■ 総論:背景と目的
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高齢化により介護サービス需要は増大。医療・認知症・独居・複合課題の高齢者が増加。
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ケアマネジャーの数は減少傾向で、質確保と担い手の確保が急務。
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ケアマネが本来の専門業務に注力できるよう、業務整理・効率化・研修見直し・人材確保が必要。
■ ケアマネ業務の整理
業務の4類型:
| 分類 | 内容例 | 対応方針 |
|---|---|---|
| ①法定業務 | ケアプラン、モニタリングなど | 分担見直し・ICT活用で効率化 |
| ②保険外サービス | 代筆・家事支援など | 自費や地域資源と連携 |
| ③他機関業務 | 徘徊対応、死後事務など | 警察・信託銀行等と連携 |
| ④対応困難 | 医療同意など | 基本的に対応しない |
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法定業務以外は地域課題として市町村主導で協議し、社会資源の開発へつなげる。
■ 主任ケアマネ・地域包括支援センターの役割
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主任ケアマネは「現場指導者」「ネットワーク構築者」としての中核的役割。
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介護予防支援業務に時間が取られ、本来業務が圧迫されている。
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本来の役割発揮のため、ICT活用、役割分担、研修見直しが必要。
■ ICT活用の推進
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ケアプランデータ連携システムの普及を推進(事業所側の導入率が低い)。
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AIによるケアプラン作成支援も検討。
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書類負担軽減、効率化により、専門業務への注力を可能にする。
■ 人材確保と定着
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ケアマネジャーは今後急減する見込み。
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やりがい(QOL向上の実感)を維持しつつ、処遇・業務軽減・書式簡素化が必要。
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高年齢層も含めて就労継続できる環境を整備。
■ 新規参入促進
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受験資格の国家資格範囲拡大を検討。
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実務経験5年の緩和や、試験内容の柔軟化を提案。
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若年層への魅力発信、学卒者採用への議論継続。
■ 潜在ケアマネの復職支援
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短時間勤務や件数制限など柔軟な就労体制を推奨。
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再研修のオンライン化、実務経験に応じた簡素化が必要。
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地方自治体・職能団体による定期的な呼びかけを促す。
■ 研修制度の見直し
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法定研修(実務・更新・主任等)は負担大。→オンライン・オンデマンド・分割受講を提案。
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国レベルでカリキュラム一元化、都道府県は地域特性活かした科目に特化。
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費用負担軽減には基金活用や給付制度の活用を。
■ ケアマネジメントの質の向上
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適切なケアマネ手法(実践知の体系化)を法定研修に導入。
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ケアプラン点検は「指導監査」でなく「気づき促進」型に転換。
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OJT、法定外研修との連動で多面的な質の向上を図る。
■ 今後の方向性
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ケアマネの業務負担軽減と質の確保は両立すべき課題。
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関係者の理解と協働が不可欠。市町村を中心に地域課題として整理。
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国・都道府県は取組支援を行い、制度・報酬改定を視野に継続検討。