数年毎に制度がコロコロと変わります。それに合わせ業務内容がコロコロと変わります。
その度に、介護支援専門員は書類に追われ、業務調整に追われ、利用者への説明に奔走するはめになります。
また、不採算部門だからと、突然、事業所が閉鎖されることもあります。
人事異動で、まったく別の職場へ移ることもあります。
まるで「じっくりと、腰をすえて介護支援専門員の仕事をするな」と言われているように状況がコロコロと変わります。
一方、もう少し広く社会を見た場合はどうでしょうか。
「少子高齢化社会」を迎えるにあたり、介護保険制度そのものが、いつまで持続可能なのかという不安が募ります。
介護業界に限らず、社会の変化のスピードもすさまじいものです。
昨日まで大手と言われていた企業が、あっという間にどん底に陥ったり、名を成していた人が奈落の底へと落ちていきます。
昨日まで使えていたパソコンなどのOA 機器やソフトが数年で時代遅れになり、使えなくなってしまいます。
社会や環境の変化はすさまじく、その流れについていくことは、大変なことです。
趣味趣向などの「軽い」ものが、「流行」として、どんどん形を変えていくことは、かまわないのですが、これが人の生活に直接関係している「介護」や、その介護に関わる「介護支援業務」にまで及ぶと、考えものです。
コロコロと猫の目のように変化していく社会や制度の中で、私達は何を指標に道を歩んでいけばいいのでしょうか。
次々と、あらゆるものが変化していく世の中で、我々は何を頼りに日々の生活や業務をしていくべきなのでしょうか。
自分を見失わないためには、我々はどのように日々の業務に向き合えばいいのでしょうか。
それは、「変わり続ける世の中」で、「変わらないもの」を把握しておくことです。時代や社会の変化に流されず、「あり続ける」ものを知っておくことです。
でも、そのようなものが、果たして、この時代にあるのでしょうか。
すべてが不安な世の中で、変わらないものがあるのでしょうか。
あります。
唯一、変わらないもの。
それは、「人」です。
もう少し具体的に言うなら「人の心」といえるかもしれません。
古代より、人が人を好きになり、人が怒り、人が悲しみ、生活をしてきた、この事実は揺るぎようがありません。
人の営みだけは、これからどんなに時代が変化しようとも、変わらず「あり続ける」ものです。
そう。変わらないのは「人」なのです。
「人」を中心に置いて、日々の業務や生活を心がけておけば、時代の変化に流されることはないのです。介護支援専門員の仕事で言えば、(制度や書類ももちろん重要なのですが)人がもっとも大事だ、ということです。
「人」から意識を離してはダメだということです。
「介護とは何か」「人の生活とはなにか」「自立を支援するとは、どういうことか」「生老病死とは何か」などという、人の揺るぎない本質を見つめながら仕事をすることです。その一番、大事なことを押さえておけば、後のことは変化しても自分を見失う事はありません。
環境や社会や仕事が変わっても、根本の部分は揺るぎません。仕事内容や環境が変わったとしても、積み上げた過去は無駄になりませんし、いくらでも応用が利きます。あらためて、言います。
我々は、「人」を中心にすえた、介護支援業務をしておれば間違いはないのです。
すべてが変わり続ける世の中で、確実な方法はこれしかありません。制度改正や居宅介護支援事業所の閉鎖の話を聞く度に、そんなことを思います。
(この裏返しとして、制度に振り回されないためには、制度をよく理解しておく必要がありますが、それについては、また別の機会で)2008.honma
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