介護保険制度の見直しに関する意見(概要)
(令和7年12月25日 社会保障審議会介護保険部会)
○2040年には、介護と医療の複合ニーズを抱える85歳以上人口、認知症高齢者、独居の高齢者等の増加と同時に、生産年齢人口の減少が見込まれる中、地域の規模によって高齢化・人口減少のスピードに大きな差が生じることも踏まえ、早急な対応が求められる。
○このような社会環境の変化の中にあっても、高齢者の自己決定に基づき、必要なサービスを受けられ、希望する場所で安心して生活できる社会を実現するため、地域の実情に応じた地域包括ケアシステムの深化や、これらを通じた地域共生社会の更なる実現・深化を行うことが必要。
○福祉サービス間の連携に加え、介護や福祉以外の地域資源(地域におけるまちづくりや高齢者の移動支援等の取組)との効果的な連携が重要。
★:今後、詳細の要件や報酬設定等について介護給付費分科会等で議論することとされている項目
Ⅰ 人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築
1.地域の類型を踏まえたサービス提供体制・支援体制
〇 地域の類型の考え方:計画策定プロセスにおいて、該当する地域類型を意識しながら、都道府県・市町村等の関係者間で議論を行うことが必要である。
〇中山間・人口減少地域(サービス需要が減少する地域): サービス提供の維持・確保を前提として、利用者への介護サービスが適切に提供されるよう、新たな柔軟化のための枠組みを設ける。
〇中山間・人口減少地域(サービス需要が減少する地域): サービス提供の維持・確保を前提として、利用者への介護サービスが適切に提供されるよう、新たな柔軟化のための枠組みを設ける。
- 特別地域加算の対象地域を基本としつつ、高齢者人口の減少に着目した地域の範囲について国において一定の基準を示す(市町村内の一部エリアを特定することも可能)★。
- 対象地域は、計画策定プロセスにおいて市町村の意向を確認し、都道府県が決定する。
〇一般市等(2040年までの間にサービス需要が増加から減少に転じる地域):
- 高齢者人口の増減・サービス需要の変化の見通しに基づき、現行制度の枠組みを活用したサービス基盤の維持・確保が求められる。
2.中山間・人口減少地域における柔軟な対応等
〇 特例介護サービスの枠組みの拡張:- 中山間・人口減少地域において、職員の賃金の改善に向けた取組、ICT機器の活用や、サービス・事業所間の連携等を前提に、職員の負担への配慮やサービスの質の確保の観点も踏まえ、管理者や専門職の常勤・専従要件、夜勤要件の緩和等を行うため、特例介護サービスに新たな類型を設ける(施設サービスや特定施設入居者生活介護も対象)★。
特例介護サービスの新たな類型の枠組みにおいて、例えば訪問介護について、現行のサービス提供回数に応じた出来高報酬と別途、包括的な評価(月単位の定額払い)を選択可能とする★。
〇介護サービスを事業として実施する仕組み:
〇介護サービスを事業として実施する仕組み:
- 中山間・人口減少地域における柔軟なサービス基盤の維持・確保の選択肢の一つとして、給付の仕組みに代えて、市町村が関与する事業(地域支援事業の一類型)により、給付と同様に介護保険財源を活用し、事業者がサービス提供を可能とする仕組みを設ける。
地域の法人・事業所が一定期間にわたり事業継続する役割を担い、複数事業所間の連携を促進し、業務効率化等の取組を推進する仕組みを設け、必要な支援を行う ★。
〇既存施設の有効活用:
〇既存施設の有効活用:
- 国庫補助により取得・改修等をした介護施設等を別の用途に供する際、一定の範囲内で国庫納付を求めない特例を拡充する。
- より精緻な調整を行う観点から、年齢区分を3区分から7区分に変更する。
3.大都市部・一般市等における対応
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護と夜間対応型訪問介護の統合:
多様なニーズに対応したサービスを提供するため、高齢者のニーズに沿った多様な住まいの充実、テクノロジーの活用支援等の取組を推進する。
Ⅱ 地域包括ケアシステムの深化に向けて
2040年に向けて、可能な限り住み慣れた地域で自立して日常生活を営むことができるよう、都道府県・市町村及び関係者が地域の状況に合わせて地域包括ケアシステムを深化させることが必要である。1.医療・介護連携の推進
〇医療と介護の協議の場等:
総合確保方針に基づく協議の場を再編成するとともに、2040年に向けた介護の提供体制等について本格的に議論する体制を構築する。
2.有料老人ホームの事業運営の透明性確保、高齢者への住まい支援
〇有料老人ホームにおける安全性及び質の確保:
2.有料老人ホームの事業運営の透明性確保、高齢者への住まい支援
〇有料老人ホームにおける安全性及び質の確保:
中重度の要介護者等を入居対象とする有料老人ホームについて登録制といった事前規制を導入する。
あわせて、更新制や一定の場合に更新を拒否する仕組みを導入する。
事業廃止や停止等の場合の関係者との連絡調整を義務付ける。
〇入居者による有料老人ホームやサービスの適切な選択:
あわせて、更新制や一定の場合に更新を拒否する仕組みを導入する。
事業廃止や停止等の場合の関係者との連絡調整を義務付ける。
〇入居者による有料老人ホームやサービスの適切な選択:
契約書や重要事項説明書の契約前の書面説明・交付を義務付ける。
〇入居者紹介事業の透明性や質の確保:
〇入居者紹介事業の透明性や質の確保:
公益社団法人等が優良事業者を認定する仕組みを創設する。
〇いわゆる「囲い込み」対策の在り方等:
〇いわゆる「囲い込み」対策の在り方等:
介護事業所と提携する有料老人ホームにおいて、ケアマネ事業所やケアマネジャーの独立性を担保する体制を確保する。
住まい事業と介護サービス等事業の会計を分離独立させる。
〇住まいと生活の一体的支援:
住まい事業と介護サービス等事業の会計を分離独立させる。
〇住まいと生活の一体的支援:
改正セーフティネット法も踏まえ、居住施策との連携を促進する。
3.介護予防の推進、総合事業の在り方
介護予防・日常生活支援総合事業:
都道府県の伴走支援や多様な主体とのつながりづくり等の更なる支援を推進するとともに、総合事業の実施状況等を把握する仕組みを構築する。
介護予防を主軸とした多機能の支援拠点:
高齢者の介護予防を主軸とし、障害、子育て、生活困窮等の地域の抱える課題の支援を一体的に実施する多機能の拠点を整備する。
4.相談支援等の在り方
頼れる身寄りがいない高齢者等への支援:
ケアマネジャーの法定外業務(いわゆるシャドウワーク)として実施せざるを得ないケースも多い、頼れる身寄りがいない高齢者等の抱える生活課題について、地域課題として議論できるよう地域ケア会議の活用を推進する。
包括的支援事業(総合相談支援事業等)において頼れる身寄りがいない高齢者等への相談対応等を行うことを明確化する。
介護予防支援・介護予防ケアマネジメントの在り方:
介護予防ケアマネジメントについて居宅介護支援事業所の直接実施を可能とする。
ケアマネジャーの資格取得要件、更新制・法定研修の見直し等:
介護支援専門員実務研修受講試験の受験要件である国家資格を追加するとともに、実務経験年数を5年から3年に見直す。
介護支援専門員証の有効期間の更新の仕組みを廃止し、引き続き定期的な研修の受講を行うことを求め、事業者への必要な配慮を求める。
有料老人ホームに係る相談支援:
登録制といった事前規制の対象となる有料老人ホームの入居者に係るケアプラン作成と生活相談のニーズに対応する新たな相談支援の類型を創設する★。
5.認知症施策の推進等
自治体の認知症施策推進計画の策定を通じて共生社会の実現を推進する。
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1.総合的な介護人材確保対策
人材確保のためのプラットフォーム:
都道府県単位で人材確保のためのプラットフォームを構築する。
2.介護現場の職場環境改善に向けた生産性向上、経営改善支援、協働化等の推進
生産性向上等による職場環境改善、経営改善支援等:
国及び都道府県の責務として位置付ける。
人材確保や生産性向上による職場環境改善、経営改善支援等について、都道府県計画における位置付けを明確化する。
国・都道府県においてテクノロジーの更なる活用を支援する。
事業者間の連携、協働化等:
バックオフィス業務等の間接業務の効率化等を進める。
科学的介護の推進
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1.2040年を見据えた介護保険事業(支援)計画の在り方
中長期的な推計、2040年に向けた地域課題への対応:
2040年に向けた中長期的な推計を計画の記載事項に追加する。
地域における2040年に向けたサービス提供の在り方について、都道府県・市町村及び関係者間で議論を行う。
2.給付と負担
1号保険料負担の在り方:
被保険者の負担能力に応じた保険料設定について、引き続き検討を行う。
「一定以上所得」、「現役並み所得」の判断基準:
「一定以上所得」の判断基準の見直しについて、令和8年度の医療保険制度の見直しや預貯金把握の状況等を踏まえ、第10期計画開始(令和9年度~)の前までに結論を得る。
「現役並み所得」の判断基準については、医療保険との整合性や利用者への影響を踏まえ、引き続き検討を行う。
補足給付に関する給付の在り方:
第3段階②の負担限度額の上乗せを行う(令和8年度~)。
第3段階①と②をさらに区分し、一部の負担限度額の上乗せを行う(令和9年度~)。
多床室の室料負担:
在宅との公平性等を踏まえ、介護給付費分科会において検討を行う ★。
ケアマネジメントに関する給付の在り方:
有料老人ホームの新たな相談支援の類型に対して利用者負担を求めることについて、丁寧に検討を行う。
軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方:
データの収集・分析、市町村の意向、利用者への影響等を踏まえ、引き続き包括的に検討を行う。
被保険者範囲・受給者範囲:引き続き検討を行う。
金融所得、金融資産の反映の在り方:
金融所得の反映については将来的な導入を検討、金融資産についてはマイナンバーの活用について検討を継続する。
高額介護サービス費の在り方:引き続き検討を行う。
3.その他の課題
介護被保険者証の事務・運用:
65歳到達時の交付から要介護認定申請時等の交付に変更する。
電子資格確認を導入する。
高齢者虐待防止の推進:高齢者住まいにおける取組を推進する。
介護現場の安全性の確保、リスクマネジメントの推進:全国レベルでの情報収集・分析を行い現場へフィードバックする。
要介護認定:
申請代行が可能な者を拡大する。
主治医意見書の事前入手が可能である旨を明確化する。
特定福祉用具販売:貸与と販売の選択制導入に伴う所要の整備を行う。
国民健康保険団体連合会の業務:介護報酬関連の補助金支払事務の委託を可能とする。
3.介護予防の推進、総合事業の在り方
介護予防・日常生活支援総合事業:
都道府県の伴走支援や多様な主体とのつながりづくり等の更なる支援を推進するとともに、総合事業の実施状況等を把握する仕組みを構築する。
介護予防を主軸とした多機能の支援拠点:
高齢者の介護予防を主軸とし、障害、子育て、生活困窮等の地域の抱える課題の支援を一体的に実施する多機能の拠点を整備する。
4.相談支援等の在り方
頼れる身寄りがいない高齢者等への支援:
ケアマネジャーの法定外業務(いわゆるシャドウワーク)として実施せざるを得ないケースも多い、頼れる身寄りがいない高齢者等の抱える生活課題について、地域課題として議論できるよう地域ケア会議の活用を推進する。
包括的支援事業(総合相談支援事業等)において頼れる身寄りがいない高齢者等への相談対応等を行うことを明確化する。
介護予防支援・介護予防ケアマネジメントの在り方:
介護予防ケアマネジメントについて居宅介護支援事業所の直接実施を可能とする。
ケアマネジャーの資格取得要件、更新制・法定研修の見直し等:
介護支援専門員実務研修受講試験の受験要件である国家資格を追加するとともに、実務経験年数を5年から3年に見直す。
介護支援専門員証の有効期間の更新の仕組みを廃止し、引き続き定期的な研修の受講を行うことを求め、事業者への必要な配慮を求める。
有料老人ホームに係る相談支援:
登録制といった事前規制の対象となる有料老人ホームの入居者に係るケアプラン作成と生活相談のニーズに対応する新たな相談支援の類型を創設する★。
5.認知症施策の推進等
自治体の認知症施策推進計画の策定を通じて共生社会の実現を推進する。
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Ⅲ 介護人材確保と職場環境改善に向けた生産性向上、経営改善支援
1.総合的な介護人材確保対策
人材確保のためのプラットフォーム:
都道府県単位で人材確保のためのプラットフォームを構築する。
2.介護現場の職場環境改善に向けた生産性向上、経営改善支援、協働化等の推進
生産性向上等による職場環境改善、経営改善支援等:
国及び都道府県の責務として位置付ける。
人材確保や生産性向上による職場環境改善、経営改善支援等について、都道府県計画における位置付けを明確化する。
国・都道府県においてテクノロジーの更なる活用を支援する。
事業者間の連携、協働化等:
バックオフィス業務等の間接業務の効率化等を進める。
科学的介護の推進
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Ⅳ 2040年を見据えた介護保険制度の在り方
1.2040年を見据えた介護保険事業(支援)計画の在り方
中長期的な推計、2040年に向けた地域課題への対応:
2040年に向けた中長期的な推計を計画の記載事項に追加する。
地域における2040年に向けたサービス提供の在り方について、都道府県・市町村及び関係者間で議論を行う。
2.給付と負担
1号保険料負担の在り方:
被保険者の負担能力に応じた保険料設定について、引き続き検討を行う。
「一定以上所得」、「現役並み所得」の判断基準:
「一定以上所得」の判断基準の見直しについて、令和8年度の医療保険制度の見直しや預貯金把握の状況等を踏まえ、第10期計画開始(令和9年度~)の前までに結論を得る。
「現役並み所得」の判断基準については、医療保険との整合性や利用者への影響を踏まえ、引き続き検討を行う。
補足給付に関する給付の在り方:
第3段階②の負担限度額の上乗せを行う(令和8年度~)。
第3段階①と②をさらに区分し、一部の負担限度額の上乗せを行う(令和9年度~)。
多床室の室料負担:
在宅との公平性等を踏まえ、介護給付費分科会において検討を行う ★。
ケアマネジメントに関する給付の在り方:
有料老人ホームの新たな相談支援の類型に対して利用者負担を求めることについて、丁寧に検討を行う。
軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方:
データの収集・分析、市町村の意向、利用者への影響等を踏まえ、引き続き包括的に検討を行う。
被保険者範囲・受給者範囲:引き続き検討を行う。
金融所得、金融資産の反映の在り方:
金融所得の反映については将来的な導入を検討、金融資産についてはマイナンバーの活用について検討を継続する。
高額介護サービス費の在り方:引き続き検討を行う。
3.その他の課題
介護被保険者証の事務・運用:
65歳到達時の交付から要介護認定申請時等の交付に変更する。
電子資格確認を導入する。
高齢者虐待防止の推進:高齢者住まいにおける取組を推進する。
介護現場の安全性の確保、リスクマネジメントの推進:全国レベルでの情報収集・分析を行い現場へフィードバックする。
要介護認定:
申請代行が可能な者を拡大する。
主治医意見書の事前入手が可能である旨を明確化する。
特定福祉用具販売:貸与と販売の選択制導入に伴う所要の整備を行う。
国民健康保険団体連合会の業務:介護報酬関連の補助金支払事務の委託を可能とする。
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001617631.pdf
1. 中山間・人口減少地域における柔軟なサービス維持枠組み
- 特例介護サービスの新たな類型
- 給付に代えて市町村が関与する新たな事業の仕組み
- 訪問介護における包括的な評価(月単位の定額払い)
2. 有料老人ホーム等の規制強化と相談支援の新設
- 中重度・医療ニーズ対応の有料老人ホーム登録制
- 有料老人ホーム(特定施設除く)入居者向けの新たな相談支援の類型
- 有料老人ホーム紹介事業者の優良事業者認定制度
3. 利用者負担および給付の適正化に係る数値基準
- 1. 利用者負担「2割」の対象拡大
- 所得基準の引き下げ案 現行の第1号被保険者の上位約20%(単身280万円以上/夫婦346万円以上)から、上位約25%または約30%への対象拡大。
- 単身世帯の具体的な数値(案) 年金収入+その他合計所得金額を、現行の280万円以上から「260万円以上(上位25%相当)」または「230万円以上(上位30%相当)」へ変更。
- 夫婦世帯の具体的な数値(案) 現行の346万円以上から「326万円以上(上位25%相当)」または「296万円以上(上位30%相当)」へ変更。
- 2. 急激な負担増への配慮措置(数値限定)
- 負担増加額の月額上限設定 新たに2割負担となる利用者に対し、当分の間、1割負担時と比較した増加分を最大「月額7,000円」に抑制。
- 預貯金額に基づく還付措置(案) 所得基準で2割負担となっても、預貯金等の資産が一定額以下であれば申請により1割負担を適用。基準案は「単身700万円・夫婦1,700万円」「単身500万円・夫婦1,500万円」「単身300万円・夫婦1,300万円」のいずれか。
- 3. 補足給付(食費・居住費)の細分化と上乗せ
- 第3段階の4区分化 現行の2区分(第3段階①・②)を、本人の年金収入等に応じてさらに細分化。
- 第3段階①ア: 80万円超 100万円以下
- 第3段階①イ: 100万円超 120万円以下(負担限度額を上乗せ)
- 第3段階②ア: 120万円超 140万円以下
- 第3段階②イ: 140万円超(負担限度額を上乗せ)
- 実施スケジュールの段階化 第10期(令和9年度)からの本格実施を基本としつつ、区分の細分化を伴わない見直しは「令和8年度」から先行実施。
4. 介護人材確保と生産性向上のためのプラットフォーム
- 介護人材確保に関するプラットフォーム
- 介護生産性向上総合相談センター
- CARISO(CARe Innovation Support Office)
5. 介護予防・相談支援の強化
- 介護予防を主軸とした多機能の支援拠点
- 介護支援専門員(ケアマネジャー)の実務経験年数と受験資格の見直し
6. 行政事務の効率化と財政調整
- 普通調整交付金の年齢区分細分化
- 介護サービス情報公表システム内の事故報告サブシステム