2025/07/19

福祉契約(介護契約)とは何か?


❷特徴:

準委任契約(請負契約的性質)(※施設契約:賃貸借、準委任、請負の複合的契約) 

 ・役務提供契約(サービスの質の評価が困難→利用者の合理的選択を困難にする、 対価関係が不透明、サービスは貯蔵できないので、市場が小さく、競争原理 が働きづらい、市場原理の中でサービスの質の向上が期待しづらいという特徴) 

          →それゆえ、信義則上の説明義務や助言義務あり(契約締結前、締結後も…) 

・サービス内容は、利用者の生命、身体、人権にかかわるサービス 

        (←高い倫理性が求められ、公的規制の必要性が高い、生命身体、人権に配慮する義務、高齢者の権利擁護(後見制度、日常生活自立支援事業)の視点も必要) 

   ・継続的契約(債務不履行、瑕疵の判断が容易ではないため、利用者による中途解約権の保障、終期が生存する限りとなる場合も多いので、強い信頼関係が成立する)

サービスの中身(債務)の特定が困難(柔軟な対応の必要性、選択権の保障) 

消費者契約(当事者間の交渉力の圧倒的格差、情報収集・分析力の差、契約当事者 の一方が脆弱な消費者である判断力が十分ではない可能性のある高齢者、サービスの 内容は、事業者が用意した契約や約款等によることがほとんど。利用者の意思が反映 されにくい。損害回復も困難を伴う。)→福祉契約は消費者契約を超える側面あり 

 ・介護保険サービスの公共性(給付決定という行政行為の介在(介護財源)。公的契約の側面あり(一定の制約が生じる)。介護保険法の理念や運営基準との整合性が求められ、公的介入の必要性もある。純粋な私的契約ではないといえる。) 


https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001488678.pdf


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介護保険制度において、介護サービス事業者と利用者(要介護認定を受けた者又はその保護者等)との間で介護サービスの提供に伴う次のような契約書を作成した場合、これらの契約書は印紙税の課税文書に該当するのでしょうか。

なお、これらの契約書は、介護保険制度において、サービス事業者と利用者の権利・義務を明らかにするために作成されるもので、利用者の要望に沿って適切な介護サービスを提供するため、原則として、介護サービス計画に従って、利用者が受けることができる(希望す

る)個々の介護サービスの内容及び料金などを定めるものである。

①居宅介護支援サービス契約書及び付属書類

②訪問介護サービス契約書及び付属書類

③訪問入浴介護サービス契約書及び付属書類

④訪問看護サービス契約書及び付属書類

⑤訪問リハビリテーションサービス契約書及び付属書類

⑥居宅療養管理指導サービス契約書及び付属書類

⑦通所介護サービス契約書及び付属書類

⑧通所リハビリテーションサービス契約書及び付属書類

⑨短期入所生活介護サービス契約書及び付属書類

⑩短期入所療養介護サービス契約書及び付属書類

⑪認知症対応型共同生活介護サービス契約書及び付属書類

⑫特定施設入所者生活介護サービス契約書及び付属書類

⑬福祉用具貸与サービス契約書及び付属書類

⑭介護福祉施設サービス契約書及び付属書類

⑮介護保健施設サービス契約書及び付属書類

⑯介護療養型医療施設サービス契約書及び付属書類

 

 

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 介護保険制度下において作成されるこれらの契約書は、原則として、印紙税の課税文書には該当しません。なお、前記の各種サービスを複合的に組み合わせた契約書を作成した場合も同様の取扱いとなります。

(考え方)

印紙税は、印紙税が課税されるべき事項を記載して作成した文書に対して課税されるものですから、ご質問の契約書が課税の対象となるかどうかは、その個々の契約書に記載された内容に基づき個別に判断することとなります。

そこで、事例の各種の介護サービス契約書の内容をみますと、利用者が受けることができる介護サービスの具体的な内容(例えば、訪問、施設通所又は施設入所による、①居宅介護支援(介護サービス計画の作成及び連絡調整))、②入浴・食事等の介護、③日常生活上の世話、④療養上の世話・診療の補助、⑤リハビリテーション・機能訓練、及び⑥福祉用具貸与等並びにこれらの個々のサービス利用料金)が記載されていますが、これらの個々のサービス内容及び料金の明細は、原則として、利用者の要望に沿った介護サービス計画に従い、利用者が全体として適切な介護サービスの提供を受けるために記載されているものと考えられます。

したがって、事例の各種の契約書に記載される個々の介護サービスの内容は、「当事者の一方が仕事の完成を約し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払う」という性格のものではないものと認められますから、これらの介護サービス事項のみを定める契約書は、原則として、民法上の請負契約書には該当せず、また、その他いずれの課税文書にも該当しません。

 

12.3.17 厚生省 事務連絡

介護サービス事業者等と利用者の間で作成する契約書及び介護サービス事業者等が発行する領収証等に係る印紙税の取扱い

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