定める具体的な基準やサービス単価、利用者負担割合については予防給付によるものを踏まえた内容とする予定である(平成27年度介護報酬改定等の改定についても反映する予定である)。

また、当該事業者について、平成30年4月1日(※)以降も事業を継続する場合には、市町村から総合事業の指定の更新を受ける必要がある。

※みなし指定の有効期間を市町村が独自に定める場合は、当該期間の満了日以降。

(4)総合事業に係るみなし指定の効力の範囲

総合事業に係るみなし指定は、現行の予防給付の指定からの円滑な移行のため、全市町村に効力が及ぶこととされている。

このため、市町村において、国の定める有効期間、基準等と異なる取扱いをする場合は、事前に当該市町村の区域内に所在する事業所だけではなく、当該市町村の被保険者が利用している当該市町村の区域外の事業所に対しても周知する等、総合事業によるサービスが円滑に提供されるよう周知等を行うことが適当である。

総合事業に係るみなし指定の有効期間が満了し、更新を行う場合は、その効力は、各市町村の区域内においてその効力が及ぶため、事業所が所在している市町村(A市町村)以外の市町村(B市町村)の被保険者が利用している事業所については、A市町村の指定更新とともに、B市町村の指定更新が必要となる。

なお、総合事業について、実施を猶予して平成27年4月から実施しない市町村も想定されるところであるが、医療介護総合確保推進法においては、そのような市町村においても総合事業に係るみなし指定の効力は生じる。

予防給付の介護予防訪問介護等に係る指定介護予防サービス事業者による指定については、平成27年4月以降であっても新たな指定や更新を受けることは可能である。ただし、その場合にあっては、総合事業に係るみなし指定の対象とならない。

(5)総合事業に係るみなし指定を希望しない介護予防サービス事業者の申出

医療介護総合確保推進法附則第13条ただし書によるみなし指定を希望しない介護予防サービス事業者による申出については、当該事業所が所在する都道府県知事及び市町村長(他の市町村の被保険者が利用している場合には、当該他市町村長)に提出することになっているが、当該申出については施行日以降に都道府県が取りまとめて、それを踏まえて、各サービスの事業所台帳を作成し、都道府県から国民健康保険団体連合会に事業者情報を送付することになる。

また、介護予防サービス事業者は当該申出を行う際には、総合事業に移行した利用者が当該事業者によるサービスを利用できなくなるため、当該利用者が他事業所等において継続的に同様のサービスを受けることができるよう、利用者やケアマネジメントを行う地域包括支援センター等と十分調整する必要がある。

併せて、市町村においても、当該申出があった場合には、必要に応じて、利用者が継続的にサービスを受けることができるよう、事前に利用者や地域包括支援センターに周知するなど必要な措置を講じる必要がある。

当該申出に係る規定については、本日から施行され、その申出は総合事業に係る規定の施行日の前日(平成27年3月31日)までに行われることとなっていることから、市町村及び都道府県においては、介護予防サービス事業者から当該申出があった場合には、総合事業への円滑な移行が図られるよう上記のとおり適切に対応されたい。

総合事業における事業者の指定事務の詳細及び、総合事業への移行に当たっての都道府県及び市町村における具体的な事務については、別に会議等で示すことを予定している。

3.地域密着型通所介護に係るみなし指定

(1)みなし指定の趣旨

小規模の通所介護を地域密着型通所介護として市町村に円滑に移行するためには、市町村及び通所介護(利用定員が改正後の法第8条第7項の厚生労働省令で定める数未満であるものに限る。以下同じ。)を行う事業者の事務負担の軽減を図ることが必要だと考えている。

このため、地域密着型通所介護の指定については事業開始時における市町村等の事務負担を軽減するため、留意事項通知第2の2のとおり、みなし指定の枠組みを設けている。

(2)地域密着型通所介護に係るみなし指定の有効期間

地域密着型通所介護に係るみなし指定の有効期間については、施行日から効力を生じるものだが、その有効期間の満了日は改正前の通所介護の指定を受けた日から6年経過した日までとする予定である。

(3)地域密着型通所介護に係るみなし指定の効力の範囲地域密着型通所介護に係るみなし指定は、円滑な移行のため、①当該事業を行う事業所の所在地の市町村及び②施行日の前日において他の市町村の被保険者が通所介護を利用していた場合には当該他の市町村に効力が及ぶ。

(4)地域密着型通所介護に係るみなし指定事業者の基準・介護報酬

地域密着型通所介護に係るみなし指定を受けた通所介護を行う事業者が提供するサービスの基準や介護報酬については、他の地域密着型サービスと同様、その基準については国が定めたものを勘案して市町村が条例で定めるものとされ、介護報酬については原則国が定めるものとされている。

また、サービスの基準を定める市町村の条例の制定については、施行日から1年間は猶予されており(医療介護総合確保推進法附則第21条)、その間、当該条例を定めていない市町村においては厚生労働省令で定める基準が適用される。

なお、国が定める基準や介護報酬については平成27年度介護報酬改定等の改定にあわせて、示す予定である。

(5)地域密着型通所介護に係るみなし指定を希望しない通所介護を行う事業者の申出

医療介護総合確保推進法附則第20条ただし書によるみなし指定を希望しない通所介護を行う事業者による申出については、当該事業所が所在する都道府県知事及び市町村長(他の市町村の被保険者が利用している場合には、当該他市町村長)に提出することになっているが、当該申出については施行日以降に都道府県が取りまとめて、それを踏まえて、事業所台帳を作成し、都道府県から国民健康保険団体連合会に事業者情報を送付することになる。また、通所介護を行う事業者は当該申出を行う際には、利用者が当該事業者によるサービスを利用できなくなることがあるため、当該利用者が他事業所等において継続的に同様のサービスを受けることができるよう、利用者やケアマネジメントを行う居宅介護支援事業所等と十分調整する必要がある。

併せて、市町村においても、当該申出があった場合には、必要に応じて、利用者が継続的にサービスを受けることができるよう、事前に利用者や居宅介護支援事業所に周知するなど必要な措置を講じる必要がある。

当該申出に係る規定については、本日から施行され、その申出は地域密着型通所介護に係る規定の施行日(平成28年4月までの間であって政令で定める日)の前日までに行われることとなっていることから、市町村及び都道府県においては、通所介護を行う事業者から当該申出があった場合には、地域密着型通所介護への円滑な移行が図られるよう上記のとおり適切に対応されたい。地域密着型通所介護に係る指定事務の詳細及び、地域密着型通所介護への移行に当たっての都道府県及び市町村における具体的な事務については、別に会議等で示すことを予定している。

(6)留意事項

地域密着型通所介護の指定を受けたものとみなされた事業者については、地域密着型通所介護に係る規定の施行日に、居宅サービスの通所介護の指定の効力が失われることとされている(医療介護総合確保推進法附則第20条第2項)ため、現在その利用定員は厚生労働省令で定める数未満であるが、引き続き居宅サービスの通所介護として事業を行う事業者は、当該施行日の前日までにその利用定員を厚生労働省令で定める数以上に変更し、都道府県知事にその旨を届け出る必要がある。

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