国の会議などで「介護の生産性向上」や「介護の効率化」、「科学的介護」といった考えが時々、出てくる。
これらは介護費用削減を目論む財務省や財界、そして、そこにビジネスチャンスとして食い込もうとする企業などが円陣を組んで攻勢をしかけてくる。
そのことについて、私は以前、<科学的介護という名の下に、コストのかかる個別ケアから措置時代のような集団介護が復活するのではないか>という懸念を以下のコラムで書いた。
https://kaigosien.blogspot.com/2019/07/blog-post.html
そして、その予言通りの状況になってきた。
介護施設の人員配置、4対1を求める声も 現場革新で基準見直し検討 政府
https://www.joint-kaigo.com/articles/2020-02-21.html
さあ、今後、ユニットケア施設はどうなっていくのか。
(あ、ユニットケアというのは、乱暴に言えば、集団ケアの対極的な概念で、個室ケア、個別ケアはもちろんの、人手やノウハウをかなり要する運営形態の施設のことで、この20年程、これまで国が推進してきたものです)
他方、現存するユニットケアはユニットケアで、介護職集めに苦労し、独自の動きもせざるえない状況になっている。
外国人受入れで全国組織へ 湘南社福組合
http://www.care-news.jp/news/business/post_1616.html
こちらも様々な社会的背景から茨の道が待っていることは明白だ。
ちなみに、先日、NHKさんの取材を受けた時、私は、これら問題について、次のように答えた。
「介護の問題は、少子化問題と表裏一体です。少子化問題は、わが国では、子どもと女性の問題という側面が大きいです。それを、この何十年かけてもわが国は解決できませんでした。
一方、老人介護も老人と女性の問題という側面が大きい。
(両方ともに「女性と生活」が大きく関係している。そして、その合わせ鏡としての男性問題も)
なぜ、少子化問題を解決できないのかー。その分析と解決策が見出されない限りは高齢化問題も解決しないと思います。」
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