紙オムツに排便!



(注! 食事中の方は読まないように!)

 つ、ついにやってしまった…。オレの事だから、いつかやるだろう、やるだろうとは思っていたけど、ついにやってしまった…。う~ん、これで、また女性の友達が二人くらい減ったに違いない。これで、きっと、仕事が3件くらい減るに違いない。

 しかし、しかし、やはり、この仕事をしていく上で、「利用者の立場に立ってみる」というのは、大切なことであって、「共感的理解」も共通体験を通して進むと思われ…
 
 …はい…いたしました…紙オムツの中で、実際に排便を…(となぜか、犯罪者のような心境)日時は、去る、9月3日、土曜日…ええ、自宅においてです…(刑事さん、タバコ一本、いいっすか?と言いたい心境)

 え? どうして、そんな事をしたかって? それは、ですから、先に書いたように、利用者の体験を…ええ…ほんの出来心で…(スーハ-、と紫煙を吐く。ホントはノースモーカーです)

 …いえ、そもそも、以前にパットの体験談なんかは、よく同業者から聞いてはいたんですね、でも、紙オムツに排便の体験は聞いた事がなかったんで。で、紙パットの体験談なんかを聞いていると、「なるほどな~」と思う反面、「あ、オレの未体験な話だ、悔しい~」と妙な所で負けず嫌いな自分がいたんです。でも、今さら、パットの体験をしても面白くないし、じゃあ、男だし、やるならテッテ-的にやってやろーじゃねーか!ってんで、バカな事を考えてしまったんです…

 …そして、その時、オレの脳裏に浮かんだのは、オレのホームグランドでもある、重度認知症者の介護の事でした。当時、オレが介護にあたっていた方々というのは、介護認定調査項目でいうところの徘徊や弄便などバリバリの方がいらっしゃる所だったんですね。

そんなだから、当然、トイレの認識も難しく、ソファに座ったまま用を足したりしてしまう事も珍しい事ではありませんでした。

それに、こちらが早く気づけると、すぐにオムツ交換もできるのですが、場合によっては、気づけない時もありました。そんな時には、申し訳ないことに、その方は紙オムツの中に便をためたまま、立ったり、座ったり、歩いたりするわけです。(その不快感からオムツ外しや弄便に発展してしまうわけで、これは介護職のプロとして恥ずかしい事なんですけどね)

 ともかくも、オレの中には、その時の映像が、まず脳裏に浮かんだわけで、自分の中に懺悔に似た気持ちもなきにしもあらずでした。(おおむね迅速にオムツ交換もしてたけど)たまには、気づけない時もあった。オレは、果たして、どれほどの不快感を与えていたのだろうか、と。

 …とまあ、そんなこんなで、オレは件の決意をしたのだった。そして、作戦決行日。便意はふいにやって来た。オレはあらかじめ、用意しておいた紙オムツを手に、そしらぬ顔で、自宅のトイレに消えたのだった…。

 トイレのドアをしめ、いざ、オムツを着ける段階になると、急に胸の鼓動が高鳴る。ドアの向こうで娘の声がする。

「娘に見つかったら、なんと説明しよう…」。父親が、紙オムツに便をしている風景を何と説明しよう。そう考えると、ますます胸が高鳴る。緊張すると、便意も喪失してきた気がする。

「お、そういえば、紙オムツなどはムレルとも言ってたな。それも体験できるチャンスではないか」と冷静な自分もいたりする。その一方で、ドアの向こうで娘の声がする。「耕平(1才児)、うんちでた~」。なんたること。父親の予行演習なのか、息子まで同じように紙オムツに便をしているではないか。ここで、オレまで、紙オムツに便をしている所を、見られたら、それこそ、娘になんと突っ込まれることか…。

ますます、心臓がバクバクしてきた。ますます、便意が減退してきた。(そうだな、もうしばらく、ほとぼりが冷めてからの方が、いいな。それとも、事前に家人に報告しておくべきかな? でも報告したら、それこそ、興味本意で笑い者にされかねないからな、と脳みそがフル回転する)

 しかし、ここで、はたと気が着いた。イカン、今日はこの後、大事な用事があるんだった…。…かくして…かくして…オレは…オレはついに…

(ピー、ピーガ-、ガガ-と音声が乱れている)

…だった。

以上。

 結果として実験により気付いたこと。

・紙オムツが重みで、ずれ落ちそうになる 
・事後、30分くらいは、そのものの熱で、不快感はさほどないこと 
・そのモノよりは、臭いの方がはるかに、それへの拒否感を決定すること、と大まかな所では、それくらいの発見であった。

 ただ、個人的には、そんなことよりも、もっと大きな発見があった。それは、いくら「実験だ」と自分や家人に言い聞かせていても、いざ、その段階になると理性と羞恥心が邪魔をするということだった。そして、正々堂々と「これがオレのウ○チだ!」と言うはおろか、「こんなにも凄い恥ずかしい事なのか」という気持ちから、まるで犯罪者のように、こそこそと実験を決行したことであった。
(2007)

3 件のコメント:

りえどん さんのコメント...

こんばんわ。ツイッターから来ました。
私も、ヘルパーの講習の時に、おむつを渡され、実際やって不快感を味わいなさいと言われました。さすがに、大は無理でしたが、小で試しました。
生暖かい不快感。それが冷えて重たくなる。
これが大だったらと。。。不快感もですが、それを、処理してもらう気持ちって。
母が、死ぬ間際まで、便をほじられるまで、出せなかったのが分かる気がします。
私は、ヘルパーの仕事はしていませんが、介護される側の気持ちは少しは分かる気がします。これから、自分が、年取って 介助してもらう。
する方に気持ちは、体験済みですから、多分 申し訳なくて、謝ってばかりでしょうね。

本間 さんのコメント...

ありがとうございます。ちょっと、ふざけた投稿に対するコメントで恐縮です。
利用者、ご家族の声ほど現場従事者の指針になるものはありません。
ちかいうちにりえどんさんのブログも拝見させていただきます。
こちらこそ、勉強させていただきます。

りえどん さんのコメント...

ありがとうございます。
私のブログの介護日記を見ていただければ、分かってもらえるかな~
父より母の、最期までの、最終の緩和ケアのブログ。
是非見てくださいね。
親近者の介護はこんなふうに、精神的の方が、大変ってこと。
未だに、毎日泣いています。