市町村や地域包括支援センターにおける 高齢者等終身サポート事業に関する相談及び「身寄りのない高齢者」を介護施設等で受け入れる際の対応について

2025/08/01

地域包括ケアシステム

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 > 市町村や地域包括支援センターにおける 高齢者等終身サポート事業に関する相談及び「身寄りのない高齢者」を介護施設等で受け入れる際の対応について

> 我が国においては、少子高齢化が進展し、高齢者の単身世帯が増加していることを背景に、高齢者等に対して身元保証や死後事務、日常生活支援等のサービスを行う事業(以下「高齢者等終身サポート事業」という。)が増加しており、今後、その需要の更なる増加が見込まれる。

> 高齢者等終身サポート事業は、葬儀や死後の財産処分などの死後事務サービスを含み、契約期間が長期であること等の特徴があることから、利用者保護の必要性が高く、事業者の適正な事業運営を確保し、事業の健全な発展を推進するとともに、利用者の安心を確保していくことが必要である。

> 高齢者等終身サポート事業については、指導監督に当たる行政機関が必ずしも明らかではなく、また、利用者からの苦情についてもほとんど把握されていないことに鑑み、消費者委員会は、平成29年1月31日に、当該事業に係る消費者被害を防止する観点から、「身元保証等高齢者サポート事業に関する消費者問題についての建議」(以下「建議」という。)を取りまとめた。

> 当該建議において、「厚生労働省は、関係行政機関と連携して、身元保証等高齢者サポート事業において消費者問題が発生していることを踏まえ、事業者に対してヒアリングを行うなど、その実態把握を行うこと。」等とされていることを踏まえ、厚生労働省は、平成29年度厚生労働省老人保健健康増進等事業「地域包括ケアシステムの構築に向けた公的介護保険外サービスの質の向上を図るための支援のあり方に関する調査研究事業」(以下「調査研究事業」という。)において実態調査を行うとともに、利用者に対する支援の在り方について検討を行い、報告書が取りまとめられた(別添1)。

> 報告書の内容を踏まえ、平成30年に各市町村や地域包括支援センターにおける、高齢者等終身サポート事業に関する相談を受けた場合の取扱いを示したところ。

> 令和6年6月には、高齢者等終身サポート事業者の適正な事業運営を確保し、高齢者等終身サポート事業の健全な発展を推進し、利用者が安心して当該事業を利用できることに資するようにするため、関係省庁と連携して、「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」の策定を行った。

> また、介護施設等への入所の際に求められる身元保証、心身の機能の低下に伴い必要となる生活支援、亡くなった後に本人ではできない葬儀や財産処分を行う死後事務等は、入所から退所に至るまでの一連のプロセスにおける一体的なニーズであり、このため多くの施設において身元保証人等を求めてきたことが明らかとなっている。

> さらに、高齢化の進展と独居世帯等の「小さな世帯」の増加により、親族に代表されるような「身近な支援者」が不在の状態で施設への入所等の重大な決断が必要となる場面も多く、身元保証人等がいなくとも施設での受入が可能な体制が求められている。一方、入所から退所までの各段階において、介護事業者・従事者に、どのような対応が求められるか分かりづらいとの指摘もある。

> そのため、令和7年3月に、各介護施設等において身寄りのない高齢者の円滑な入所に向けた対応をあらかじめ検討していただく参考となるよう、「身寄りのない高齢者」を介護施設等で受け入れるときの主なポイントを作成した。

> これらを踏まえ、高齢者等終身サポート事業に関する相談への対応及び介護施設等における身元保証人等に求める役割と、「身寄りのない高齢者」を介護施設等で受け入れるときの主なポイントについて、改めて下記のとおり通知するので、内容について御了知いただき、貴管内市町村へ周知するとともに、適切な運用に努められたい。

> なお、本通知は消費者庁消費者政策課と協議済みであり、その内容は同課から各都道府県・市町村の消費生活センター・相談窓口にも周知される予定であることを申し添える。

> また、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項に規定する技術的な助言である。


> 1.高齢者等終身サポート事業に関する相談への対応について

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> 高齢者の単身世帯が増加していること等を背景に、高齢者等終身サポート事業の需要は今後も一層高まっていくことが見込まれているが、高齢者やその家族等が高齢者等終身サポート事業を利用する場合、高齢者等は、どのような点に着目してサービス内容や事業者を選択すれば良いのか分からない、どの機関に相談したら分からない等の不安を抱えている。

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> こうした課題に対応するため、調査研究事業にて、高齢者等が安心して高齢者等終身サポート事業を利用できるよう、当該事業についての説明と、利用する事業者及びサービスを検討する際のポイントを示した普及啓発資料(別添2)を作成した。

> 市町村や地域包括支援センターにおいては、高齢者等終身サポート事業に関する相談を受けた場合は、別添2を適宜活用し、適切な助言を行うようお願いする。

>

> また、高齢者やその家族等が高齢者等終身サポート事業を安心して利用するためには、当該事業による消費者被害を防ぐことも重要であることから、消費者行政部局との連携を一層促進し、必要な情報共有や、関係部署間の連携体制の構築等に努められたい。その際、一部の市町村等の消費者行政部局においては、消費者安全法(平成21年法律第50号)に基づいて設置できる消費者安全確保地域協議会を活用し、消費生活上特に配慮を要する消費者の見守り等必要な取組を行っていることを踏まえ、地域包括支援センター等が構築を推進している地域のネットワークとの連携を図られたい。

>

> 併せて、令和6年6月に策定した「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」(別添3)について、高齢者等終身サポート事業者の参考となることはもとより、利用者による事業者判断の目安ともなり得ることから、同ガイドラインが適切な高齢者等終身サポート事業者の判断目安として活用されるよう、管内市町村及び介護サービス事業所・施設等に周知願いたい。

> 2.介護施設等における身元保証人等に求める役割及び「身寄りのない高齢者」を介護施設等で受け入れるときの主なポイントについて

> 介護施設等における身元保証人等に求める役割等の実態については、消費者委員会が平成29年1月に取りまとめた建議において、実態の把握等が求められたことを踏まえ、平成29年度厚生労働省老人保健健康増進等事業「介護施設等における身元保証人等に関する調査研究事業」において、介護施設等が身元保証人等に求める役割等の実態を調査した結果が公表されたところである(別添4)。

> 本調査の結果、介護施設への入所(入院・入居)時に本人以外の署名を求めている施設は95.9%を占めており、施設側が身元引受人等に求める機能・役割は、本人の責任範囲を超えた場合における滞納リスクの回避、本人の能力が衰えた場合における身上保護および財産管理に大別されることが明らかとなった。

> なお、毎年の全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議でも周知してきたところであるが、介護保険施設に関する法令上は身元保証人等を求める規定はなく、各施設の基準省令においても、正当な理由なくサービスの提供を拒否することはできないこととされており、入院・入所希望者に身元保証人等がいないことは、サービス提供を拒否する正当な理由には該当しない。

> 介護保険施設に対する指導・監督権限を持つ都道府県等におかれては、管内の介護保険施設が、身元保証人等がいないことのみを理由に入所を拒むことや退所を求めるといった不適切な取扱いを行うことのないよう、適切に指導・監督を行うようお願いする。

> また、入所から退所までの各段階において、介護事業者・従事者にどのような対応が求められるか分かりづらいという指摘があったことも踏まえ、参考となる対応策を示すため、令和6年度老人保健健康増進等事業において、「『身寄りのない高齢者』を介護施設等で受け入れるときの主なポイント」(別添5)を作成したところであり、本ポイントを参考とするよう、管内市町村及び介護サービス事業所・施設等に周知願いたい。



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