2020/09/19

第91回「社会保障審議会介護保険部会」議事録 2020年7月27日

新型コロナ25

保険者24

災害23

介護人材19

介護医療院 17

リハビリテーション17

効率化15

就労的活動14

認知症施策13

ICT12

負担軽減1011

就労的活動支援コーディネーター 10

処遇改善9

介護ロボット 7

地域共生7

地域支援事業6

財政安定化基金6

VISIT CHASE 3

重層的支援体制整備事業 2

 

栗原企画官    それでは、定刻となりましたので、ただいまから、第91回「社会保障審議会介護保険部会」を開催いたします。

 

委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席賜りまして、誠にありがとうございます。

本日は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、ウェブ会議システムを活用しての実施とさせていただきます。

 

また、傍聴席は設けず、動画配信システムでのライブ配信により、一般公開する形としております。

会の開催に当たり、まず、前回の会議から新任の委員が着任されましたので、御紹介いたします。

全国町村会副会長の椎木巧委員です。

 

〇椎木委員    全国町村会の副会長をいたしております、周防大島町長の椎木でございます。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

栗原企画官    続きまして、一般社団法人日本慢性期医療協会副会長の橋本康子委員です。

〇橋本委員    橋本でございます。

日本慢性期医療協会の副会長をしております。よろしくお願いいたします。

 

栗原企画官    続きまして、公益社団法人日本介護福祉士会会長の及川ゆりこ委員です。

 

〇及川委員    こんにちは、日本介護士会の会長となりました、及川でございます。よろしくお願いいたします。

栗原企画官    ありがとうございます。

続きまして、事務局に異動がありましたので、紹介させていただきます。大臣官房審議官老健担当の老健堀内斉です。

 

老健堀内審議官     7月20日付で老健担当の審議官に着任いたしました、老健堀内斉と申します。どうぞ、よろしくお願いいたします。

栗原企画官    続きまして、老健局総務課長の老健竹林悟史です。

 

老健竹林総務課長   老健竹林でございます。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

栗原企画官    また、本日の議題に関連しまして、社会援護局から川端福祉人材確保対策室長が出席しております。

 

それでは、冒頭のカメラ撮影は、ここまでとさせていただきます。本日は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、報道の皆様には、ここで御退室いただくこととなりますので、よろしくお願いいたします。

 

以降の議事進行は、遠藤部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

遠藤部会長    皆さん、こんにちは。

本日は、ウェブ会議ということでございますので、ひとつ、どうぞ、よろしくお願いいたします。

それでは、初めに代理出席につきまして、お諮りしたいと思います。

 

まず、黒岩委員の代理としまして、水町参考人、神奈川県福祉子どもみらい局福祉部長でいらっしゃいます。

次に、井上委員の代理として酒向参考人、日本経済団体連合会経済政策本部長でいらっしゃいます。

このお二方が御出席でございますけれども、お認めいただければと思いますが、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

遠藤部会長    ありがとうございます。

それでは、議事に入らせていただきます。

初めに、本日の資料とウェブ会議の運営方法につきまして、事務局より確認をお願いしたいと思います。

 

栗原企画官    お手元の資料の確認とウェブ会議の運営方法の確認をさせていただきます。

まず、資料の確認を行います。

本日は、電子媒体でお送りしております資料を御覧いただければと思います。同じ資料をホームページに掲載しております。

まず、議事次第と委員名簿がございます。

次に、資料1、地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律について(報告)。

 

資料2-1、基本指針の構成について。

資料2-2、基本指針(案)、これの新旧案をつけさせていただいております。

資料3、医療療養病床等から介護医療院等への移行の扱いについて。

資料4、匿名要介護認定情報等の提供に関する専門委員会(案)の設置について。

資料5「要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制に関する検討会」の報告書について(報告)。

参考資料1としまして、基本指針の参考資料。

参考資料2としまして、専門委員会(案)の設置についての参考資料。参考資料3としまして、リハの検討会の報告書本体。

参考資料4としまして、介護保険における新型コロナウイルス感染症に関する主な対応となっております。

参考資料4につきましては、議題としておりませんが、参考として掲載しております。

資料の不足等がございましたら、恐縮ですが、ホームページからダウンロードいただくなどの御対応をお願いいたします。

 

次に、ウェブ会議における発言方法等について確認させていただきます。御発言される場合は、ウェブ会議システムのチャット機能で、発言しますと

御入力いただき、会場へ発言の御意思をお伝えいただくよう、お願いいたします。

それを踏まえて、遠藤部会長に発言者を指名していただきますので、指名に基づき御発言をいただくよう、お願いいたします。

なお、チャット機能等で記載いただいた内容については、ウェブの画面及び配信動画においても表示されますので、御承知おきください。

それから、チャットでの操作が難しい場合や、正常の機能しない場合などは、通常の会議の同様に挙手にて意思表示をいただくことも可能となっておりますので、よろしくお願いいたします。

 

遠藤部会長   よろしゅうございますか。それでは、議事に入らせていただきます。

議題の1から議題の5まで、まず、これを通しで事務局から資料の説明をお願いしていただきまして、その後、皆様でディスカッションをしたいと思います。

それでは、事務局、説明をよろしくお願いします。

 

栗原企画官    企画官の栗原でございます。

議題1、制度改正に係る改正法律について、御説明申し上げます。資料1をお願いいたします。

昨年12月の介護保険部会意見を踏まえまして、3月6日に法案を閣議決定しまして、先の通常国会に提出し、6月5日に成立しております。6月12日に公布されております。

法律名のほうは、この1ページ目の表紙にございますとおり、介護保険制度の改正と、あとは、社会福祉法の社会福祉基盤整備の関係を地域共生社会の実現というのを旗印にしまして、一体的に改正を行う法律となっております。

 

資料をおめくりください。1ページでございます。

改正法律の概要でございます。この1枚に整理しております。法律の全体像でございます。

大きく5つの柱がございます。

この介護保険部会で議論をいただいた介護保険制度の見直しの関係は、主に2から4の柱の中に入っております。

施行日は、一番下にございますとおり、基本的に令和3年4月1日となっております。

次の2ページ以降が、それぞれ5つの柱ごとに1枚紙で整理したものになっております。

2ページを御覧ください。

 

これは、社会福祉法関係、福祉部会マターの話でございますけれども、地域住民の複雑化、複合化した支援ニーズに対する市町村の包括的な支援体制の構築の支援ということで、社会福祉法に基づく新たな事業を創設するものでございます。

次のページを御覧ください。3ページをお願いいたします。

2つ目の柱地域の特性に応じた認知症施策や介護サービス提供体制の整備等の推進」ということで、一番上の四角のところの1行目にございますとおり、

2040年を見据えて、また、ここの3行目にございますとおり、地域の特性に応じたさらなる取組を推進する、そういうための改正を行っております。

認知症施策の総合的な推進に関して、関係規定の強化を行ったりとか、2つ目のところにありますとおり、地域支援事業におけるデータ活用について規定の設置を行ったり、それから、介護サービス提供体制の整備につきまして、計画関係あるいは有料老人ホーム関係の規定の整備を行っているところでございます。

4ページ目をお願いいたします。

3つ目の柱でございます。「医療・介護のデータ基盤の推進」でございます。

 

一番上の四角の1行目の後ろのほうにありますとおり、地域に応じた質の高いサービス提供体制の構築に資するということを目的にしまして、環境整備等の規定の整備を行っております。

介護分野のデータ活用の環境整備ということで、ここにありますとおり、

VISITCHASE、これらは既に取組を進めているところでございますけれども、これに地域支援事業の関係の情報も加えまして、データ活用に関する規定の整備、これを法令上、行っているものでございます。

5ページ目をお願いいたします。

4つ目の柱「介護人材確保及び業務効率化の取組の強化」でございます。上の四角の2行目にありますとおり、地域の高齢者介護を支える人的基盤の

確保を図るために、市町村が策定します介護保険事業計画について、介護人材の確保、資質の向上とか、業務の効率化、質の向上に関する事項を追加する。計画関係の記載事項を充実することで、地域の取組の強化を図っているところでございます。

また、下の部分、これも福祉部会マターの話でございますけれども、介護福祉士養成施設卒業者への国家試験義務づけに係る経過措置の5年の延長というのも措置をしているところでございます。

6ページを御覧ください。

5つ目の柱、これも福祉部会マターのお話でございますが、社会福祉連携推進法人という新たな制度の創設も行っているところでございます。

7ページ、8ページに、国会での衆参両院での附帯決議について入れさせていただいております。

7ページ、衆議院のほう、項目4、5が介護保険制度の改正の関係になっております。

また、8ページ、項目2から4辺りが介護保険制度の改正の関係になっております。御覧いただければと思います。

最後に9ページに、今後のスケジュールについてつけさせていただいております。

 

一番左端に制度見直し、法案が成立しまして、施行に向けた作業を進めていきます。

また、予算の確保というのも進めていくとともに、本日の議題となっております、基本指針(案)を議論していただいて、成案を得て、各地域で介護保険事業計画を策定していただく。

 

それから、法改正と並ぶ、もう一つの制度見直しになります、介護報酬改定について、こちらも既に介護給付費分科会で3月から議論を進めておりますけれども、こちらについてもまとめていっていただいて、最後、全部そろえて来年度4月からの第8期介護保険事業計画がスタートすると、そういう流れになっております。

資料1について、説明は以上でございます。

 

山口介護保険計画課長       続きまして、資料2-1、2-2につきまして、私、介護保険計画課長から御説明を申し上げます。

「基本指針の構成について」という資料を1枚おめくりいただくと、1ページ目「基本指針について」とあります。

「第8期計画において記載を充実する事項(案)」とありますけれども、こちらにつきましては、基本的に、昨年の介護保険部会におきまして、まとめていただいた内容ですとか、一般介護予防の検討会等、そういった審議の場でまとめていただいた内容を踏まえて、第8期の計画に盛り込むべき事項というのを書かせていただいております。

こちらの資料につきましては、前回、2月の段階でお示ししたものが基本となっておりますけれども、一点、赤字で書いてあります7の「災害や感染症対策に係る体制整備」という部分につきましては、近年の災害発生ですとか、現在、我々が苦慮している新型コロナウイルス感染症の流行をふまえ、こういったことを踏まえて介護保険事業計画でも一定の記述をしていただきたいという趣旨で、2月の段階ではなかったものですけれども、今回、つけ加えさせていただいております。

2ページ目以降は「基本指針の構成について」という資料でございます。こちらにつきましても、前回の部会でお示ししたものがベースになっており

ますけれども、変更点については、赤字で書かせていただいております。

 

簡単に御説明しますと、まず、基本指針の構成といたしましては、基本的事項というのがあります。

 

基本的事項というのは、基本理念のようなものが書いてあります。計画を定めるに当たって留意すべき点、介護保険に関する哲学的な部分が書いてあるパートと考えていただければと思います。

 

前回なかったものでつけ加えたものとしては、赤字で書いておりますけれども、1つは、自立支援、介護予防・重度化防止の部分で、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施についての記載をつけ加えこととしたということですとか、

 

あるいは、3の「在宅医療・介護連携」の部分について、事業全体の取組趣旨・目的について明確化をするといったようなことをつけ加えさせていただいております。

それから、第一の四ですけれども「地域包括ケアシステムの構築を進める地域づくりと地域ケア会議・生活支援体制整備の推進」という部分につきましては、就労的活動支援コーディネーターについても、地域づくり活動の中心的な

 

役割を担うということで記載を追加しております。

3ページ目でございます。

 

「五地域包括ケアシステムを支える人材の確保及び資質の向上」の項目につきましては、項目にさらに業務効率化、その質の向上というような内容もつけ加えると、ここまでは2月の資料のとおりですけれども、赤字の部分、より具体的な内容を追加したということですけれども、都道府県は広域的な立場から、市町村は保険者として地域に取組を進める立場から、介護人材確保に当たって、いろんな取組を行っていただく必要があるという理念を書いております。

 

4ページ目に参りますけれども、基本的事項のうち十一、十二、こちらは、従来、都道府県による市町村支援等、市町村相互間の連携という2つの項目があったわけですけれども、2月の時点では、こちらは統合させていただくということを書いておりました。

 

今回の資料では、介護人材確保、生産性向上、そういったことに関して、都道府県が市町村を支援するとか、連携をしていくといったような、より具体的な内容を書いております。

 

それから、業務負担軽減、業務効率化という点で、文書負担軽減なども、この連携の対象になってくるということでございます。

 

項目の十三ですけれども、PDCAサイクルの推進というような内容になっておりますけれども、都道府県による市町村支援という中で、地域差の要因分析と、それを踏まえたきめの細かい支援の重要性というのを記載しております。

 

4ページ目、最後の部分ですけれども、先ほど申し上げた災害や感染症に係る体制整備ということで、近年の災害発生状況、新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえて、それらへの備えの重要性について記載をしたということでございます。

 

5ページ目以降が、市町村におきましては、介護保険事業計画、都道府県におきましては、介護保険事業支援計画、それぞれについて、より具体的な内容が記載されております。

こちらにつきましても、基本的に項目自体は重なる部分が多いということで、対比表のような形で示させていただいております。

 

まず、1つ目、基本的事項の部分、基本理念の中に、介護報酬の内容を踏まえることを追記したということがございます。

 

それから、要介護者等の地域の実態の把握という部分の(二)になりますけれども、保険給付の実績把握と分析とあった部分を、地域支援事業についても実態把握は必要であるということで、項目名を改めているということであります。

それから(三)の調査の実施という部分につきましては、介護離職防止の観

 

点から、労働担当部局と連携した職場環境の改善に関する普及啓発等の取組を記載していただきたいというような内容を書いております。

 

6ページ目、市町村の計画におきましては、都道府県との連携という名称、都道府県におきましては、市町村への支援という名称になっております。

こちらにつきましては、先ほど御説明した基本的事項の中の都道府県、市町村の連携あるいは市町村相互の連携という部分に対応した内容になっております。そちらの記載を充実させたことを受けて、こちらも記載を充実させております。

 

「7他の計画との関係」という中のうち「(三)市町村地域福祉計画との調和」あるいは「(四)都道府県地域福祉支援計画との調和」という部分につきましては、先ほど企画官のほうから御説明申し上げた法改正の内容を踏まえて、重層的支援体制整備事業を含めた、全体のサービスの見込み量の策定についても計画に盛り込んでいただきたいという内容を追加しております。

7ページ目でございます。

 

赤い枠で囲った部分が3点ほどあります。

まず、1つ目は、地域防災計画との調和、市町村、都道府県それぞれに項目を追加しております。趣旨は、先ほど申し上げた災害対応の必要性を書くということでございます。

 

それから、新型インフルエンザ等対策行動計画との調和というのも、市町村、都道府県それぞれに項目を追加させていただいております。

 

それから、認知症施策推進大綱を踏まえた取組というところも、今回、項目を追加することとしたということでございます。

 

「二市町村介護保険事業計画の基本的記載事項」あるいは「二都道府県介護保険事業支援計画の基本的記載事項」という部分が、7ページ目の最後の部分から始まっております。

 

8ページ目の一番上、2でございますけれども、サービスの種類ごとの量の見込みというのが、市町村、都道府県それぞれの計画に書かれることになっておりますけれども、今回、地域間の移動や地域特性等を踏まえて計画を策定いただきたいということを、特に見直しの方針案として記載させていただいております。

 

3、地域支援事業の量の見込みの部分でございます。

 

こちらにつきましては、まず、総合事業の費用あるいは事業者、団体数、利用者数について見込むよう努めることについて記載をするということでございます。

 

それから、これは介護保険の見直しの方針の意見の中でも盛り込まれたものですけれども、市町村の判断により、希望する要介護者が総合事業の対象とな

 

り得るということになりますので、そのことに留意をして、この量の見込みというのを考えてもらいたいということでございます。

 

それから、通いの場につきまして、国の目標を勘案して目標設定することが望ましいという旨を記載させていただいております。

 

9ページ目でございます。

介護給付費の適正化への取組及び目標設定というのが(二)の部分に項目としてありますけれども、こちらにつきまして、第8期からの調整交付金の算定に当たっては、介護給付の適正化事業の取組状況を勘案するということが、去年の議論の中でまとめていただいた中に入っておりますので、こちらを記載することにしたということであります。

三からが任意記載事項ということになります。

市町村、都道府県におきましては、任意ではございますが、こういった内容も定めていただきたいということであります。

 

まず、9ページ目の一番下「生活支援・介護予防サービスの基盤整備の推進」という項目ですけれども、こちらにつきましては、交通担当部門との連携について記載をするということにしたいと思っております。

 

それから、飛んでいただきまして11ページ目でございます。

11ページ目の一番下「地域包括支援センターの設置、適切な運営及び評価」という項目でございます。

こちらにつきまして、項目名に体制の強化というのを追加したと、もともと

2月の段階でも体制強化の重要性について記載というふうにしていた部分ですけれども、項目名も体制の強化というふうにするということとともに、より具体的な内容について記載をしたいということでございます。

 

12ページ目でございますけれども、特定施設入居者生活介護の指定を受けていない有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅の入居定員総数についてということの項目の中で、これまでは設置状況を記載というのを、2月の段階でお示ししていたわけですけれども、指導監督の徹底による質の確保という内容もつけ加えさせていただいております。

 

12ページ目の最後の部分ですけれども、災害に対する備えの検討あるいは感染症に対する備えの検討、それぞれ市町村、都道府県の計画に盛り込んでいただきたいということでございます。

資料2-1は、以上でございます。

2-2につきましては、先ほどの2-1に、ページ番号が振っておりますので、御関心のある部分は、こちらのほうでも御確認をいただいた上で、御意見をいただければと思っております。

引き続きまして、資料3について御説明をいたします。

 

1ページ目を御覧いただければと思います。

「医療療養病床等からの介護医療院等への移行について①」というページがございます。

現状・課題の部分から御説明しますけれども、指定介護療養型医療施設及び医療療養病床につきましては、介護医療院等への移行について国のほうでも促進をしているということでございますけれども、そういった中で、こちらについては、介護保険法上の総量規制の対象外としているところでございます。

 

2つ目の○ですけれども、こちらは現状・課題の②とも密接に関連しますけれども、これによって第7期の計画策定時には、見込んでいなかった転換が行われるということが生じている。

こういった場合に、現状・課題の②になってくるわけですけれども、場合によっては、介護保険特別会計に不足が生じるという事態が考えられます。

そのための仕組みとして、既にこれはあるものですけれども、財政安定化基金というのが都道府県に設置されております。

これは、介護保険の財政に不足が生じた場合に、貸し付けを受けるという仕組みになっております。あくまで、これは貸し付けですので、返済をしなければいけないのですけれども、それは、翌事業計画期間、次の3年間を使って返済するということになります。

 

そうなると、次の事業計画期間における保険料というのは、この返済分を上乗せして設定する必要が出てきます。

 

こういったことがありますので、仮に転換を見込んでいなかった分の転換が大量に起こるということになりますと、保険料額が大幅に増額するという可能性が、あくまで可能性ですけれども、生じるということであります。

 

こういったことを踏まえまして、次の2ページ目ですが、論点を2つ書かせていただいております。

 

まず、1つ目の論点としては、先ほどの総量規制の話になります。

介護療養型医療施設から介護医療院等への円滑な移行を促すため、当然、保険料に影響するのは医療療養病床からの移行になりますけれども、こういった円滑な移行を促すために、第8期計画期間におきましては、引き続き総量規制の対象外としてはどうかというのが、1つ目の論点でございます。

 

2つ目の論点といたしましては、この返済期間につきまして、通常であれば、貸し付けを受けた次の事業期間、3年間で返すという形になりますけれども、そうすると、その3年間に対する影響というのは、どうしても大きくなりますので、それを3計画期間で返すと、つまり9年間で返すというふうにしたらどうかというのが論点の②でございます。

ただ、こちらにつきましては、恒久的措置ということでなくて、地域医療構

 

想の目標は2025年であるということがありますので、第8期、2023年までの第

8期、それと、2026年までの第9期のみの時限措置としてはどうかということでございます。

残りは、参考資料になっております。資料の説明は、以上でございます。

 

眞鍋老人保健課長でございます。

それでは、次の資料につきまして、御説明をさせていただきます。

「匿名要介護認定情報等の提供に関する専門委員会(案)の設置について」でございます。

資料4を用いまして、御説明をさせていただきます。

1ページ目でございます。

これまでの経緯ということがございます。これは、昨年でございますけれども、健康保険法等の一部を改正する法律が成立してございます。

 

その中におきまして、相当の公益性を有する研究等を行う幅広い主体に対して、匿名介護保険等関連情報を提供することができるということが、法律上、明確化されたところでございます。

 

また、その提供を使用する場合には、あらかじめ社会保障審議会の意見を聞かなければならないとされたところでございまして、これが本年10月1日に施行ということでございます。

 

この匿名介護保険等関連情報でございますけれども、その下に※1で解説がございます。

こちらは、介護保険総合データベース、以下、介護DBと略称しますが、それに格納されております要介護認定情報等を、これは、被保険者等が特定できないように、匿名化したデータということでございます。

 

そして、※2がございますけれども、これは、介護保険の匿名介護保険等関連情報のみならず、医療保険のほうでレセプト情報、そして、DPCデータベースについても同様の規定が整備されておるというものでございます。

 

2ページ目に進ませていただきます。

論点でございますが、このように、医療と介護のレセプト情報、要介護認定情報等を第三者に公開していくということでございますけれども、医療保険のほうでも検討が進んでございます。

1つ目の○でございますけれども、今年の7月9日に開催されました、第129回の医療保険部会におきまして、この医療保険部会の下に専門委員会を設置することや、その運営方針、提供の流れ等の案が了承されたところでございます。当部会におきましても、同様の措置ができないかと御提案するものでござい

 

まして、次の○でございます。

こうした医療保険部会における対応も踏まえ、匿名介護保険等関連情報の取扱いについては、以下のとおりとしてはどうかとするものでございまして、この改正法の施行に合わせまして、当部会の下に専門委員会を設置すること、名前は匿名要介護認定情報等の提供に関する専門委員会でございます。

そして、この専門委員会で、関連情報の提供の可否について、総合的に審査を行っていただくということ。

また、運営等は、次のページにあるとおりとしまして、詳細については、部会長と協議の上、確定すること。

そして、次のポツでございますけれども、こちらは、介護情報を、医療情報ですね、匿名レセプト情報と連結するようにできる状態での提供申出があった場合には、合同で審査を行うこと。

また、その審査のガイドラインにつきましては、当該専門委員会で検討を行うことなどを御提案させていただきます。

最後のページでございます。

こちらは、専門委員会の設置についてということでございます。

趣旨は、先ほど申し上げたとおりでございまして、構成員は、介護関連情報等の有識者を中心に構成する予定でございまして、部会長と相談の上、確定したいと考えてございます。

検討項目は、その下にあるポツでございますけれども、総合的な判断をしていただくこと、また、ガイドライン等を策定していただくこと。

運営等に関しましては、原則公開ですが、提供申出に係る審査は、非公開ということでございます。

また、関連資料、医療保険部会における資料などが参考資料2にございますので、適宜御参照いただければと思います。

資料4に関する御説明は、以上でございます。

 

それでは、資料5につきましては、引き続き、老人保健課長より御説明をさせていただきます。

こちらは「『要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制に関する検討会』報告書について(報告)」でございます。

1ページ目でございます。

左側に「目的・検討事項」とございまして、これは、昨年末にお取りまとめいただきました、介護保険制度の見直しに関する意見の中におきましては、リハビリテーションについて、どの地域でも適時適切に提供されるよう、介護保険事業(支援)計画での対応を含め、さらなる取組の充実が必要であるとまとめられたところでございます。

 

こうしたことを踏まえまして、第8期の介護保険事業(支援)計画におきまして、活用していただけるような要介護者等に対する、いわゆるリハビリサービスの役割や目標等を検討するために、これは局長の私的諮問機関として設置をしたものでございます。

検討スケジュールといたしまして、4月、5月、月1回のペースでやってまいりまして、今年の7月14日に報告書を公表したところとなってございます。

メンバー構成は、右側にございます。

その概要ですが、2ページでございます。

今回のリハビリテーションサービスにおける提供体制の議論の範囲でありますけれども、リハビリテーションの定義も含め、提供に当たり、ICF、国際生活機能分類による「心身機能」「活動」「参加」に働きかけるリハビリテーションを提供することが重要であることを確認いたしました。

そして、こちらで検討しました指標の対象サービスでございますけれども、本検討会では、主にリハビリテーションを提供するサービスであります訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、介護老人保健施設、介護医療院を対象としてございます。

指標についてでございますけれども、その下の(2)にございますように、保険者及び都道府県が、計画に活用できるよう、リハビリテーション指標を設定、その指標の具体的なものが右側でございます。

指標といたしまして、いわゆるアウトカムとしてストラクチャー指標、プロセス指標、アウトカム指標とあるわけでございますけれども、それらの指標ですが、まずは、ストラクチャー指標、プロセス指標を設定してはどうかという結論になってございまして、その下の表にございますような指標を案としてお示ししたものでございます。

 

 

これを受けまして、この報告書自体は参考資料3にございますけれども、先ほど計画課長より御説明がありました基本指針につきましても、時間の関係上、資料に戻ることはいたしませんが、資料2-2のページで申し上げますと、45ページに、こうした指標を参考に計画を立案することも考えられるということを記載させていただいているところでございます。

 

資料5に関する御説明は、以上でございます。

遠藤部会長    ありがとうございました。

 

以上、事務局から通しで説明をいただきました。全体を通じてで結構でございますので、委員の皆様から、御意見、御質問等をいただければと思います。よろしくお願いします。

いかがでございましょう。

 

では、大西委員、どうぞ。

大西委員      ありがとうございます。

まず、3点にわたって意見等を言わせていただきたいと思います。

まず、議題2の「基本指針(案)について」でございますが、第8期計画の基本指針につきまして、多岐の項目にわたりまして、網羅的にまとめていただいたことに感謝申し上げたいと存じます。

 

現在、各市町村において、令和3年4月から始まります第8期の計画策定の準備を進めているところでございますけれども、全国介護保険担当課長会議等による速やかな情報提供を引き続きお願いしたいと思っております。

 

特に、今回は、新型コロナウイルス感染症の影響がございまして、課長会議の開催等も従来より遅れているようでございます。それにより、計画策定のための期間が短くなることが想定されております。

 

また、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によりまして、通いの場へ行けなくなった方や、従来どおりの介護サービスが利用できなくなったことによる利用者への影響などもございます。

そのようなことを考慮しますと、これまでの第7期計画と同様の手順では、適切な介護保険事業計画の策定は困難ではないかと懸念いたしております。

このような中、国におきましては、市町村が円滑に計画を策定できるように、この感染症が将来推計に与える影響への考え方などを具体的に示していただくなど、必要な対応や支援を、ぜひお願いしたいと存じます。

2点目でございます。

資料2-1、「基本指針の構成について」の11ページの1番目の欄で、「見直しの方針案」の列の新項目の追加というところの真ん中辺りに、地域医療介護総合確保基金を活用したICT導入支援についての記載等々の記述がございます。

 

これらの項目につきましては、2040年に向けて、あるいは今後は新型コロナウイルス感染症に対応した介護基盤整備とか、人材確保といったものを進める必要があるということでございまして、本指針におきましても、このような介護人材確保でありますとか、業務の効率化等の記載が、新たに追加されているものと承知をいたしております。

 

この中で、特に介護分野における先進技術の活用方策ということでございますが、これは「骨太の方針2020」でも示されておりますけれども、例えば、ケアプランのAI活用推進でありますとか、あるいは介護ロボットの導入等ございますが、それぞれいろいろと方策が示されておりまして、これらの方策によりまして、現場の生産性の向上や、また、負担軽減等につながるように、引き続

 

き、国として十分な検討を行っていただきたいというお願いでございます。最後に、3点目でございますが、議題3の「『介護保険制度の見直しに関する意見』を踏まえた医療療養病床等から介護医療院等への移行の扱いについて」でございます。

 

御説明にございましたように、医療療養病床から介護医療院への転換につきましては、第7期計画におきまして、総量規制の対象外とされたところでございます。

 

第8期計画においてもそうしたらどうかという論点もございますけれども、その場合、当然、保

険者にとりましては、サービス見込み量の見通しが立てづらいということでございます。

 

医療保険から介護保険への利用者の振り替えということになるわけでございまして、計画期間中の介護保険財政に与える影響は、非常に大きいということでございます。

そこで、保険者への支援策として、財政安定化基金の返済期間について、1期3年から3期9年へ延長するということが示されておりますけれども、この基金は、あくまでも貸し付けというものでございます。返済をしていかなければならないということでございまして、これは、次期計画期間以降に保険料の増加を転嫁していくことにすぎないということで、市町村にとりまして、実質的な財政支援とは言えないと考えております。

 

第8期計画期間におきましても、医療療養病床等からの転換について、総量規制の対象外とするような場合には、各保険者の介護保険財政へ与える影響を考慮していただき、例えば、財政調整交付金等の交付金による実質的支援というものを、ぜひお願いしたいと思っております。

以上でございます。

 

遠藤部会長    ありがとうございます。御意見として承りました。

ほかに御意見、御質問、いかがでしょうか。それでは、及川委員、お願いいたします。

及川委員      ありがとうございます。

まずは、基本指針、資料1の中にも入っておりました、人材確保及び質の向上ということでございますが、昨年も重ねて申し上げておりましたが、介護福祉士国家資格の資格取得方法の一元化の件なのですけれども、5年先送りに関して、私どもの団体としましては、遺憾の意を表してまいりました。今後もしっかりと議論させていただきたいと申し上げます。

 

そして、資料2-1の最初のページでございますけれども、備えというキーワードがついておりました。少し備えということに対して意見を申し上げます。まず、災害時については、介護福祉士の養成についての見直しにおいても、

介護福祉士のアセスメント力や対応力が非常時にも期待される。その旨が国の報告書にも明示されました。それを踏まえて、カリキュラムにおいて災害支援の学びが評価されたと認識しています。

 

日常であれ、災害時であれ、非日常であっても、そこに生活、暮らしが存在しており、尊厳と自立を念頭にした支援は不可欠であります。それらを踏まえた学びをしておくことは、備えと言えるのではないでしょうか。

 

日本介護福祉士会としても、災害支援の研修などを展開していることは、まさに備えと言えます。

感染症においても、生活に密接に関わる専門職として、スタンダードプリコーションの徹底を平時から図ることが何よりの備えと言えます。

 

ただし、災害時にせよ、感染拡大にせよ、それでも起きてしまったときのことを考えると、日頃から法定定数ぎりぎりで運営している事業所は、外からの支援が入るまでの間、踏ん張りがなかなか効かないという状態があります。

 

理想を申し上げれば、有事の際であっても対応できる余力が残るような人員確保を各事業所ができていればいいのですが、なかなかそれは難しいような状況でございます。

法定定数の問題、報酬の問題、そもそもの人材確保の問題など、そのようなところに波及する話ではございますが、例えば、社会福祉連携推進法人のようなネットワークによるカバー体制が、法人種別、事業種別を問わずできるような枠組みを地域ごとに設けるなどして、災害大国として、また、感染症による新たな環境整備として、既存になかった工夫が求められていくのではないかと考えます。

それから、新型コロナウイルス感染症に関する主な対応について、議題ではございませんでしたが、私どもは、本当に医療崩壊を防がなければならない現状の医療関係者の、その隣に、私たちも位置しております。

 

介護職員の必要性や、その価値というものが、今、社会的に認められたなと感じておりますが、これからもきちんとした対応、きちんとした予防、そして、拡大させないというようなところをしっかりと守っていきたいと思っております。

この場をおかりして、これまでの、また、これからの介護職員等に対する補助金や様々なご支援に対して、感謝を申し上げたいと思います。

以上でございます。ありがとうございました。

 

遠藤部会長    ありがとうございました。

それでは、多くの方が手を挙げておられますので、次は、久保委員、お願いいたします。

 

久保委員      ありがとうございます。それでは、発言させていただきます。人材確保については、以前より意見を申し上げておりましたが、基本指針に

盛り込んでいただき、感謝申し上げます。

 

まず、介護ロボット、ICTの活用について意見を述べさせていただきます。介護労働は力仕事が多く、職業病ともいえる腰痛を理由に離職する介護従事

者は少なくありません。介護ロボットは介護従事者の安全衛生、とりわけ腰痛による離職を防ぐ効果、また、転倒や転落、徘徊の予防等、介護サービス利用者に安心感を与えるなど、多くのメリットが考えられます。

2019年にNCCUが行った就業意識実態調査では、介護ロボットの活用について、賛成する介護従事者は過半数を超え、腰痛や体の負担が減る、人手不足を補えるという理由が大半を占めていました。

しかし、価格が高いことや、介護事故への懸念から導入している事業所は、まだ少数になっています。

したがって、介護ロボット導入の推進に当たっては、補助事業の内容や導入による改善事例の周知強化などを通し、介護事業者に対し、積極的に活用するよう働きかけていただくことをお願いします。

次に、国は人材確保の一環として、介護職員処遇改善加算や、介護職員等特定処遇改善加算で処遇の改善を行っています。

特に、昨年10月から実施されている介護職員等特定処遇改善加算は、経験、技能のある職員が長年勤めても賃金が上がらないという介護職員等の不満を解消する上では、極めて有効な施策であると評価できます。

NCCU2020年賃上げ結果を見ると、定昇及び従来からの処遇改善加算並びに特定処遇改善加算によって、介護従事者の月例賃金の平均値が約1万6000円引き上がる効果が出ており、結果につながっています。さらに、一時金による改善も見込まれています。

しかし、厚労省の調査によると、介護職員等特定処遇改善加算Iの取得率は、合計で27.6%、最も高い介護老人福祉施設においても69.1%、最も低い地域密接型通所介護では10.8%にとどまり、有効に活用されていない実態が明らかになっています。

一方で、私どもNCCUと労使関係がある法人においては、51法人中37法人が加算Iを取得しており、取得率は72.5%です。

したがって、制度を理解し、取得に向けた環境を整えることは、決して困難

 

ではないと考えられます。

そのため、国や自治体は、未取得事業者に労働環境や人事制度等の改善を通じた加算取得へ、ますますの支援を積極的に進め、介護業界全体の処遇の底上げを図ることが重要です。

また、国は介護人材確保に向けて、様々な基金を整備しています。この様々な基金の中身について認知されていない都道府県や、活用していない都道府県に対して、活用の推進を促すよう、お願いします。

最後に、人材確保には、介護従事者の処遇改善が最も重要です。処遇改善を差し置いて、様々な対策を講じても、人材確保は困難であります。

したがって、介護人材確保のためには、処遇改善が最大の処方箋であるということを申し添えます。

以上です。ありがとうございました。

遠藤部会長    ありがとうございます。

それでは、大勢の方が手を挙げておられますので、続けていきたいと思います。

伊藤委員、どうぞ、お待たせしました。

伊藤委員      ありがとうございます。

では、基本指針(案)について、2-2の資料に即して意見と質問をさせていただきます。

まず、14ページ辺りからたくさん出てくる就労的活動支援コーディネーターについて、基本指針に明記する点についてです。

このコーディネーターの意義は大きいと思っております。ただ、市町村の規模によっては、実際に人を確保して、こういうふさわしい人材を見つけてくることは、大変難しいという声も自治体から聞いております。ぜひ、そういった実情に十分配慮していただきたいということと併せて、地域の企業の協力が必要だということについても、留意していただきたいと思います。

次に、15ページ辺りのところに、人材の確保について記載があります。現行との比較を見ますと、「キャリアパスや専門性の確立による資質の向上」というくだりの記載がなくなっています。

大変重要な専門職について記載がなくなれば、専門職の確保を諦めてしまうのかというメッセージが広まることを非常に心配しております。

 

また、地域包括支援センターの人材もここに含まれると思っていますが、今年成立した改正社福法の参議院の附帯決議のほうに、既存の各種事業の実施体制や専門性の確保・向上に向けた施策を含め、市町村への一層の支援を行うこ

 

とといった記述もありますし、専門性の確立というところについては、ぜひ引き続き記載をして、各保険者及び都道府県が取り組んでいただきたいと思います。ここを外すという提案をされた理由を教えていただきたいと思います。

 

次に、18ページ辺りに通いの場、42ページに認知症カフェとかが出ておりますが、地域ケア会議の運営も含めまして、新型コロナウイルス感染症の拡大下で、どうやって取り組んでいくのかという点で、共通する課題があると思っております。やり方は、それぞれ違うと思っておりますが、感染症のリスクがある中でも取り組んでいくためのやり方の工夫といったことについても検討していくということが必要だと思いますので、そういったことも留意していく必要があると思っています。

 

それから、16ページのところに、業務の効率化について、申請書類や添付書類の簡素化ということが書いてあって、これは大切なことだと思っています。国にお願いしたいことですが、様式の統一化ということについても、ぜひ取り組んでいただき、それによって都道府県も取り組んで、市町村が取り組める

 

ということになると思いますので、ぜひお願いしたいと思います。

35ページの重層的支援体制整備事業の点であります。この点については、議題1の資料にある国会附帯決議にも書いてあったのですけれども、予算を確保し、既存の事業に影響がないようにしていくということが求められておりますので、厚生労働省に対しては、予算の確保をぜひお願いしたいと思っております。

 

また、この事業計画に関していいますと、高齢者の相談支援体制の連携とか、個人情報保護に配慮した上での情報共有といった点についても、どのように対応するのかということが重要になってまいりますので、こういったところにも計画策定において留意していただきたいと思います。

次に、58ページのところに地域包括支援センターの体制の強化が書いてございます。ここは、本当に重要で、ぜひ、この地域包括支援センターを市直営で整備していくよう、支援していただきたいと思っております。

 

64ページのところで、「災害に関する具体的計画を定期的に確認する」こととか、「避難に要する時間や避難経路等の確認を促す」ということが書いてありますけれども、それにとどまらず、体制をちゃんと作っていくこととあわせて、情報公表制度でもそのことを示すことが一つの担保になると思うので、そのことを書くことが重要だと思います。

また、自力で避難できない在宅の方の避難体制の確保、感染症に関する職員の研修、介護サービス提供の維持に必要な資材の備蓄も、保険者、また、都道府県においてやっていくということ。それから、保健所や緊急的な療養施設等との連携体制ということについても、きちんと確立をしておくべきだと考えま

 

す。

事業計画については、以上でございますが、あと、1つ目の資料の改正社福法につきましては、介護福祉士養成施設卒業者への国家資格の経過措置の延長については、速やかに経過措置に向けた検討を行うということが国会附帯決議で政府に求められていますので、ぜひ、その点については、厚労省を挙げて取り組んでいただきたいと思います。

最後に、資料4の匿名要介護認定情報についてです。

こちらについては、3ページのところに、「相当の公益性があるか、不適切利用による個人の権利利益の侵害の可能性がないか等、総合的に判断する」とあるのですけれども、個人権利利益の侵害は、やはりあってはならないので、そこを総合的に判断してしまうということにはならないように、きちんと審査をお願いしたいと思います。

以上です。

 

遠藤部会長    ほとんどが御意見でしたけれども、1つでしたか、事務局への質問がありましたので、コメントはありますか。

お尋ねの件、もう一度言っていただけますか、事務局に確認したいといったものがあったかと思いますが。

 

伊藤委員資料2-2の15ページのところに、人材確保につきまして、「キャリアパスや専門性の確立による資質の向上」というのが旧のほうの6行目にあるのですけれども、それについて削除するということにした判断です。

川端福祉人材確保対策室長    人材確保対策室長でございます。

ここの修正部分なのですけれども、第7期から大きく変わったことといたしまして、ここで書いてあるところでいいますと、外国人の介護人材の受け入れ整備ですとか、こういったことが入ってきたことを踏まえて修正しておるのですけれども、一方で、今、委員からの御指摘がございましたように、当然、ここは質の向上という観点もございます。キャリアパスの専門性の確立に関する質の向上というのは、文章の流れの中で、ここには書いていないですけれども、今の御指摘を踏まえまして、質の向上、先ほど、各委員からございましたような養成施設の5年の延長の中でも質の向上をしっかりやるべきという話もいただいていますので、少し修正を検討させていただきたいと思います。

 

遠藤部会長よろしくお願いします。

それでは、お待たせしました、佐藤委員、いかがでしょうか。

 

 

佐藤委員      ありがとうございます。

では、私のほうから1点質問と、2点コメントなのですが、まず、質問なのですけれども、資料2-1、基本指針です。そこの7ページのほうで、介護施設の防災あるいは感染症対策についての言及があったと思うのですけれども、

BCPはどうなっているのでしょうかということです。

 

つまり、実際、災害が起きたときに、どういうタイミングで入所者を避難させるかとか、避難所での対応はどうするのかとか、もちろん地震のときは、人員をどうやって確保するか、感染症防止も同様ですね、感染症のときは、感染防止について、具体的にどういう取組を行うのかということについて、介護施設のほうではBCPはどれくらい進んでいるのかなと思いまして、私、中小企業庁の仕事をしているのですけれども、中小企業は全然だめなのですね。

ですので、恐らくなかなか進んでいないのかなと思うのですが、この辺り、てこ入れをするという方針はあるのでしょうかというのが質問です。

 

2つコメントなのですけれども、1つは資料4、参考資料2にも関わるのですが、医療・介護情報の利活用についてなのですが、その中で出てくる相当の公共性という言葉がよく出てくるのですが、この相当の公共性はどれくらい相当かということによって、利活用の範囲が決まって、かなり狭まると思うのです。

つまり、この公共性をかなり厳格に評価すると、結局、これまでどおり大学の先生とか、いわゆる学術目的のための研究に限られて、例えば、新しい介護機器の開発とか、新しい介護ビジネスモデルの創出とか、ある意味、営利につながるようなことにデータが使えなくなるのではないかと、そういう懸念があります。

 

ですので、この相当の公共性というところは、ある程度、バッファーをもって解析しないと、結局は利活用が進まないということになるのかなと思います。私、規制改革推進会議のほうの仕事をしていて、そこでも議論になっている

 

のですけれども、利活用が進まないときに、だからニーズがないのだと、民間にはデータに対するニーズがないのだと判断するのではなくて、利活用が進まないのには、必ずボトルネックがあるはずですので、今の公共性の範囲の限定の仕方も含めて、ボトルネックをちゃんと検証するという、そういう利活用な

PDCAを回すということは、対応としてあっていいかなと思いました。

 

それから、戻ってしまいますが、資料1の業務の効率化、生産性の向上にも関わるのですけれども、今、何人かの委員の御指摘のとおり、介護施設でICT導入支援が進んでいると思うのですけれども、実際のところ、例えば、見守り機器ですかね、これを入れたとしても、人員の配置カウントが非常に低いと、1

 

台入れても0.1人ぐらい、そういうカウントになっているので、実際入れてみても、なかなか人員配置規制があるものですから、割が合わないというのですね。つまり、投資に見合わない、そういう指摘も実際あるのです。

 

ですので、この辺り、まさに業務の効率化に向けて、もしやられるのであれば、このICT化を進めるのであれば、規制緩和というか、配置規制を含めて、その見直しと一体で進めないといけないかなと思います。

もちろん、安全性に対する懸念は、よく出てくるのですが、今、技術は日進月歩進んでいますので、もし、安全性を評価するのであれば、最新技術に基づいて評価をされたほうがよろしいのかなと思いました。

以上です。

遠藤部会長    ありがとうございました。

御質問が1点ありましたので、BCPについてだと思いますけれども、どなたかコメントをいただけますか。

 

高齢者支援課長、お願いします。

齋藤高齢者支援課長   高齢者支援課長です。

災害時の避難の計画につきましては、避難訓練をすることと、避難に関する計画を作るということについては、施設の指定の基準になっておりますので、どれほどの施設で、どの程度の詳細な計画が作られているかというのは、今、この時点でお答えすることはできませんけれども、相当な施設で、きちんと計画等の作成はできているのだと思います。

ただ、中身として、地震のときには、どういうふうに逃げるとか、水害のときには、どういうふうに逃げるのかというところは、きちんと検証をしていかなければいけないと思いますので、そういったところは自治体と連携させていただいて、計画の妥当性などについて検証していかなければならないと思っております。

以上です。

佐藤委員      ありがとうございます。

1点だけ追加で、BCPというのは、避難で逃げればいいのではなくて、逃げた後が大事なのですね。ですので、逃げた後のケア、それから、現場、施設への復帰も含めて、その後をちゃんと見て、計画ができているかどうか、そこを評価いただければと思います。

以上です。

 

遠藤部会長    どうもありがとうございました。

それでは、お待たせしました、河本委員、お願いいたします。

河本委員      ありがとうございます。

 

私からは、議題2と議題5について、意見と要望を申し上げたいと思います。まず、議題2の基本指針の案でございますが、この基本指針にもございますように、2025年、2040年、これを見据えて持続可能性を確保していくためには、従来から申し上げている、さらなる給付と負担の見直し、あわせて介護給付の適正化が不可欠であると考えております。そういう中で、第8期の計画においては、介護給付の適正化への取組及び目標設定という項目がございますが、定量的な目標を記載して、PDCAがしっかり回せるような計画を作成するというこ

とを基本指針に明示すべきであると考えております。

 

やはり、計画のばらつきとか、地域差はかなりございます。それをなくすためにも、定性的な記載にとどまらずに、定量的な計画作成に努めるということが必要と思います。

また、これは、一部行われていると思いますけれども、国や都道府県においては、計画作成に当たっての重要なポイントですとか、あるいは技術的なノウハウの指導、周知徹底や支援など、そういったことをしっかりと実施をしていただきたいと思います。

 

また、第8期の調整交付金の算定に当たって、介護給付の適正化事業の取組状況も勘案されるということになってまいりますので、いわゆる主要5事業、この取組状況や実績につきまして、介護保険部会でもぜひ御報告をいただきたいと思います。これは、要望です。

それから、議題5の要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制の検討会の報告書の関係でございますが、報告書で設定されましたリハビリのストラクチャー指標、プロセス指標、これについては、しっかりと計画の取組あるいは目標の設定に当たって、反映、活用していただきたいということ。また、報告書で現時点では難しいとされておりますアウトカム指標、報告書にもございますVISITとかCHASEとか、そういった収集データが今後蓄積されていくわけで、その分析も踏まえて、今後の課題としてしっかりと検討していた

だきたいと思っております。これも要望でございます。以上です。

遠藤部会長    どうもありがとうございました。

それでは、続いて、山際委員、お願いいたします。

 

山際委員      ありがとうございます。

それでは、民間介護の山際です。資料2-1の基本指針の策定に当たって、

1点、人材確保に関わる点について発言をさせていただきたいと思います。介護の事業者は、地域における介護ニーズに的確かつ安定的に対応していく

という、極めて社会的責任の重い業務を担っております。

特に、このコロナ禍の中で、御利用者の生活を守るため、日々頑張っているわけですが、最も重要な課題が、やはり介護人材の確保ということになっております。

これにつきましては、新規人材の確保、それから、離職の防止双方の観点から深刻化を増しているというのが現状だということです。

今、介護の現場では、新型コロナウイルスの感染症の影響により、介護人材は極めて疲弊をしているということ。

また、期待された外国人介護人材の入国も止まるなど、既に現在のサービス提供を維持することさえ、難しい状況になりつつあります。

深刻さの度合いが増してきている、極めて危機的な状況に向かいつつあるというような認識でおります。

このため、基本指針においても、ぜひともこうした切実な危機感を踏まえていただいて、従来の延長線上での検討だけではなくて、新たな人材確保の方策、戦略をぜひ盛り込んでいかないといけないと考えております。

 

これについては、計画策定に当たっても同様だと考えております。

また、その場合、若者をはじめ、介護現場を働く場として選んでもらうことや、介護職がやりがいをもって働き続けていけるような、そうした専門性を高めていって、これを適切に評価していく、このことが重要であると考えております。

以上、発言です。

遠藤部会長    どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、橋本委員、お待たせいたしました、どうぞ。

橋本委員      ありがとうございます。

私どもからは、慢性期医療に携わる者として、こちらの基本指針の構成というところでもありますように、新しく入りました新型コロナウイルスの感染症の流行に踏まえというところで、資料2-2の基本指針の新旧案の64ページにもありますように、感染症に対する備えというか、そういったことが、やはり医療施設はもちろんですけれども、福祉施設でも大変重要になってきていると思います。

 

医療施設、福祉施設でもクラスターの発生がありますし、そういったことも、なおさら人材不足のことなどに関わってくるのではないかと思っております。こちらにも研修を受ける必要があると書かれてはいますけれども、今の時期になってきますと、もう少し具体的に、例えば、今、救命救急に関して消防署が主催している講習会とか、もう少し専門的な救命救急の会とかもありますけれども、そういったものと同じように、感染症に対する基本的な知識とか対策とか、そういったことを医療人とか、福祉に携わっている人たちが基本的な知

識として持てるようなシステムも大事ではないかなと思います。

例えば、やはり病院、福祉施設内での感染症が発生した場合とか、そういう感染症の方の受け入れをした場合に、ゾーニングをどうするかとか、換気とか消毒などをどうするか、それから防護服をどういうふうに着るかということも、まだまだ医療者でさえ、余りきちんと知識として持っていないというのが現状です。

医者でも、やはり感染症専門の医者でなければ、なかなかそういうところは自信がないというのが、まだまだ現状ではないかと思うのです。

新型コロナに限らずですけれども、やはり、私たちの身を守るという上からでも、患者さんを守る上からでも、やはり、そういったことを早急に、もう少し具体的に研修とか講習会とか、そういったことを広めていかなければいけないのではないかなと思います。

以上です。ありがとうございました。

遠藤部会長    ありがとうございます。大変重要な御指摘だと思います。ありがとうございました。

それでは、続きまして、椎木委員、お待たせいたしました。

 

椎木委員      それでは、本日の議題でございますが、何点か御意見を申し上げさせていただきます。

 

初めに、2つ目の議題の「基本指針(案)」についてでございます。

第8期計画において記載を充実する事項として、介護人材の確保も含まれているところでございますが、昨年12月に取りまとめられました「介護保険制度の見直しに関する意見」に記載された「国や都道府県は、市町村への支援を行っていくことが必要で、その際には、介護人材を広域的に確保していく観点も重要」という部分に関する明確な記述が、本日提出された基本指針の中に見当たりませんので、基本指針のどこかに、そのことを明確に記載していただきたいと思います。

次に、3つ目の議題の「医療療養病床から介護医療院等への移行の扱い」に

 

ついてでございます。

財政安定化基金からの貸し付けの返済期間を3計画期間とする時限措置について提案がありました。

この時限措置は、医療療養病床等から介護医療院等への移行に伴う、被保険者の保険料負担の急激な増額を平準化するという点においては、よい提案だと思っておりますが、保険料負担の総額を軽減するものにはなっておらず、昨年

12月に取りまとめられた「介護保険制度の見直しに関する意見」に盛り込まれた「被保険者の負担軽減の観点からの財政支援」としては不十分ではないかと考えています。

 

小さな町村では、介護医療院への移行に伴う保険料への影響が大きいため、計画で見込まれているものも含め、被保険者の保険料負担の増額を軽減するための財政支援について、引き続き、検討いただくよう、お願いいたします。

 

最後に、5つ目の議題の「リハビリテーションサービス提供体制に関する検討会報告書」についてでございます。

参考資料3の報告書の3ページによりますと、リハビリテーションサービスの地域差を均てん化するため、保険者ごとに提供体制の整備を進めていく必要があり、そのための指標を検討・提案するものとのことでございます。

 

私の町でもリハビリ職の不足が顕著でありまして、その確保は大きな課題となっておりますが、この問題は、なかなか一保険者の努力で解決できる問題ではないと考えております。

本日報告のあった指標の数値は、今後、検討されるアウトカム指標も含め、決して外からの評価やインセンティブ交付金の額を決める材料にするのではなく、保険者自身が現状把握や施策の検討に資するためのもの、そして、離島や中山間地域など、人的資源の乏しい地域に対して、国や都道府県による適切な支援を講じるためのものと位置づけていただくよう、お願いをいたします。

以上でございます。よろしくお願いいたします。

 

遠藤部会長    どうもありがとうございます。貴重な御意見をありがとうございます。

それでは、続きまして、お待たせいたしました、花俣委員、いかがでしょうか。

花俣委員      ありがとうございます。

まず、最初、資料1についてになります。既に伊藤委員からも御意見がございましたように、縦割りの個別分野の中でも8050問題あるいはダブルケア、ごみ屋敷など、相談や対応あるいは支援が困難な事例がたくさんあるわけです。

 

多様な困難に対して、属性や世代を問わない相談が整備されることは、大変理想的なのですけれども、ここで体裁だけを整えるのではなくて、実質を伴う相談体制を整えるために、決して急ぐことなく、地道な準備と構築への道筋をつけること。

 

それから、先ほどもありましたように、7ページの3あります、衆議院附帯決議にあるように、必要な予算は別に確保していただけるようにということを切にお願いしたいと思います。

 

次に、介護保険の事業計画なのですけれども、これは、来年度からの8期ということで、介護保険事業計画のガイドラインについては、我々被保険者にとっても、介護保険料が幾らになるのか、サービス量がどれぐらい整備されるのか関心を持つべきものだと思っています。

参考資料の1の4ページに、今期、第7期の基本指針のポイントが示されていますが、特に4、介護を行う家族への支援あるいは虐待防止対策の推進、それから5、介護離職ゼロに向けた、介護をしながら仕事を続けていけることができるようなサービス基盤の整備、これが、果たして3年でどのぐらい進めることができたのかというのも知りたいなと思います。

今年は新型コロナウイルスの流行があって、ましてや九州では豪雨被害が広がっていますが、いわゆる災害において高齢者はもちろんハイリスクを抱えることになるわけなので、リハビリテーションが大切であっても、介護保険では閉じこもりぎみになったり、病気や障害が重くなっている人たちへの支援が欠かせないと思います。この辺り、十分に目配りをしていただきたいと感じています。

それから、基本指針の案なのですけれども、新旧の対照表について2つ、3つ申し上げたいと思います。

まず、54ページ、訪問型サービス等の総合事業については、地域においてNPOやボランティア、地縁組織等の活動を支援していくことが重要であるとあります。

 

訪問型サービスが、研修を受けたホームヘルパーではなく、ボランティアで代替できるような表現であることに、私たち大変危惧を持っております。

また、前段に記載のある介護人材というのは、あくまでも専門的な職業であり、ボランティアで代替できる仕事ではないこと、今、まさにコロナ禍のさなかにあっても、介護現場で働いておられる方々の名誉と尊厳のために、改めて強調しておきたいと思います。

 

ここで1つ質問なのですけれども、生活支援コーディネーター、地域支え合い推進員と就労的活動支援コーディネーター、就労的活動支援員に言及があるのですけれども、この2つのコーディネーターというのは、専門職の位置づけ

 

なのか、ボランティアの位置づけなのか、ちょっと確認させていただきたいと思います。

あとは、指針の見直しのところです。96ページから99ページにかけて各サービスにおいて、現に利用している者の数を勘案するとしていますが、2020年は新型コロナウイルスの影響によって、利用控えをしている利用者が相当数いると思われます。

 

このような特殊な事情について、2021年度からの計画においては、きちんと配慮されることを希望したいと思います。

最後に、認知症施策の推進に関しては、17ページあるいは6090ページ、それぞれに新設の項目が記載されています。

特に、60ページの中ほど「(一)普及啓発・本人発信支援」のロには「世界アルツハイマーデー(毎年九月二十一日)及び月間(毎年九月)などの機会を捉えた認知症に関するイベント等の普及啓発の取組実施(認知症の人本人からの発信の機会の拡大も含む)」とあります。

世界アルツハイマーデーあるいは月間は、認知症に関わる全ての人のものだと思います。当会でも1994年、世界アルツハイマーデー制定以来、既に25年にわたり認知症の普及啓発活動に取り組んでおります。

 

家族の会は、特別な人々の代表として、この席にいるわけではなく、誰でもが私と同じ立場になる可能性と捉えていただき、今一度自分ごととして、こういった機会を十分活用して認知症の理解を深め、正しい知識を学び、介護家族と本人への支援を考えていただきたいということを願っております。

 

以上になります。

遠藤部会長    ありがとうございます。

それでは、質問もありましたので、振興課長、お願いします。

尾崎振興課長  振興課長でございます。

生活支援コーディネーターや、今回の就労的活動支援コーディネーター、この方々が専門職なのかボランティアなのかという御質問をいただきました。

結論からいえば、この方々、市町村に配置をされる専門職の方々ということになります。

この指針の案の53ページ、54ページが総合事業の部分になりますが、その中で、生活支援コーディネーターさんなり、就労的活動支援コーディネーターさんが出てくるのは、こういった方々の活動を通じて、地域でどのようなニーズがあるのか、地域でどのような資源があるのか、こういったものをしっかり把握した上で地域支援事業をやっていただきたい、総合事業をやっていただきた

 

い、そういう文脈で出てきているものでございます。

実際に、御利用者といいますか、住民の方々の個別の生活支援を行うというのは、また、専門のヘルパーの方もおられますし、その人の状態によっては、ボランティアさん、そういった方を活用することもできると、そういう趣旨で、両者が同じ位置に書かれているということでございます。

説明は、以上になります。

遠藤部会長    ありがとうございました。

 

それでは、お待たせいたしました、津下委員、お願いいたします。

津下委員      どうぞ、よろしくお願いいたします。

先ほど、山際委員からもありましたけれども、今、災害、コロナなど非常に困難な状況の中で、頑張っておられる介護の人材の方々が、やりがいを持って働き続けることのできる社会のために、今回の基本指針の新旧表の16ページありますように、第8期の改正が適切に行われることを願っております。

 

第8期の計画の記載事項は、介護保険制度の改正のみで対応でできる範囲だけでなく、社会全体、産業とか、労働、防災、交通とか、様々な分野の関わりが非常に大きいと、そういうような記載があります。そのような関係する他の計画の中に、第8期改正の考え方、趣旨、指針がしっかりと盛り込まれていくということが重要ではないかと思っております。

 

計画どうしで双方向に記載されること、他の計画や事業に対し、介護保険制度の変更がどう影響するかなども見ていけるといいのかなと考えております。他の計画にどのように第8期の改正が反映されていくのか、過去の改正でもそうですけれども、そのようなことについて、確認していく必要があるのかなと思います。

 

特に、高齢者は、医療保険との連携、両者のサービスを重ねて使っておられる方が非常に多いわけですけれども、保健事業と介護予防の一体実施など、新たな枠組みが一歩一歩進んでいくことを期待しております。

 

現在、通いの場や介護予防の事業、様々な市町村の事業が、コロナの影響で滞っております。高齢者自身も不安で、なかなか家族とも会えない状況にもなっております。

どのように高齢者に適切な情報をリアルタイムに届けていくのか、市町村では、レターを出そうというような話もありますけれども、時々刻々と変化していく状況の中で、また、地域の状況に差がある中で、どのように高齢者に適切な情報を伝え、そして、活動的に過ごしていただくかということが、喫緊の課題のように思っています。

 

その中で、高齢者自身がつながるために、スマホを一生懸命使おうとされている。家族とつながる、またはお友達とつながるために、高齢者自身は今までは新しい機械に対する抵抗感があって、なかなかスマホやウェブなど、私はできないと思っていた人たちが入り始めている。こういうことをうまく促進して、そして、介護の側も高齢者からの情報を双方向で受け取れるような、技術革新が急速に進むチャンスではないかなと思っております。

 

また、関係者間もICT化が必要と今まで言われてきましたけれども、直接電話したり、会ったりしたほうが、顔を見たほうが早いということで、なかなか必要性が実感できなかった。物があっても使われていない状況だったかもしれません。何か困った状況で、いざ使おうとすると、使えないという状況があったかと思います。そういう意味では、今、産業の進歩を、どう介護の世界に取り込んでいくのか、非常に大きな節目になってきているのかなと考えております。ヘルスケア産業や経済産業省の事業などともうまくタイアップしていけるといいかなと考えております。

3点目ですが、リハビリテーションのサービス提供体制の評価でございます。量と質の評価が必要だろうと思っています。

 

何人提供できたかとか、何人参加できたかということも評価指標になるのですけれども、必要がある人、ニーズがどのくらいあって、漏れなく提供できているかどうか、ほかのサービスと補完しながら、1つの事業だけではなく、多様なサービスの中で、どれだけ満たされているかということも見ていけるといいかなと思っています。VISITCHASEなどの活用が期待されます。全ての事業のアウトカム指標を出すことは難しいにしても、ターゲットをよくあるケースにまずは集中して、そこからアウトカム指標の検討を進めていくことが必要かと思います。

以上です。

遠藤部会長    どうもありがとうございました。

それでは、お待たせいたしました、酒向参考人、いかがでしょうか。

酒向参考人    ありがとうございます。

 

議題2の基本指針について、大きく分けて2つ述べたいと思います。

1点目が、資料2-1の3ページ目にあります、業務効率化の視点でございます。

今後の高齢化、現役世代の減少によりまして、人材確保は、一層困難になるということが想定される中で、介護ロボットやICTの導入支援あるいは文書負担の軽減ということの取組を加速化するということが大変重要だと考えておりま

 

す。

特に文書負担の軽減といった点については、簡素化、標準化といったものの先の、デジタル化、オンライン化というものが早急に求められるといったことにつきましては、今回の新型コロナウイルス感染症の経験を踏まえて、共有化されたのではないかと思っております。

 

政府におきましても、骨太の方針におきまして、次世代のデジタルガバメントを1年で推進するのだといった方針を掲げておりますので、ぜひ、国、都道府県、市町村、関係団体連携して、文書負担の軽減を進めていっていただきたいと思います。

 

また、ロボットの活用といった点につきましても、資料の2-2の56ページに書かれておりますが、都道府県と市町村が一体的に進めていくといった方針が示されております。ぜひ、こういった形で、どんどん進めていっていただきたいと思っております。

 

2点目が、PDCAサイクルの推進といった点でございます。

資料2-1の4ページ目に書かれておるところでございますが、ぜひ、保険者機能強化推進交付金を用いたそれぞれの取組につきまして、よい取組については、ぜひこの部会でも御紹介いただきたいと思いますし、地域差があるようであれば、その分析なども積極的に進めていっていただきたいと思っております。

議題の4に関して1つ述べたいと思います。

専門委員会の設置につきましては、了承させていただきたいと思いますが、相当の公益性とは何かといったところについては、先ほど佐藤委員からも利活用が進まないということにならないようにという御指摘があり、同じ観点から私どもも気になるところでございますので、ぜひ検討の結果、介護保険部会でも報告されると記述がございますので、子細に御説明をいただければと思っておるところでございます。

 

以上でございます。

遠藤部会長    どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、石田委員、お願いいたします。

石田委員      ありがとうございます。

 

私のほうからは、基本指針の内容について2点申し上げたいと思います。

 

「第8期計画において掲載を充実する事項(案)」の中で、3つ目に挙げられている「介護予防、健康づくり施策の充実・推進」というところの柱で、自立支援、介護予防、重度化防止に向けた取組の例示として就労的活動について

 

記載するというのがあります。この「就労的活動」という文言は今回の資料の中に何か所か記載されております。

 

この高齢者による就労的活動ということは、いわゆるボランティアの活動とは別途の就労という意味合いの活動であるということで、これについて記載をしていただくことは重要なことと思います。

 

その際に、先ほどもちょっと出たのですけれども、就労的活動支援コーディネーターというのが、市町村では専門職として設置されるということは理解いたしました。しかし、この就労活動を支援するコーディネーターというのは、例えば、障害の方たちの場合にも、障害者の就労支援コーディネーターがいます。これから市町村等では包括的かつ重層的な支援体制というのを作っていく中で、こういういろいろな役割を持った専門職というのが、非常に複雑に存在することになります。生活支援コーディネーター、障害者就労支援コーディネーター、そしてまた新しく就労的活動支援コーディネーターもできる。しかし、利用者の側としては、なかなか分かりにくいし、混乱してしまうのではないかと思います。こういうコーディネーターの役割というのは、非常に重要なので必要とは思いますが、例えば、利用者にとってもっと分かりやすい名称とか、場合によっては愛称なども含め、今後の検討ということで結構なので、少し考慮いただきたいということが1点です。

もう一点は、同じく基本指針の記載を充実する事項の中で、6つ目に挙げら

れている「地域包括ケアシステムを支える介護人材確保」のところです。

 

これは、非常に重要な課題ではあるのですけれども、一点、先ほど社会福祉法の一部改正の中で、「介護福祉士養成施設卒業者への国家試験義務付けに係る経過措置延長」という内容が出てまいりました。

このことについては、それで介護の専門職がより多く輩出される結果につながることになるのであれば、その経過を確認するべきと考えます。ただ、ここで今後の課題として考えていただきたいのは、介護福祉士の国家試験を受験して合格した方に関しては、それに対する正当な評価、あるいは評価に替わるものを仕事の中で、はっきり分かるような形で示すようなことが必要ではないかと思います。

 

やはり、これは仕事へのモチベーションにも関わってきますので、このことについては、これに伴って、ぜひ検討をしていただきたいということで、これは要望として挙げさせていただきます。

以上です。

遠藤部会長    どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、濵田委員、いかがでしょう。

 

 

濵田委員      どうもありがとうございます。

私のほうからは、資料2-1の基本指針の構成について意見を述べさせていただきたいと存じます。

まず、1ページの7番の、今般追加されております災害発生状況や新型コロナウイルス感染症について、全国で災害発生や新型コロナウイルス感染症発症への備えや対応事例も増えてきていると思っておりますので、重要性はもちろんでございますけれども、短い期間ですがそういう知見も踏まえまして、例えば、重要性に加えて、対応方針とか、対応方策なども可能であれば、記載いただければ幸いかと思っております。

 

さらに2ページの、同じく地域包括ケアシステム、基本的理念3番の在宅医療・介護連携についてでございますが、在宅医療・介護連携を進める際に、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所とかかりつけ医の先生方はもちろんのこと、歯科医師、薬剤師、訪問看護ステーション及び各介護サービス事業所等と個々の要介護者等の情報共有が、引き続き円滑かつ効率的に進める方策を考えていく必要があると思っております。

 

そのためには、例えばということでございますが、クラウドのような共通情報のプラットフォームがあって、もちろん利用者同意のもとということですが、事業者間でICT機器によって相互に標準様式に基づくデータなどの情報がやりとりできるような仕組みの構築ができれば、直接対面接触しなくても情報のやりとりができるということで、感染予防にもつながり、効率化にもつながると思っております。

 

まだまだ電話やファックスのやりとりが多いというのが現場でございますけれども、そのためには、例えば、都道府県単位や保健所単位で、情報を取りに行くようなプラットフォームが何かあるとありがたいかなと。これは、例えば、音頭取りといいますか、保険者側で声がけをしていただけると各事業者で参加して、場合によりますと、負担もしてということも可能になるかと思っておりますが、各種帳票やサービス利用表をデータでやるとりすることができるようなことが実現できれば、連携も進みます。そういうことがございますので、計画策定時に可能であれば、それぞれの地域で御検討いただければと思っております。

 

 

また、2040年を見据えるということとございますけれども、地域によっては人口減少が、また、都市部等では支援が必要な独り暮らしや超高齢者夫婦世帯などが、両方とも増加が見込まれていくということがございます。

 

特に、以前も述べておりますが、極端にこれらの推計値の上昇が見込まれる地域については、生活支援や意思決定支援などの方策もさらなる検討が必要と

 

考えます。

このため、恐らくは、こういうことに取り組まれている自治体も増えておられるかと思っておりますので、もうやられているかと思いますが、地域包括ケアシステムの事例集のアップデートなど、また、よろしくお願いできればと考えます。

以上でございます。ありがとうございました。

遠藤部会長    どうもありがとうございます。

 

それでは、引き続き、大分手を挙げている方がいらっしゃいますので、お願いします。

それでは、最初に手を挙げておられました、桝田委員からお願いしたいと思います。

桝田委員、どうぞ。

桝田委員      桝田でございます。

資料2-2のほうで、まず、10ページのところでございますけれども、今回、養護老人ホーム、軽費老人ホームについて書いていただいて、サービスの見込み量ということなのですけれども、実は、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、市町村の事業計画の中で、自分の市町村の中に施設があるところと、ないところとございます。

入所状況を見てみますと、自分の市町村の中に施設がないところというのは、ほとんど養護老人ホームの施設がないということが通例になっていますので、そこを含めて、やはりある程度広域で養護老人ホーム等については考えていただく、支援が必要な方、低所得者の生活支援施設としての役割を考えていただける計画を促していただけたらと思います。

 

続きまして、地域包括ケアシステムを支える人材確保の問題ですけれども、ここでICT化、介護ロボットの導入をいろいろ書いていただいています。実際に、業務の効率化というのが最優先課題で、この効率化によって、まずは職員の働き方改革につながって、定時で終われることや身体的な負担の軽減など、いろいろな働きやすい環境づくりというのが、ここで必要かと思います。

 

課題になってくるのは、15ページのほうに書いてございます、いわゆるいろんな周辺業務、それから文書の関係、それらの共通化、標準化、効率化という部分や機能を強化していって、介護現場で実際にサービスの提供する方の直接業務時間を増やすしか効率化は図れないと思っています。そこがポイントで、サービスの質を上げるというのは、やはり接する時間をいかに長く取って、周辺業務をいかに減らしていくかというのにかかってきます。

 

そこで、やはり必要なのは、事業者と自治体との協力体制、連携体制なのですけれども、単に2つの関係の連携ではなくて、広域的な部分、県の中では標準化という問題も含めて図っていただけたらと思います。

 

最後に、災害問題、それから、新型コロナの問題、62ページのほうで言及していただいています。

命をどう守っていくのか、特に介護施設の入所者というのは、災害でも自分で避難ができない、新型コロナの場合も一番命に関わる状況に陥ると。

そこで、必要な部分というのは、ふだんからの備えの部分、ここをどう構築していくかということで、62ページの1112で書いていただいています。

 

特に重要なのは、例えば、コロナの問題ですと、保健所との連携であったり、市町村との連携の問題、ちょうどうちのほうの関係の市町村の保健所の担当者の方が施設を訪問されて、仲間では、今、入れませんから担当者と施設長等とお話をして、ふだんから顔見知りになる、それから、ふだんから状況把握をしておく。では、今の状況で、その市町村は、全くコロナの患者さんはいないところなのですけれども、どのような予防策を今しているかという部分についても、保健所のほうは把握しておきたいから、聞き取り調査と、それと何かがあったら、直接私のところに相談してくださいという顔見知りの関係、ふだんからの相互理解という部分も図っていっているところもございます。

 

その辺の連携体制というのを、いかに強化して、ふだんからの備えをちゃん

と作っていくか、そこの部分を市町村の計画の中で、事業者の意見も入れた計画というのを作っておかないと、それこそBCPを作っても、計画書、幾ら分厚いものを作っても、内容が濃くても、中身を実際のときになって、いわば計画のペーパーを読み込まなかったら分からないのではなくて、ふだんから常にそれらの対策をしているという状況を作っていかないと、それこそ、BCPにはならないと思いますので、そこらの部分をより詳しく指導していける体制づくりというのを、この指針の中に盛り込んでいただけたらと思います。

以上でございます。

 

遠藤部会長    ありがとうございます。

それでは、大分時間も押してまいりましたので、次々に行きたいと思いますが、先ほど手を挙げておられた水町参考人、お願いいたします。

水町参考人    ありがとうございます。

議題2に関して4点、議題3に関して1点、意見と質問をさせていただきます。

まず、議題2についてです。

 

1点目は、未病の記載についての意見です。

本部会で、黒岩委員から介護分野にも未病コンセプトを、という提案をさせていただきました。

資料2-2の6ページに、「介護予防を進めるに当たっては、高齢者の心身の状態が可変であるというように、連続的に捉え、支援するという考えに立って行われることも重要である」という形で、未病の考え方を記載していただいておりますが、未病という言葉自体の記載がありません。未病につきましては、政府の健康医療戦略、それから、一般介護予防事業の推進方策に関する検討会の取りまとめにおいても記載をしていただいているところですので、この指針においても、未病という用語をぜひ明記していただきたいと思います。

2点目は、認知症施策の推進についての質問です。

認知症施策推進大綱では、共生と予防は車の両輪となっております。

予防については、認知症にならないという意味ではなく、認知症になるのを遅らせる、認知症になっても進行を緩やかにするという意味であると示されたところです。

このことについては、資料2-2の市町村介護保険事業計画の作成に関する事項の38ページには記載されていますが、基本的事項の17ページから18ページの認知症施策の推進の個所や都道府県介護保険事業支援計画の作成に関する事項には記載がございません。

また、共生の定義も市町村計画の作成に関する事項の38ページには記載がありますが、基本的事項や都道府県計画の作成に関する事項の欄には記載されておりません。

 

予防が認知症になるのを遅らせる、なっても進行を緩やかにするという意味であること、それから共生の定義については、こちらの双方に記載をしておくべきと考えております。

それから、一点質問ですけれども、昨年12月の本部会の意見書、介護保険制度の見直しに関する意見の中で、認知症基本法案にある認知症施策の推進計画と介護保険事業計画との一体的作成に関する意見がございましたが、法案は、まだ成立しておりません。認知症施策の推進計画の一体的な作成の可能性はなくなったと考えてよいのか、お伺いをいたします。

 

3点目は、コロナ流行下での通いの場や住民主体サービスの在り方について質問と意見です。

現在、第8期の計画策定に向けて、市町村との意見交換を進めていますが、市町村からは、万一通いの場でクラスターが発生してしまった場合の不安から、通いの場の主催者が再開を躊躇し、再開が進まないとか、担い手の確保がさらに困難になっているという話がありました。

 

また、そもそもコロナ前と同じように通いの場や住民主体サービスを進めていくという前提でよいのかという意見もあります。

こうした中で、資料2-2の42ページには、通いの場に参加する高齢者の割合の目標として、2025年度までに8%と記載がありますけれども、これは初めて示されたものと認識をしております。

 

この目標値が設定された経緯や考え方を教えていただきたいと思います。それから、意見ですが、住民同士が密接に交流することは、住民主体の活動

を継続していくに当たって重要ですけれども、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策と両立させるために、活動の場所や参加人数が制限されることが課題となっております。

 

新型コロナウイルス感染拡大防止と、通いの場などの介護予防事業や住民主体サービスの推進をどう両立させていくのか、住民主体の活動に、どこまでの感染防止策を求められるのか、市町村も悩んでいます。

 

基本指針においても、コロナ流行下の在り方を示す必要があると考えます。

4点目、介護に取り組む家族への支援についての意見です。

資料2-2の17ページ、六の介護に取り組む家族等への支援の充実というところですが、記載内容に変更はございませんが、近年、大人が担うようなケアを引き受けて、家事や家族の世話、介護などを行うヤングケアラーと呼ばれる子供たちの存在が明らかになってきています。

ヤングケアラーの支援は、子供、児童福祉分野だけではなく、介護、高齢福祉分野においても重要な視点であるので、介護離職の防止などに加えて、このヤングケアラーの支援についても記載すべきと考えます。

 

さらに、議題3、医療療養病床等から介護医療院への移行の扱いについて質問です。

論点の②では、基金への返済期間を3計画期間とすることについて、第8期と9期のみの時限措置としてはどうかとあります。

第7期の期間中に、医療療養病床から介護医療院への転換があり、介護保険財政安定化基金から借り入れを行う予定の保険者もいますが、今回、示された案では、対象外になってしまうと思われます。

質問ですが、第7期の借り入れを対象外とする理由について御教示いただきたいと思います。

以上です。

遠藤部会長ありがとうございます。

幾つか質問が出ていたかと思いますけれども、では、企画官、どうぞ。

 

栗原企画官認知症基本法に基づく計画と、あと、介護保険事業計画の認知症の部分というのを一体的に策定するかどうかという話の御質問がございました。

 

こちらに関しましては、基本法のほうが、まだ国会を通っておりませんので、その動向を見ながら、最後、どういう感じで整理をしていくかということは考えていきたいと思いますけれども、今、現行で基本法の中では、一体的に策定という形ではなくて、調和を保つということになっておりますので、そちらも踏まえながらということになるかと思います。

 

いずれにしましても、まだ、法律のほうは成立しておりませんので、その動向を踏まえながらということになると考えております。

遠藤部会長    それでは、老人保健課長、どうぞ。

眞鍋老人保健課長老人保健課長       老人保健課長でございます。

通いの場の目標に関してでございますけれども、この8%という形につきましては、初発の数字ではございませんで、認知症施策推進大綱のほうに記載がございます。

これは、伸びを推計していって、この程度になるのではないかと、それで目標にしたいというものでございます。

それから、通いの場に関する御質問もございました。

こちらでありますけれども、このコロナ禍の中で、どのように通い場の推進とバランスを図っていくかであります。

これは、まさに現場で御苦労いただき、工夫をいただいている部分だと思いますけれども、このコロナ禍の中においても、通いの場を推進するための留意事項につきましては、5月29日に事務連絡を発出させていただいております。こういうことを踏まえて現場で適切に御判断いただければと思っております。

老人保健課からは、以上です。

遠藤部会長    ありがとうございます。

ほかに、どなたか、では、計画課長、お願いします。

 

山口介護保険計画課長介護保険計画課長     すみません、財政安定化基金についての御質問がございました。

第7期は対象にならないのかという点につきまして、第7期の令和2年度は最後の年になるわけですけれども、令和元年度の実績で見ますと、貸し付けの保険者数が5保険者ということでありました。

 

令和2年度は、確かに、まだ実績が分からない部分はあるのですけれども、現在の感じだと、それほど多くの保険者が貸し付けまでいかなくて済むのではないかという観測があるわけでございます。

ただ、当然、これから年度が進むにつれて、貸し付けを受けたいという保険者が増えてくる可能性も確かにございますので、そういった部分につきましては、状況を見ながら、もう少し考えたいと思っております。

 

遠藤部会長    ありがとうございます。

まだ、質問はありますか、大体こんなものですかね。ありがとうございます。

それでは、先ほど来、画面上で手を挙げておられた、岡委員、お願いいたします。

岡委員 ありがとうございます。

 

今回、お示しいただいた基本指針(案)そのものについては、特段の修正意見はございませんが、2点、意見を申し上げたいと思います。

 

まず、1点目です。

かねてより申し上げておりますとおり、私どもは高齢者の自立支援や重度化防止の取組は、本来、保険者が担うべき業務の1つであると考えております。今年度からインセンティブ交付金の額が400億円と、これまでの2倍に増額されているとのことですが、この交付金により、どれだけ要介護度が改善されたのか、給付費の抑制につながったのかなど、定量的なデータに基づく効果検証を行っていただき、それを分かりやすくお示しいただきたいと思います。

 

続いて、2点目です。

資料2-2の16ページ等に記載されております、介護現場におけるICTの活用、文章に関わる負担軽減についてです。

 

商工会議所としまして、昨年10月に「2019年度規制・制度改革に関する意見」、本年4月には「持続可能な社会保障制度の構築に向けた意見」と題した意見書を取りまとめ、さらに今年の2月には、政府の規制改革推進会議にて、介護分野における規制緩和と手続簡素化を徹底的に進めていただきたい旨、意見を述べております。

 

足元では、新型コロナウイルス感染症の対応の観点から、書面、押印、対面を原則とした制度や慣行については、抜本的な見直しが求められているところでもあり、本件については、自治体任せにして終えることなく、国がリーダーシップを発揮して徹底的に進めていただきたいと思っております。

以上でございます。

 

 

遠藤部会長    どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、鈴木委員、お願いできますでしょうか。

鈴木委員      ありがとうございます。

私のほうからは、2点質問をさせていただきたいと思います。

1つは、基本指針の構成についてという資料2-1でございますけれども、

9ページの中で、市町村介護保険事業計画の任意記載事項の中で、認知症施策の推進ということで、市町村、それから、都道府県が行えるものは行うということになっています。

12ページを見ますと、その見直しの方針案という中に、教育とか地域づくりということをうたってということで、例示されておりますけれども、教育ということは、大綱に書かれているような予防対策ですとか、共生ということにとって、非常に重要な場面だろうと思っております。

今後、教育という場での取組というのは、非常に予防政策にとっても、それから、共生ということにとっても重要になっていくだろうなということで、大変結構だと思うのですが、具体的には、どのようなプランというか、それが描かれておられるのか、スキームがどのようになっているのかということについて、もし、厚労省のほうでお考えがあるようであれば、教えていただきたいというのが1つです。

 

もう一つは、資料4の匿名要介護認定情報等の提供に関する専門委員会のことでございますけれども、これは、先ほど来から御質問が出ていたと思いますけれども、やはり検討事項の中で、相当の公益性を有するかというところ、それから、これは当然ですけれども、不適切利用による個人の権利利益の侵害というものがないかどうか。

 

権利利益の侵害とか不適切利用は論外でございますが、やはり、相当の公益性というのは、一体どういうことかということと、これに関連して、申請が行われた場合に、科研費の審査のように、優劣というのか、そういうものをつけるとか、考慮するというようなことまでお考えになっておられるのかどうか、この2点について質問させていただきたいと思います。

以上でございます。

遠藤部会長    ありがとうございます。では、事務局、いかがでしょうか。老人保健課長、どうぞ。

 

眞鍋老人保健課長老人保健課長       老人保健課長でございます。

資料4に関わる御質問のほうから、お答えさせていただきたいと思います。こちらの相当の公益性について、先ほどから御指摘をいただきました。あり

がとうございます。

若干時間をいただいて恐縮でございますが、参考資料2に、改正法による趣旨等もございますけれども、例えば、2ページであります。

こういうところで、例えば、利用を想定する者として、ここは国の行政機関、大学その他、そして、三に民間事業者ということも想定されているところでございます。

 

それで、介護のほうも、そういうことは想定されるだろうと考えておりまして、そういうことも勘案した相当の公益性ということでございますし、また、運用については、この部会にも御報告をさせていただきたいと思います。

また、優劣というふうな御表現をいただきましたけれども、これは、これまで第三者提供に関しまして、介護保険のデータベース、実績がございますけれども、優劣という評価はしてございませんで、公益性と個人情報の保護、こういったことを総合的に勘案して、適正な研究計画に対してであれば、それは第三者提供を行う、行わないと、そういう判断はしております。

また、行わない場合にも、このようにしたら行えるというようなアドバイスも含めてさせていただいているところでございます。

 

こちらの資料に関する御質問に対する回答は、以上でございます。

 

遠藤部会長    ありがとうございます。では、企画官、お願いします。

 

栗原企画官    認知症施策についての教育との連携の話でございます。

ここの記述自体は、連携を図っていくというところの側面を出しているところでございますけれども、具体的な取組としましては、小中高校生に対する認知症の人などへの理解の促進ということで、こちらは既に文科省の教科書の中にも、ちょっと広めの高齢者ということでございますけれども、入っていたりもしますので、そういった取組をより進めていただくというところで連携ができたらなということを考えております。

以上でございます。

 

遠藤部会長    鈴木委員、よろしいですか。ありがとうございます。

それでは、齋藤委員、お待たせいたしました。

 

 

齋藤委員      ありがとうございます。

 

私は、基本指針のところで質問が1点、それから、ほかに幾つか意見がございます。

基本指針で、先ほど来、就労的活動支援コーディネーターについて様々御指摘があるのですけれども、今回の地域支援事業の実施要項の中でも、このコーディネーターについては、配置先とか市町村ごとの配置人数は限定せず、地域の実情に応じた多様な配置が可能とされています。これは生活支援コーディネーターとともに、高齢者の社会参加という面で置かれた方々だと思うのですけれども、基本指針においても地域の実情に応じて配置しなくてもいいという理解でいいのか、それとも国としてはなるべく配置をしていくのだと、配置が望ましいという意図なのか、そこを少し確認させてください。というのが質問の

 

1点目です。

それから、意見としては、災害や感染対策に関する体制整備について、今回、盛り込まれたのは大変重要ですし、さらに市町村の防災計画や感染症対策行動計画との連携も盛り込まれたことは非常に評価したいと思うのですけれども、やはり、平時からの地域の関係機関との連携というのが非常に重要になってくると思います。

 

今後、要介護高齢者の方々を支えるマンパワー自体が減少していくという事態もございますので、組織とか法人の垣根を越えて地域の中で相互の支援ができる、そういった仕組みが必要かと思います。

 

今回のコロナ禍におきましても、医療機関にいる専門職、例えば、感染管理の認定看護師等が介護施設等に出向いて研修をしたり、対応の仕方を助言するといったような事例はあると思いますので、基本指針で盛り込まれた内容を、地域の連携の仕組みとしてきちんと具現化していくために、次期の報酬改定に向けた議論の中でも、こういった仕組みの評価についてはぜひ検討していただきたいと思っています。

それから、議題3の療養病床の関連につきまして、2点論点が挙がっているのですけれども、2点目については特段意見はないのですけれども、総量規制のところにつきましては、これは移行期限が2024年の3月末だったかと記憶しているのですけれども、この移行期限に近づいてから立て続けに移行が起こると、皆さん御心配のとおり保険料の大幅増加が予測されますので、やはり、できるだけ計画的に進んでいくことが非常に重要かと思います。ぜひ計画的に移行が進むよう、特に介護療養病床はあと3万床ぐらいあるというデータもありますので、ぜひ国や事業者団体からも適切な情報提供を働きかけていただきたいと思います。

 

それから、匿名要介護認定情報等の提供につきましては、相当の公益性についていろいろ御質問があったかと思いますけれども、余り細分化された統計解析をしてしまいますと、被保険者が匿名化されたとしても、地域や施設の利用者等々がある程度特定されてしまうというリスクがございますので、ぜひ専門委員会においては、そういった個人の権利利益の侵害リスクについて、十分配慮された上での検討をしていただきたいと思います。

最後に、リハビリに関してですけれども、今回は、4種のリハビリサービスに限定して、ストラクチャーとプロセスの指標が出ているわけですけれども、やはり地域の中では、いかにリハビリサービスを均てん化するといっても、一部ほかのサービスで代替しているという実態もあると思います。

 

ですので、リハビリの人材確保や事業所の参入が困難な自治体には、やはり資源や人口の地域偏在にも配慮していくということが大変重要なのではと思っておりますので、国には、そういった保険者への支援をお願いしたいと思っております。

 

以上です。

遠藤部会長    どうもありがとうございます。それでは、振興課長、どうぞ。

尾崎振興課長  振興課長でございます。

 

就労的活動支援コーディネーターについて御質問をいただきました。

高齢者化が進展していく中でも、高齢者の方が地域とのつながりを保ちながら、役割を持って生活できる、こういった環境を整えていくことは大事だと思ってございます。

そういった観点から、今回の就労的活動支援コーディネーターにつきましても、ぜひ各市町村、積極的に配置をしていただきたいと考えているというのが現状でございます。

以上でございます。

遠藤部会長    ありがとうございます。

それでは、続きまして、江澤委員、お願いいたします。

江澤委員      ありがとうございます。

本日の議題に関しまして、幾つか意見を述べさせていただきたいと思います。まず、議題の2番の基本指針(案)につきまして、資料2-2で少し意見を

述べたいと思います。

 

まず、資料2-2の17ページに認知症施策の推進がありますけれども、その中に、認知症の意思決定支援という記載がないのですけれども、1番のところに本人の発信支援とございますが、必ずしも発信ができる状況にも限りませんので、非常にこれから重要になってくるのは、認知症の意思決定支援でございますので、そういった記載が必要かどうか検討していただければと思います。その裏の18ページに、3番「医療・ケア・介護サービス・介護者への支援」とありまして、この医療と介護サービスにある「ケア」というのが、ちょっと理解が分かりにくいかなと思いましたので、その「ケア」と、そして、そのページの一番最後に、主語もなく「国際交流に努めること。」という文章があるのですけれども、この辺りも分かりにくいかなと思いましたので、必要があれ

ば、検討していただければと思います。

続きまして、31ページでございますが、左側の下のところに、高齢者の集合住宅についての記載がございます。

これは、今までの介護保険部会の議論の中で、高齢者の集合住宅、有料老人ホームや、いわゆるサ高住の中に要介護者が多く住まれていらっしゃるということを前提として、特に要介護3から5の方が、入居者の中で3割から5割の割合を占めるというデータもございましたけれども、そういったところを受けとめて、そして、それに加えてターミナルケアとか、看取りの機能を担っているかどうか、そういったところが地域の中で、市町村でどれくらいあるのかどうかも含めた上で、第8期の介護保険事業計画の作成をしていこうという方向になったと思いますので、その辺りは、しっかりと要介護者、特に中重度者の要介護者の受け入れ状況あるいはターミナルケア、看取りの機能を踏まえて、また、検討していただければと思います。

 

もう一点は、当然、高齢者の住まいですから、介護保険施設でもないので、

補足給付というものが設定されておりませんので、現行は、こういった高齢者の集合住宅は低所得者の受け皿にはなっていないという状況がございますので、地域住民の所得層も踏まえて、綿密な介護保険事業計画を作っていただきたいと思っております。

続きまして、42ページでございます。

 

下から9行目に、いわゆる一般介護予防事業の推進方策に関する検討会で議論した内容ですけれども、通いの場への専門職の関与というのが非常に期待されているところですが、その検討会におきましては、かかりつけ医や、あるいは看護職員、あるいは薬剤師等が地域で活躍していることも議論が出ましたし、決して、ここに書いてある職種以外の職種、保健師や管理栄養士云々がありますけれども、そういったところで、こういった地域づくりに応援していただく職種は、全てみんなで応援していこうという姿勢がいいかと思いますので、記

 

載されている職種のみに限ることはないかなと思っております。

それから、その下に、先ほども意見がございましたが8%、通いの場に通う高齢者の割合を8%とございますけれども、一番リスクの高い問題として重要視しなければいけないのは、通わない人、通えない人、要は通う必要があるけれども、通っていない人たちをどうカバーしていくのか、この辺りは、ぜひ念頭に置いて各自治体のほうで取り組んでいただきたいと思っております。

続きまして、55ページから56ページにかけて、介護人材確保の記載がございます。

55ページの4番の(1)には、介護人材確保のための協議会を設置という旨がございます。ぜひ、この中で現場の職員の意見が、多々ここで反映されるように検討していただきたいと思っております。

少なくとも、ICTやロボットの活用あるいは業務の効率化、これは当然、時代の進歩に応じて導入されるべきものであって、これは、決して介護人材の確保に有効な手法であるかというと、必ずしもそうではございませんので、次のページにも、イメージで刷新とございますけれども、やはり、現場の介護職員というのは、以前の調査結果でありましたように、長く続けられた要因というのは、やはりやりがいの実現であったり、あるいは施したケアによって利用者の方がお元気になったり、笑顔が出ることが、一番のモチベーションが高まること、そして、これが介護という仕事の醍醐味でございますので、それに加えて職場の人間関係や働きやすい職場の環境づくり、そういったことも含めて、何よりも職員を大切にしている事業所をいかに増やすのかという視点が最も重要であると思います。介護人材確保定着イコール、ICTやロボットの活用とかがイコールではないということは誤解されないようにしていただきたいと思います。

続きまして、最後に57ページでございますけれども、この一番下のところに、

今回の総合事業において、介護の認定が出た後も、引き続き利用者の希望に応じて、総合事業のサービスを利用することが可能となるという旨が決まっております。

それを踏まえて、こちらに「介護保険給付と総合事業を組み合わせたケアプランの作成も含め、ケアマネジャーによるケアマネジメントを通じて適切な事業の利用が確保されることが重要である」と書いてありますけれども、これは、本来、要介護認定になったということは、何らかの状態の悪化があったということでございますので、この辺りは慎重に、本人の自立支援と尊厳の保持という介護保険の目的に向けて本人に必要な介護保険の給付サービスが当然必要でありますので、ここで、当然、慣れ親しんだコミュニティのできている総合事業を引き続き使うことは、本人の希望によって、これは尊重すべきでありますけれども、本来は、やはり介護保険サービスを使って、またお元気になっていただくということが重要でございますので、これを積極的に行うというよりは、御本人の希望によって、たまたまあるというケースではないかと議論もなっていたと思いますので、その辺りは、よろしくお願いしたいと思います。

 

続きまして、議題3ですけれども、医療療養病床等から介護医療院への移行の扱いについてということで、そこの後の資料に論点1と2が出ておりますけれども、まず、論点2の財政安定化基金への返済期間を3計画期間としてはどうかということでございますが、本来であれば、こういった対応策を出す前、論ずる前に、実態がどうであるかというのが非常に重要でございますので、現行、総量規制の対象外ですから、市町村の方に御質問しても、なかなかお答えづらい状況かと思いますので、例えば、医療機関、療養病床を有する医療機関に調査を行って、介護医療院の申請あるいは手挙げをしたけれども、例えば、市町村から少し待ってほしいとか、あるいは今のところ、うちの市町村では財政的に厳しいとか、そういったことがあったのかどうか、一部にあったようなことも聞いてはおりますけれども、実態が把握できておりませんので、そういう個々の事例によって、3期9年で対応できるのか、できないのか、そういったことも分かってくると思いますから、本来は、実態ありきであって、その実態に応じて検討していくことが必要ではないかと思っております。

 

ちなみに、令和元年10月末時点で、2年前には、いわゆる看護配置25対1の

医療療養病床は、平成2910月に5万床余りありましたが、それが令和元年1031日には、8,631床、経過措置1ですけれども、大幅に25対1看護配置の療養病床は減っております。

実際に、今年の3月末で、介護医療院に25対1の医療療養病床から移行した病床数は1,074床でございまして、要は25対1の医療療養病床の大半は20対1の医療療養病床に恐らく移行しているということが推測されます。

したがいまして、それが医療機関の選択であればいいのですけれども、仮に介護医療院への移行が、なかなかそういった市町村の条件が難しいということがあって、もし、やむを得ない選択肢をしている事例があれば、手当が必要ではないかと思っております。

 

そもそもの社会保障費のトータルとしては、決して上がることはないので、やはり市町村への財源支援というのは、トータルな視点で考えていく必要があると思っております。

最後に、要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供に関する検討会ですけれども、一言だけ申し上げます。

 

今回、国が要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制に関する指標を市町村に示すという画期的なことが行われるわけですけれども、資料

2-2の基本指針(案)の中では、この指標を参考とすることが望ましい程度

 

の表記になっておりますので、ぜひ積極的に御活用いただければと思っております。

 

その他について、1点ですけれども、新型コロナウイルス感染症に関しましては、今回、災害と、こういった感染症に対しての項目が追記されておりまして、ありがたいと思っておりますが、そこに「訓練」と書いてありますが、この「訓練」の中には、感染対策の実習、要は知っていることをちゃんと実行できるかどうか、標準予防策を介護現場で実行できるかどうか、そういった実地研修の意味が入っていると思っておりますので、その辺りも十分自治体のほうへよろしく行いしたいと思いますし、適切な感染防護服という記載がありますけれども、介護現場においても、布ではなくて、サージカルマスクが必要ですし、時と場合によっては、フェイスシールドやN95マスクも必要でございますので、この辺りも十分理解して対応していただきたいと思っております。

以上でございます。

 

遠藤部会長    どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、東委員、お願いいたします。

東委員 全老健の東でございます。

時間もなさそうなので、1点だけ御意見を申し上げます。

 

基本指針の構成でございます。資料2-1の11ページ、地域包括ケアシステムを支える人材の確保でございます。

 

ここには、右側にございますが、新項目の追加で、介護現場革新の項目が並んでおります。この介護現場革新につきましては、昨年、全国7か所でプロジェクト事業が行われております。

 

この中でかなり有効なエビデンスが得られたとも聞いておりますが、残念ながら今回のコロナの影響で、このプロジェクト事業の検証作業が延期をされているところでございます。ぜひ検証を行っていただいて、ロボット、ICT、また介護助手などでどのようなエビデンスが得られたのかを明らかにした上で、これらを基本指針に反映すべきだと考えます。

以上です。

 

遠藤部会長    ありがとうございました。

大体御意見はいただきましたか、ほかにありますか、よろしゅうございますか。

ありがとうございました。非常に活発な御意見、恐縮でございます。

 

それでは、事務局からの案という形で、議題2、3、4というのが事務局原案ということであります。

様々な御意見が出ましたが、ただ、議題の4番目の専門委員会の設置につきましては、公益性をどう見るかとか、そういう議論は、運用上の議論としては出ましたけれども、この設置に対して反論は特段なかったと理解いたしますし、同様のものが医療保険部会の下にもできているということもありますので、これは御意見を専門委員会の委員に伝えるという形で、これはお認めいただくということにさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

 

特段反対もないようなので、そのようにさせていただきたいと思います。

 

また、3番の医療療養病床から介護医療院への移行についての財政措置の問題についても、様々な御意見が出ましたので、これも基本的には、反対はなかったと理解いたしますが、これにつきましても、少し御意見については、事務局と私とで検討させていただきたいという形にさせていただければと思います。

 

非常に多くの議論が出ましたのは、やはり基本指針のところでございますが、これも基本的には、基本指針は、ここで議論してきた内容を盛り込んでいるわけでありますので、そのベースに、さらにいろいろな御意見が出たということですので、どれを取り上げるかということについては、少し検討する必要があるかなと思いますので、ただ、もう一度、この会議を開きましても、同じような議論になるかと思いますので、よろしければ、本日の御意見を踏まえまして、私と事務局で検討させていただくという対応にしたいと思いますけれども、よろしゅうございますか、もし、反対の方がいれば、だめだという顔をしていただければと思いますが、よろしゅうございますか。

それでは、そういう対応にさせていただきたいと思います。

事務局は、そういう対応でよろしいですか。

 

では、そのようにさせていただきたいと思います。長時間の御意見、ありがとうございました。

それでは、検討事項につきましては、これまでにしたいと思います。

最後に老健局長より御発言があるそうですので、よろしくお願いいたします。

大島老健局長  すみません、今日はありがとうございました。

 

2月以来、約5か月ぶりで、この間、コロナの関係、本当に介護現場でも必死の対応をしていただきました。そのことのお礼の感謝の気持ちだけ簡単に申し上げさせていただきたいと思います。

ヨーロッパとかアメリカと比較しますと、大体コロナで亡くなられた方のうち4割ぐらいが高齢者施設で亡くなられていますが、日本の場合、いろんなデータの取り方がありますが、大体1割ぐらいだと考えられます。この数字1つ取りましても、非常に現場で、利用者あるいは入所者の方の尊厳を大切にした

 

取組をしていただいているのだなと感じるところでございまして、日本の介護現場のすごさというか、取組のすばらしさに対しまして、改めて御礼申し上げたいと思います。

ただし、油断は禁物でありまして、今後また感染者が広がり、また、それが施設の中にも及んでくるという事態も想定されますので、引き続き、新型コロナウイルス感染症に対する対応は継続しないといけないと思いますし、より対応する力を高めていく必要もあると考えます。恒常的に取り組んでいくことを念頭に置いた対応が必要かと思います。

今後、介護報酬改定の議論の中でも進めたいと思いますが、いろんな方策を考えないといけないと思います。引き続き、皆様との御協力の下でやっていきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

以上でございます。

 

遠藤部会長ありがとうございました。

それでは、次回の日程について、事務局から何かありますか。

栗原企画官次回の部会につきましては、追って御連絡させていただきます。

 

遠藤部会長    それでは、本日の部会は、これにて終了したいと思います。長時間の御参加、どうもありがとうございました。

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