2019/05/22

「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための 健康保険法等の一部を改正する法律」の公布について 令和元年5月22日

「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための 健康保険法等の一部を改正する法律」の公布について 令和元年5月22日

(介護保険法の一部改正)

第十二条介護保険法(平成九年法律第百二十三号)の一部を次のように改正する。第百十五条の四十五中第五項を第九項とし、第四項の次に次の四項を加える。

市町村は、地域支援事業を行うに当たっては、高齢者保健事業(高齢者の医療の確保に関する法律第百二十五条第一項に規定する高齢者保健事業をいう。以下この条及び第百十七条第三項第六号において同じ。)を行う後期高齢者医療広域連合(同法第四十八条に規定する後期高齢者医療広域連合をいう。以下この条において同じ。)との連携を図るとともに高齢者の身体的、精神的及び社会的な特性を踏まえ、地域支援事業を効果的かつ効率的で被保険者の状況に応じたきめ細かなものとするため、高齢者保健事業及び国民健康保険法第八十二条第三項に規定する高齢者の心身の特性に応じた事業(第百十七条第三項第六号において「国民健康保険保健事業」という。)と一体的に実施するよう努めるものとする。

市町村は、前項の規定により地域支援事業を行うに当たって必要があると認めるときは、他の市町村及び後期高齢者医療広域連合に対し

被保険者に係る保健医療サービス若しくは

福祉サービスに関する情報、

高齢者の医療の確保に関する法律の規定による療養に関する情報若しくは

同法第百二十五条第一項に規定する健康診査若しくは

保健指導に関する記録の写し

若しくは同法第十八条第一項に規定する特定健康診査若しくは

特定保健指導に関する記録の写し又は

国民健康保険法の規定による療養に関する情報その他

地域支援事業を効果的かつ効率的に実施するために必要な情報として厚生労働省令で定めるものの提供を

求めることができる。

7 前項の規定により、情報又は記録の写しの提供を求められた市町村及び後期高齢者医療広域連合は、厚生労働省令で定めるところにより、当該情報又は記録の写しを提供しなければならない。

8 市町村は、第五項の規定により地域支援事業を実施するため、前項の規定により提供を受けた情報又は記録の写しに加え、

自らが保有する当該被保険者に係る保健医療サービス若しくは福祉サービスに関する情報、高齢者の医療の確保に関する法律第十八条第一項に規定する特定健康診査若しくは特定保健指導に関する記録又は国民健康保険法の規定による療養に関する情報を併せて活用することができる。

第百十七条第三項第六号中「支援に関する事項」の下に「、地域支援事業と高齢者保健事業及び国民健康保険保健事業の一体的な実施に関する事項」を加える。第百十八条の二第一項中「情報」の下に「(以下「介護保険等関連情報」という。)」を加え、同条第二項中「前項に規定する調査及び分析に必要な情報」を「介護保険等関連情報」に改め、同条第三項中「第一項に規定する調査及び分析に必要な情報」を「介護保険等関連情報」に改める。第百十八条の二の次に次の九条を加える

(国民の保健医療の向上及び福祉の増進のための匿名介護保険等関連情報の利用又は提供)

第百十八条の三 厚生労働大臣は、国民の保健医療の向上及び福祉の増進に資するため、匿名介護保険等関連情報(介護保険等関連情報に係る特定の被保険者その他の厚生労働省令で定める者(次条において「本人」という。)を識別すること及びその作成に用いる介護保険等関連情報を復元することができないようにするために厚生労働省令で定める基準に従い加工した介護保険等関連情報をいう。以下同じ。)を利用し、又は厚生労働省令で定めるところにより、次の各号に掲げる者であって、匿名介護保険等関連情報の提供を受けて行うことについて相当の公益性を有すると認められる業務としてそれぞれ当該各号に定めるものを行うものに提供することができる

一 国の他の行政機関及び地方公共団体保険給付に係る保健医療サービス及び福祉サービスに関する施策、要介護状態等となることの予防又は要介護状態等の軽減若しくは悪化の防止のための施策並びに地域における自立した日常生活の支援のための施策の企画及び立案に関する調査

二 大学その他の研究機関国民の健康の保持増進及びその有する能力の維持向上並びに介護保険事業に関する研究

三 民間事業者その他の厚生労働省令で定める者介護分野の調査研究に関する分析その他の厚生労働省令で定める業務(特定の商品又は役務の広告又は宣伝に利用するために行うものを除く。)

2 厚生労働大臣は、前項の規定による利用又は提供を行う場合には、当該匿名介護保険等関連情報を高齢者の医療の確保に関する法律第十六条の二第一項に規定する匿名医療保険等関連情報その他の厚生労働省令で定めるものと連結して利用し、又は連結して利用することができる状態で提供することができる。

3 厚生労働大臣は、第一項の規定により匿護保険等関連情報を提供しようとする場合には、あらかじめ、社会保障審議会の意見を聴かなければならない。

(照合等の禁止)

第百十八条の四前条第一項の規定により匿名介護保険等関連情報の提供を受け、これを利用する者(以下「匿名介護保険等関連情報利用者」という。)は、匿名介護保険等関連情報を取り扱うに当たっては、当該匿名介護保険等関連情報の作成に用いられた介護保険等関連情報に係る本人を識別するために、当該介護保険等関連情報から削除された記述等(文書、図画若しくは電磁的記録(電磁的方式(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。)で作られる記録をいう。)に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項をいう。)若しくは匿名介護保険等関連情報の作成に用いられた加工の方法に関する情報を取得し、又は当該匿名介護保険等関連情報を他の情報と照合してはならない。

(消去)

第百十八条の五匿名介護保険等関連情報利用者は、提供を受けた匿名介護保険等関連情報を利用する必要がなくなったときは、遅滞なく、当該匿名介護保険等関連情報を消去しなければならない。

(安全管理措置)

第百十八条の六匿名介護保険等関連情報利用者は、匿名介護保険等関連情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の当該匿名介護保険等関連情報の安全管理のために必要かつ適切なものとして厚生労働省令で定める措置を講じなければならない。

(利用者の義務)

第百十八条の七匿名介護保険等関連情報利用者又は匿名介護保険等関連情報利用者であった者は、匿名介護保険等関連情報の利用に関して知り得た匿名介護保険等関連情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。

(立入検査等)

第百十八条の八厚生労働大臣は、この章の規定の施行に必要な限度において、匿名介護保険等関連情報利用者(国の他の行政機関を除く。以下この項及び次条において同じ。)に対し報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に匿名介護保険等関連情報利用者に対して質問させ、若しくは匿名介護保険等関連情報利用者の事務所その他匿名介護保険等関連情報の利用に関係のある場所に立ち入り、その帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

2 第二十四条第三項の規定は前項の規定による質問又は検査について、同条第四項の規定は前項の規定による権限について、それぞれ準用する。

(是正命令)

第百十八条の九厚生労働大臣は、匿名介護保険等関連情報利用者が第百十八条の四から第百十八条の七までの規定に違反していると認めるときは、その者に対し、当該違反を是正するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(支払基金等への委託)

第百十八条の十厚生労働大臣は、第百十八条の二第一項に規定する調査及び分析並びに第百十八条の三第一項の規定による利用又は提供に係る事務の全部又は一部を社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)による社会保険診療報酬支払基金(以下「支払基金」という。)又は連合会その他厚生労働省令で定める者(次条において「支払基金等」という。)に委託することができる。

(手数料)

第百十八条の十一匿名介護保険等関連情報利用者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国(前条の規定により厚生労働大臣からの委託を受けて、支払基金等が第百十八条の三第一項の規定による匿名介護保険等関連情報の提供に係る事務の全部を行う場合にあっては、支払基金等)に納めなければならない。

2 厚生労働大臣は、前項の手数料を納めようとする者が都道府県その他の国民の保健医療の向上及び福祉の増進のために特に重要な役割を果たす者として政令で定める者であるときは、政令で定めるところにより、当該手数料を減額し、又は免除することができる。

3 第一項の規定により支払基金等に納められた手数料は、支払基金等の収入とする。第百二十五条第一項中「社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)による社会保険診療報酬支払基金(以下「支払基金」という。)」を「支払基金」に改める。第百六十六条第三項中「各事務所」を「主たる事務所」に改める。第二百五条の二の次に次の一条を加える。第二百五条の三次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一第百十八条の七の規定に違反して、匿名介護保険等関連情報の利用に関して知り得た匿名介護保険等関連情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用した者

二第百十八条の九の規定による命令に違反した者第二百六条の二に次の一号を加える。

四第百十八条の八第一項の規定による報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の帳簿書類の提出若しくは提示をし、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。

第二百十条の次に次の一条を加える。

第二百十条の二第二百五条の三の罪は、日本国外において同条の罪を犯した者にも適用する。

第十三条 介護保険法の一部を次のように改正する。

第百十八条の三第二項中「匿名介護保険等関連情報を」の下に「健康保険法第百五十条の二第一項に規定する匿名診療等関連情報及び」を加える。


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