令和8年度介護報酬改定に関する審議報告(令和7年12月23日 介護給付費分科会)

2025/12/30

制度資料

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令和8年度介護報酬改定に関する審議報告

社会保障審議会介護給付費分科会

令和7年12月23日

介護職員等の処遇改善については、令和6年度介護報酬改定において、処遇改善分について2年分を措置し、令和6年度改定及び令和6年度補正予算で措置した施策が、介護職員等の処遇改善に与える効果について実態を把握し、令和8年度以降の対応については、処遇改善の実施状況等や財源とあわせて令和8年度予算編成過程で検討することとされていた。

また、「「強い経済」を実現する総合経済対策」(令和7年11月21日閣議決定)において、「介護分野の職員の処遇改善については、累次の取組を講じてきた結果、介護職員の賃金は改善してきたものの、他産業とはまだ差があり、人材不足が厳しい状況にあるため、他職種と遜色のない処遇改善に向けて、令和8年度介護報酬改定において、必要な対応を行うこととし、報酬改定の時期を待たず、人材流出を防ぐための緊急的対応として、賃上げ・職場環境改善の支援を行う」とされ、令和8年度介護報酬改定において対応を行うこととされた。

当分科会は、令和8年度介護報酬改定における対応について議論を行ってきたが、これまでの議論に基づき、令和8年度介護報酬改定に関する基本的な考え方を以下のとおり取りまとめたので報告する。

1.介護職員等の処遇改善

(1)基本的な考え方

○ 介護関係職種の有効求人倍率は、依然として高い水準であり、2040年に向けて高齢化のより一層の進行と現役世代の生産年齢人口の減少を迎える中、介護サービス提供を維持していくためには、介護職員をはじめとする介護従事者の確保は喫緊の課題である。

○ こうした中、「「強い経済」を実現する総合経済対策」において、「介護分野の職員の処遇改善については、累次の取組を講じてきた結果、介護職員의 賃金は改善してきたものの、他産業とはまだ差があり、人材不足が厳しい状況にあるため、他職種と遜色のない処遇改善に向けて、令和8年度介護報酬改定において、必要な対応を行う」とされた。

○ 介護職員の処遇を含む労働条件については、本来、労使間において自律的に決定すべきものであるが、介護分野における人手不足の状況に加え、介護職員の給与が依然として他産業と差がある状況であるとともに、他産業での力強い賃上げが実現している状況を踏まえれば、介護職員の処遇改善を担保するために必要な対応を講ずることは、現状においても引き続き求められている。

○ このため、令和8年度介護報酬改定においては、引き続き処遇改善の措置を確実に賃上げにつなげることが重要であること等を踏まえ、介護職員等処遇改善加算の拡充により、介護分野における処遇改善を行うことが適当である。

○ また、令和8年度介護報酬改定については、第9期の介護保険事業(支援)計画期間中の対応であることや、令和7年度補正予算における「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業」については、令和7年12月分から令和8年5月分までの賃上げ相当分を支援するとしていること、令和6年度介護報酬改定においても介護職員等処遇改善加算への一本化が令和6年6月施行であったこと等を踏まえ、令和8年6月施行とすることが適当である。

(2)加算の対象

○ 「経済財政運営と改革の基本方針2025」(令和7年6月13日閣議決定)において、「現場で働く幅広い職種の方々の賃上げに確実につながるよう、的確な対応を行う」とされており、介護職員のみならず、介護支援専門員等の専門職の人材不足も深刻である状況や、現行の介護職員等処遇改善加算が介護職員以外にも配分されている実態等を踏まえ、介護職員等処遇改善加算について、引き続き介護職員の処遇改善が重要であることに留意しつつ、介護職員以外の介護従事者を新たに対象とすることが適当である。

○ また、前述のとおり、現行の介護職員等処遇改善加算の対象サービスにおいて介護職員以外の介護従事者を新たに対象とすることや、介護職員が配置されていないサービスの特徴等の観点を踏まえ、

訪問看護及び介護予防訪問看護、

訪問リハビリテーション及び介護予防訪問リハビリテーション並びに

居宅介護支援及び介護予防支援

新たに介護職員等処遇改善加算の対象とすることが適当である。


(3)加算の算定要件

○ 現行の介護職員等処遇改善加算の対象となっているサービスについて、引き続き介護職員の処遇改善が重要であること等を踏まえ、その処遇改善が推進されるよう現行の介護職員等処遇改善加算の取得要件は維持しつつも、持続的な賃上げに向けた環境整備の必要性等を踏まえ、生産性向上や協働化に向けた取組について、現行の介護職員等処遇改善加算Ⅰ及びⅡの加算率に上乗せを行う要件として設けることが適当である。

○ 加えて、事業所・施設の申請事務負担軽減も両立する必要性があること等を踏まえ、介護職員等処遇改善加算の算定に当たっては、生産性向上や協働化に取り組む事業所・施設に対する配慮措置を講じることが適当である。

○ また、新たに介護職員等処遇改善加算の対象となる訪問看護及び介護予防訪問看護、訪問リハビリテーション及び介護予防訪問リハビリテーション並びに居宅介護支援及び介護予防支援については、現行でも介護職員等処遇改善加算の対象となっているその他のサービスとの均衡の観点から、現行の介護職員等処遇改善加算Ⅳの取得に準ずる要件として、キャリアパス要件Ⅰ及びⅡ並びに職場環境等要件を算定の要件とすることが適当である。

その際、当該要件の整備には一定の期間を要することを踏まえた配慮措置や、現行の介護職員等処遇改善加算の対象となっているサービスにおいて設けられる生産性向上や協働化に取り組む事業所・施設に対する配慮措置を踏まえた措置を講じることが適当である。

○ なお、介護分野の職員の業務負担の軽減及びケアの質の向上に資する介護現場の生産性向上を一層推進していくことが重要であり、事業所・施設に対して、生産性向上や協働化の取組に係る支援を適切に講じることが求められる。

(4)令和9年度介護報酬改定に向けた課題

○ 令和9年度介護報酬改定においては、令和8年度介護報酬改定で講ずる措置の状況等を把握した上で、例えば、累次の取組による介護職員等処遇改善加算における加算Ⅰ及びⅡの取得の進展を踏まえた対応など、持続的な賃上げに向けた環境整備の必要性や事業所・施設の事務負担軽減の必要性等の観点から、介護分野の処遇改善に向けた考え方の整理を行うべきである。

〇 また、今般の措置とは別に、介護保険制度全体の課題として、介護サービスの適正化や重点化、財源が限られる中で保険料や利用者等の負担も念頭に置いた介護報酬の見直しを引き続き検討していくことが求められる。

2.基準費用額

○ 基準費用額は、介護保険法の規定に基づき、食事の提供及び居住等に要する平均的な費用の額を勘案して定めることとされているが、介護保険法においては、介護保険施設等における食事の提供又は居住等に要する費用の状況その他の事情が著しく変動したときは、速やかにそれらの額を改定しなければならないこととされている。

○ また、令和6年度介護報酬改定に関する審議報告においても、物価上昇への対応として、「足下の物価高騰が事業所に様々な影響を及ぼしているとの指摘があることを踏まえ、引き続き、物価高騰が居住費・食費に及ぼす影響を適切に把握し、必要な対応を行うべきである」とされている。

○ さらに、近年、食材料費は上昇を続けており、令和7年度介護事業経営概況調査の令和6年度決算の結果においても、介護保険施設における食費の平均費用額が、現行の基準費用額を上回っていた。

○ これらを踏まえ、介護保険施設等における食費の基準費用額については、利用者負担への影響も勘案しつつ、在宅で生活する者との公平性の観点から必要な対応を行うことが適当である。

○ なお、令和8年度介護報酬改定における対応は、令和7年度介護事業経営概況調査の結果を踏まえた緊急的な対応である。引き続き、物価の上昇が居住費・食費に及ぼす影響を適切に把握し、必要な対応を行うことが求められる。

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