2019/04/13

介護職のインスリン声かけ・血糖値測定等のサポート


厚生労働省より「介護職員によるインスリン自己注射サポート」として、その医行為をめぐる疑義解釈が通知されました。これまでにない踏み込んだ解釈ですが、本文赤字部分青字部分の違いに留意することが非常に重要です。インスリン注射の際の、「医師の医学的判断及び技術」の代行や医行為が認められたわけではありませんので、くれぐれもご注意を。また、本通知が逆にあぶりだしているのは、「認知症の高齢者のインスリン自己注射のサポートはきわめて医行為にあたる可能性が高い」ということでしょう。

確認の求めに対する回答の内容の公表

1.確認の求めを行った年月日
  平成31年2月22日

2.回答を行った年月日
  平成31年3月18日

3.新事業活動に係る事業の概要

照会事業者は居宅介護支援事業を行っており、当該事業者の介護職員が、介護サービスの利用者に対して、利用者自身がインスリン自己注射を行う際に、下記の手順により声かけや血糖値測定等のサポートを行う。

   <サービス利用者がインスリンの自己注射を行う際の具体的な手順>

1. サービス利用者の自宅に介護職員が訪問し利用者に挨拶、体調確認後、昼食(夕食)の調理を行う。

2. 食事ができたら、インスリン注射を行うことを忘れないように、利用者に声をかける。

3. 介護職員が血糖値測定器とセンサー(試験紙)を準備し、利用者が測定器にセンサー(試験紙)をセットするが、この作業が難しい場合は、介護職員がセンサー(試験紙)のセットの誘導・促しを行う。もしくは介護職員が測定器にセンサーをセットする。

4. 介護職員が測定器の針を指にさすよう声かけ利用者が自分でさし血糖値測定器の先端に血液をつける。

5. 血糖値測定器に表示された血糖値を利用者と介護職員が一緒に確認し、介護職員が血糖値の数値を読み上げる。

6. 測定した血糖値により投与すべきインスリンの量が変わるので、利用者が血糖値の数値を確認するが、念のため介護職員があらかじめ指示された血糖値の数値と確認(ダブルチェック)を行う。

7. 家族が未使用の注射器2本(昼、夜用)を箱に入れて用意しているので、その中の1本を介護職員が利用者に手渡す。

8. 利用者が注射器のメモリをインスリンの正しい数量に合わせきちんと合っているか介護職員が確認する

9. 介護職員が利用者に腹部に注射器をさすよう声かけをし、その様子を介護職員が見守る

10. 介護職員が使い終わった注射器を使用済みの箱に片付ける

11. 食事を配膳、食事量の確認と服薬介助、片付け、記録を行う。

12. 翌朝、家族が前日の使用済みの注射器の針を抜いて処分し、新しい注射器2本に針をつけて未使用の箱に入れ当日使用分の注射器を用意する

4.確認の求めの内容

在宅においてインスリン自己注射を行うことを必要とする糖尿病患者に対し、上記3.に記載の通り、介護職員又は介助者が声かけや血糖値測定等のサポートを行うことが、医師法17条に違反しないこと。

5.確認の求めに対する回答の内容

 医師法(昭和23年法律第201号)第17条に規定する「医業」とは、当該行為を行うに当たり、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為(医行為)を、反復継続する意思をもって行うことであると解している。
御照会の事業において、上記3.<サービス利用者がインスリンの自己注射を行う際の具体的な手順>に記載の行為は、医行為に該当せず、無資格者がこれを業として行ったとしても、医師法第17条に違反しない。

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