2019/04/14

2019年度介護報酬改定に関するQ&A Vol1~4


事務連絡
平成 31年4月 12

都道府県
各指定都市介護保険主管部(局)御中

中核市

厚生労働省老健局老人保健課

2019年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(平成 31年4月 12日)」の送付について介護保険制度の運営につきましては、平素より種々ご尽力をいただき、厚く御礼申し上げます。本日「2019年度介護報酬改定に関するQ&A(平成 31年4月 12日)(Vol.1)」を送付いたしますので、御了知の上、貴管下市町村や事業所等への周知を徹底し、その取扱いに当たっては遺漏なきよう、よろしくお願い申し上げます。


2019年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)
(平成 31年4月 12日)

【介護職員等特定処遇改善加算】
○取得要件について

1介護職員等特定処遇改善加算は、勤続 10年以上の介護福祉士がいなければ取得できないのか。

(答)
介護職員等特定処遇改善加算については、

・現行の介護職員処遇改善加算(Ⅰ)から(Ⅲ)までを取得していること
・介護職員処遇改善加算の職場環境等要件に関し、複数の取組を行っていること
・介護職員処遇改善加算に基づく取組について、ホームページへの掲載等を通じた見える化を行っていることを満たす事業所が取得できることから、勤続 10年以上の介護福祉士がいない場合であっても取得可能である。

職場環境等要件について、現行の介護職員処遇改善加算の要件を満たすものとして実施している取組とは別の取組を実施する必要があるのか。

(答)
・介護職員等特定処遇改善加算における職場環境等要件については、職場環境等の改善が行われることを担保し、一層推進する観点から、複数の取組を行っていることとし、具体的には、「資質の向上」、「労働環境・処遇の改善」及び「その他」の区分ごとに一以上の取組を行うことが必要である。

・これまで介護職員処遇改善加算を算定するに当たって実施してきた取組をもってこの要件を満たす場合、介護職員等特定処遇改善加算の取扱いと同様、これまでの取組に加えて新たな取組を行うことまでを求めているものではない

ホームページ等を通じた見える化については、情報公表制度を活用しないことも可能か。

(答)
事業所において、ホームページを有する場合、そのホームページを活用し、
・介護職員等特定処遇改善加算の取得状況
・賃金改善以外の処遇改善に関する具体的な取組内容を公表することも可能である。

○配分対象と配分ルールについて

経験・技能のある介護職員について、勤続 10年以上の介護福祉士を基本とし、介護福祉士の資格を有することを要件としつつ、勤続 10年の考え方については、事業所の裁量で設定できることとされているが、どのように考えるのか。

(答)
「勤続 10年の考え方」については、
・勤続年数を計算するにあたり、同一法人のみだけでなく、他法人や医療機関等での経験等も通算する
・すでに事業所内で設けられている能力評価や等級システムを活用するなど、10年以上の勤続年数を有しない者であっても業務や技能等を勘案して対象とするなど、各事業所の裁量により柔軟に設定可能である。

経験・技能のある介護職員に該当する介護職員がいないこととすることも想定されるのか。その場合、月額8万円の賃金改善となる者又は処遇改善後の賃金が役職者を除く全産業平均賃金(440万円)以上となる者を設定・確保することは必要か。

(答)
・経験・技能のある介護職員については、勤続年数 10年以上の介護福祉士を基本とし、各事業所の裁量において設定することとなり、処遇改善計画書及び実績報告書において、その基準設定の考え方について記載することとしている。

・今回、公費1000億円程度(事業費2000億円程度)を投じ、経験・技能のある介護職員
に重点化を図りながら、介護職員の更なる処遇改善を行うという介護職員等特定処遇改善加算の趣旨を踏まえ、事業所内で相対的に経験・技能の高い介護職員を「経験・技能のある介護職員」のグループとして設定し、その中で月額8万円の賃金改善となる者等を設定することが基本となる。

・ただし、介護福祉士の資格を有する者がいない場合や、比較的新たに開設した事業所で、研修・実務経験の蓄積等に一定期間を要するなど、介護職員間における経験・技能に明らかな差がない場合などは、この限りでない。なお、このような「経験・技能のある介護職員」のグループを設定しない理由についても、処遇改善計画書及び実績報告書に具体的に記載する必要がある。

・どのような経験・技能があれば「経験・技能のある介護職員」のグループに該当するかについては、労使でよく話し合いの上、事業所ごとに判断することが重要である。

月額8万円の処遇改善を計算するに当たり、現行の介護職員処遇改善加算による改善を含めて計算することは可能か。

(答)
月額8万円の処遇改善の計算に当たっては、介護職員等特定処遇改善加算にもよる賃金改善分で判断するため、現行の介護職員処遇改善加算による賃金改善分とは分けて判断することが必要である。

処遇改善後の賃金が、役職者を除く全産業平均賃金(440万円)以上かを判断するにあたっての賃金に含める範囲はどこまでか。

(答)
「経験・技能のある介護職員」のうち設定することとしている「月額8万円の処遇改善」又は「処遇改善後の賃金が役職者を除く全産業平均賃金(440万円)以上」の処遇改善となる者に係る処遇改善後の賃金額については、手当等を含めて判断することとなる。なお、「月額8万円」の処遇改善については、法定福利費等の増加分も含めて判断し、処遇改善後の賃金440万円」については、社会保険料等の事業主負担その他の法定福利費等は含まずに判断する。

2019年度は 10月から算定可能となるが、経験・技能のある介護職員について、処遇改善後の賃金が、役職者を除く全産業平均賃金(440万円)以上かを判断するにあたり、考慮される点はあるのか。

(答)
処遇改善後の賃金が年額 440万円以上となることが原則であるが、介護職員等特定処遇改善加算が 10月施行であることを踏まえ、2019年度の算定に当たっては、6月間又はそれ以下の期間の介護職員等特定処遇改善加算を加えても年収 440万円以上を満たすことが困難な場合、12月間加算を算定していれば年収 440万円以上となることが見込まれる場合であっても、要件を満たすものとして差し支えない。

その他の職種の 440万円の基準を判断するにあたって、賃金に含める範囲はどこまでか。

(答)その他の職種の 440万円の基準については、手当等を含めて判断することとなる。なお、法定福利費等は含めない。

10
その他の職種の 440万円の基準についての非常勤職員の給与の計算はどのように行うのか。

(答)その他の職種の 440万円の基準についての非常勤職員の給与の計算に当たっては、常勤換算方法で計算し賃金額を判断することが必要である。

11
小規模な事業所で開設したばかりである等、設定することが困難な場合に合理的な説明を求める例として、8万円等の賃金改善を行うに当たり、これまで以上に事業所内の階層・役職やそのための能力・処遇を明確化することが必要になるため、規程の整備や研修・実務経験の蓄積などに一定期間を要する場合が挙げられているが、「一定期間」とはどの程度の期間を想定しているのか。

(答)
・実際に月額8万円の改善又は年収 440万円となる者を設定するにはこれまで以上に事業所内の階層・役職やそのための能力・処遇を明確化することが必要になるため、時間を要する可能性があるが、規程の整備等については適切にご対応いただきたい。

・当該地域における賃金水準や経営状況等、それぞれ状況は異なることから、「一定期間」を一律の基準で定めることや計画を定めて一定の期間で改善を求めることは適切でない

12
各グループの対象人数に関して、「原則として常勤換算方法による」とされているが、どのような例外を想定しているのか。

(答)各グループにおける平均賃金改善額を計算するに当たっては、経験・技能のある介護職員及び他の介護職員については、常勤換算方法による人数の算出を求めている。一方で、その他の職種については、常勤換算方法のほか、実人数による算出も可能であり、各事業所における配分ルールにも影響することも踏まえ、労使でよく話し合いの上、適切に判断されたい。

13
平均改善額の計算にあたり、母集団に含めることができる職員の範囲はどこまでか。

(答)
賃金改善を行う職員に加え、賃金改善を行わない職員についても、平均改善額の計算を行うにあたり職員の範囲に含めることとなる。

○指定権者への届出について

14
実績報告に当たって、積算の根拠となる資料は「求められた場合には、提出できるようにしておく」とあるが、予め提出を求めても差し支えないか。

(答)・今後とも見込まれる厳しい介護人材不足の中、国会等でも介護事業所の事務負担・文書量の大幅な削減が強く求められている。

・過去の経緯等を踏まえ、特定の事業所に個別に添付書類の提出を求めることは差し支えないが、各事業所における賃金改善の方法や考え方については、処遇改善計画書及び実績報告書において記載を求めており、また職員の個々の賃金改善額は柔軟に決められる一方、各グループの平均賃金改善額のルールを設け、実績報告書に記載を求めるものであり、更に詳細な積算資料(各職員の賃金額や改善額のリスト等)の事前提出を一律に求めることは想定していない

15
介護職員等特定処遇改善加算については、法人単位の申請が可能とされているが、法人単位での取扱いが認められる範囲はどこまでか。

(答)
・法人単位での取扱いについては、
・月額8万円の処遇改善となる者又は処遇改善後の賃金が役職者を除く全産業平均賃金(440万円)以上となる者を設定・確保
・経験・技能のある介護職員、他の介護職員、その他の職種の設定が可能である。
・また、法人単位で月額8万円の処遇改善となる者等の設定・確保を行う場合、法人で一人ではなく、一括して申請する事業所の数に応じた設定が必要である。なお、事業所の中に、設定することが困難な事業所が含まれる場合は、実態把握に当たりその合理的理由を説明することにより、設定の人数から除くことが可能である。
・なお、取得区分が(Ⅰ)、(Ⅱ)と異なる場合であっても、介護職員等特定処遇改善加算の取得事業所間においては、一括の申請が可能である(未取得事業所や処遇改善加算の非対象サービスの事業所、介護保険制度外の事業所については一括した取扱いは認められない。)。

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2019 年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.2)
(令和元年7月 23 日)

【介護職員等特定処遇改善加算】

○ 取得要件について
1 
介護福祉士の配置等要件(サービス提供体制強化加算等の最も上位の区分を算定していることとする要件。以下同じ。)について、年度途中で、喀痰吸引を必要とする利用者の割合に関する要件等を満たせないことにより、入居継続支援加算等を算定できない状況が状態化し、3ヶ月以上継続した場合に、変更の届出を行うとされているが、特定加算(介護職員等特定処遇改善加算をいう。以下同じ。)の算定はいつからできなくなるのか。
(答)
・ 特定加算(Ⅰ)の算定に当たっては、介護福祉士の配置等要件を満たす必要があるところ、その要件の適合状況に変更があった場合は、変更の届出を行うこととしているが、「喀痰吸引を必要とする利用者の割合についての要件等を満たせないことにより、入居継続支援加算等を算定できない状況」については、直ちに変更することを求めるものではなく、当該状況が常態化し、3か月間を超えて継続した場合に変更の届出を行うこととしている。
・ このような変更の届出を行った場合、4か月目より加算の算定できなくなるため、各事業所の状況に応じて、適切な届出、請求を行うよう努められたい。


1のような特定加算の区分の変更の届出に関する3か月間の経過措置について、訪介護における特定事業所加算も同様の特例が認められるのか。
(答)
・ 入居継続支援加算及び日常生活継続支援加算については、喀痰吸引を必要とする利用者の割合に関する要件等を満たせないことにより算定できない状況となった場合に、3か月間の経過措置を設けているものである。
・ 訪問介護については、特定事業所加算(Ⅰ)又は(Ⅱ)の算定により介護福祉士の配置等要件を満たすことができることとしている。このため、喀痰吸引を必要とする利用者の割合についての要件等を満たせず特定事業所加算(Ⅰ)が算定できなくなったとしても、特定事業所加算(Ⅱ)を算定し、特定加算(Ⅰ)を算定することが可能であるため、3ヶ月の経過措置の対象とはならない。なお、特定事業所加算(Ⅱ)を算定できない場合は、特定加算(Ⅱ)を算定することとなるため、変更の届出が必要である。

3 
特定加算(Ⅰ)について、計画届出時点において、介護福祉士の配置等要件を満たしてなければ算定できないのか。
(答)
原則、計画書策定時点において、サービス提供体制強化加算等を算定している等、介護福祉士の配置等要件を満たしていることが必要である。一方で、計画書策定時点では算定していないものの、特定加算(Ⅰ)の算定に向け、介護福祉士の配置等要件を満たすための準備を進め、特定加算の算定開始時点で、介護福祉士の配置等要件を満たしていれば算定することが可能である。

4 
介護予防・日常生活支援総合事業における訪介護従前相当サービスについては、特定事業所加算がないところ、特定加算(Ⅰ)を算定するにはどうすれば良いか。
(答)
「地域支援事業実施要綱」(一部改正:平成 31 年4月 26 日付老発 0426 第5号)において、「対象事業所が、併設の指定訪問介護事業所において特定事業所加算(Ⅰ)または(Ⅱ)を算定していることを要件とする」こととしており、当該要綱に基づいて対応されたい。


 事業所において、介護プロフェッショナルキャリア段位制度を導入し、人事考課と連動している場合、職場環境等要件の「資質の向上」の取組を行っている事業所として取り扱って良いか。また、現行加算のキャリアパス要件を満たしたことになるのか。
(答)
介護プロフェッショナルキャリア段位制度については、現在、一般社団法人シルバーサービス振興会が介護事業所や施設等に勤務する介護職員の実践的な職業能力を評価、認定するという仕組みとして実施しているもの。そのため、この取組を行っている場合、現行加算のキャリアパス要件(Ⅱ)を満たし、また職場環境等要件の「資質の向上」の項目の一つである「研修の受講やキャリア段位制度と人事考課との連動」の取組を行っているものとして取り扱う。
※ 参考
○「介護キャリア段位制度の実施について」(平成 25 年2月8日事務連絡)(抜粋) 介護事業所・施設において介護キャリア段位制度を導入した場合、介護職員処遇改善加算のキャリアパス要件を満たしたことになるのか。
(答)
介護事業所・施設において、資質向上のための計画に沿って、OJT の一環として介護キャリア段位制度を導入し、全ての介護職員に周知した場合、以下の②に適合するため、介護職員処遇改善加算のキャリアパス要件を満たしたことになる。

【キャリアパス要件】
次に掲げる基準のいずれかの基準に適合すること。
① 次に掲げる要件の全てに適合すること。
a 介護職員の任用の際における職責又は職務内容等の要件(介護職員の賃金に関するものを含む。)を定めていること。
b aの要件について書面をもって作成し、全ての介護職員に周知していること。
② 次に掲げる要件の全てに適合すること。
a 介護職員の資質の向上の支援に関する計画を策定し、当該計画に係る研修の実施又は研修の機会を確保していること。
b aについて、全ての介護職員に周知していること。
○「介護職員処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(平成 30 年3月 22 日老発 0322 第2号厚生労働省老健局長通知)
(キャリアパス要件Ⅱ)
次のイ及びロの全てに適合すること。
イ 介護職員の職務内容等を踏まえ、介護職員と意見を交換しながら、資質向上の目標及び一又は二に掲げる事項に関する具体的な計画を策定し、当該計画に係る研修の実施又は研修の機会を確保していること。
一 資質向上のための計画に沿って、研修機会の提供又は技術指導等を実施(OJTOFF-JT 等)するとともに、介護職員の能力評価を行うこと。
二 資格取得のための支援(研修受講のための勤務シフトの調整、休暇の付与、費用(交通費、受講料等)の援助等)を実施すること。
ロ イについて、全ての介護職員に周知していること。
6 
見える化要件(特定加算に基づく取組についてホームページへの掲載等により公表することを求める要件。以下同じ。)について、通知に「2020 年度より算定要件とすること」とあるが、2019 年度においては特定加算に基づく取組を公表する必要はないのか。
(答)
当該要件については、特定加算も含めた処遇改善加算の算定状況や、賃金以外の処遇改善に関する具体的な取組内容に関する公表を想定しているため、2019 年度においては要件としては求めず、2020 年度からの要件としている。
7 
情報公表制度の報告対象外でかつ事業所独自のホームページを有しない場合、見える化要件を満たすことができず、特定加算を算定できないのか。
(答)
・ 見える化要件を満たすには、特定加算に基づく取組について、ホームページへの掲載等により公表していることを求めている。
・ 具体的には、介護サービスの情報公表制度を活用していることを原則求めているが、この制度の対象となっていない場合は、外部の者が閲覧可能な形で公表することが必要である。その手法としては、ホームページの活用に限らず、事業所・施設の建物内の入口付近など外部の者が閲覧可能な場所への掲示等の方法により公表することも可能である。

8 
特定加算(Ⅱ)の算定に当たっては、介護福祉士の配置等要件を満たす必要がないが、この場合であっても、経験・技能のある介護職員のグループを設定する必要があるのか。

(答)
・ 介護福祉士の配置等要件は特定加算(Ⅰ)の算定要件である一方で、経験・技能のある介護職員のグループの設定等は事業所内における配分ルールとして設定しているものである。このため、特定加算(Ⅱ)を算定する場合であっても、経験・技能のある介護職員のグループの設定が必要である。
・ なお、事業所の事情に鑑み経験・技能のある介護職員に該当する介護職員がいない場合の取扱いについては、2019 年度介護報酬改定に関する Q&AVol.1)5を参照されたい。
○ 配分対象と配分ルールについて
 
2019 年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(平成 31 年4月 12 日)6に「月額8万円の処遇改善を計算するに当たっては、現行の介護職員処遇改善加算による賃金改善分と分けて判断することが必要」とされているが、「役職者を除く全産業平均賃金(440万円)以上か」を判断するに当たっては、現行の介護職員処遇改善加算による改善を含めて計算することは可能か。
(答)
経験・技能のある介護職員のグループにおいて、月額平均8万円以上又は賃金改善後の賃金が年額 440 万円以上となる者(以下この Q&A において「月額8万円の改善又は年収440 万円となる者」という。)を設定することを求めている。この年収 440 万円を判断するに当たっては、現行の介護職員処遇改善加算による改善を含めて計算することが可能である。
10 
経験・技能のある介護職員のグループにおいて、月額8万円の改善又は年収 440 万円となる者を設定することについて、「現に賃金が年額 440 万円以上の者がいる場合にはこの限りでない」とは、具体的にどのような趣旨か。
(答)
・ 今回の特定加算については、公費 1000 億円(事業費 2000 億円程度)を投じ、リーダー級の介護職員について他産業と遜色ない賃金水準(=440 万円)を目指し、介護職員の更なる処遇改善を行うものである。
・ 特定加算による改善を行わなくとも、経験・技能のある介護職員のグループ内に、既に賃金が年額 440 万円以上である者がいる場合には、当該者が特定加算による賃金改善の対象となるかに関わらず、新たに月額8万円の改善又は年収 440 万円となる者を設定しなくても、特定加算の算定が可能である。

11 
事業所における配分方法における「ただし、その他の職種の平均賃金額が他の介護職員の平均賃金額を上回らない場合はこの限りでないこと。」とはどのような意味か。
(答)
・ 今回の特定加算については、介護職員の処遇改善という趣旨を損なわない程度で、介護職以外の職員も一定程度処遇改善を可能とする柔軟な運用を認めることとしており、この具体的な配分方法として、他の介護職員の平均賃金改善額については、その他の職種の平均賃金改善額の2倍以上となることを求めている。
・ ただし、その他の職種の平均賃金額が他の介護職員の平均賃金額を上回らない場合においては、柔軟な取扱いを認め、両グループの平均賃金改善額が等しくなる(1:1)までの改善を可能とするものである。
12
介護給付のサービスと介護予防・日常生活支援総合事業を一体的に運営している場合であっても、月額8万円の改善又は年収 440 万円となる者を2人設定する必要があるのか。また、その場合の配分ルール(グループ間の平均賃金改善額 210.5)はどのような取扱いとなるのか。
(答)
・ 事業所において、介護給付のサービスと介護予防・日常生活支援総合事業を一体的に行っており、同一の就業規則等が適用される等労務管理が同一と考えられる場合は、法人単位の取扱いを適用するのではなく、同一事業所とみなし、
Ø 月額8万円の改善又は年収 440 万円となる者を1人以上設定すること
Ø 配分ルールを適用すること
により、特定加算の算定が可能である。
・ なお、介護給付のサービスと予防給付のサービス(通所リハビリテーションと予防通所リハビリテーションなど)、特別養護老人ホームと併設されている短期入所生活介護、介護老人保健施設と短期入所療養介護等についても、同様に判断されたい。

13 
本部の人事、事業部等で働く者など、法人内で介護に従事していない職員について、「その他職種」に区分し、特定加算による処遇改善の対象とすることは可能か。
(答)
特定加算の算定対象サービス事業所における業務を行っていると判断できる場合には、その他の職種に含めることができる。

14 
事業所内での配分方法を決めるにあたり、「他の介護職員」を設定せず、「経験・技能のある介護職員」と「その他の職種」のみの設定となることは想定されるのか。
(答)
・ 事業所毎に、「経験・技能のある介護職員」のグループを設定することが必要であるが、介護職員の定着が進み、勤続年数が長くなったこと等により、当該事業所で働く介護職員全てが、「経験・技能のある介護職員」であると認められる場合には、「経験・技能のある介護職員」と「その他の職種」のみの設定となることも想定される。
・ この場合における配分ルールについては、当該事業所における「経験・技能のある介護職員」の平均賃金改善額が、「その他の職種」の平均賃金改善額の4倍以上であることが必要である。
15 
特定加算によって得られた加算額を配分ルール(グループ間の平均賃金改善額が2:1:0.5)を満たし配分した上で、更に事業所の持ち出しで改善することは可能か。
(答)
・ 各事業所において、特定加算による処遇改善に加え、事業所の持ち出しで処遇改善を行うことは可能である。
・ この場合においては、特定加算による賃金改善分について配分ルールを満たしていることを確認するため、実績報告書における賃金改善所要額、グループごとの平均賃金改善額等においては、特定加算による賃金改善額を記載のうえ、持ち出しにより更なる賃金改善を行った旨付記すること(改善金額の記載までは不要)。

16 
看護と介護の仕事を 0.5 ずつ勤務している職員がいる場合に、「経験・技能のある介護職員」と「その他の職種」それぞれに区分しなければならないのか。
(答)
勤務時間の全てでなく部分的であっても、介護業務を行っている場合は、介護職員として、「経験・技能のある介護職員」、「他の介護職員」に区分することは可能。なお、兼務職員をどのグループに区分するか、どのような賃金改善を行うかについては、労働実態等を勘案し、事業所内でよく検討し、対応されたい。
17 
介護サービスや総合事業、障害福祉サービス等において兼務している場合、配分ルールにおける年収はどのように計算するのか。
(答)
どのサービスからの収入かに関わらず、実際にその介護職員が収入として得ている額で判断して差し支えない。

18 
その他の職種に配分しない場合、計画書は空欄のままでよいか。
(答)
その他の職種に配分しない場合等においては、人数部分について、「0(ゼロ)」等と記載する等記入漏れと判断されることがないようにされたい。
19
 「役職者を除く全産業平均賃金(440 万円)」とはどのような意味か。440 万円を判断するにあたり、役職者は抜いて判断する必要があるのか。
(答)
・ 特定加算の趣旨は、リーダー級の介護職員について他産業と遜色ない賃金水準を目指す
ものであり、その具体的な水準として、役職者を除く全産業平均の賃金である年額 440 万円の基準を定めているもの。
・ 年額 440 万円の基準を満たしているか判断するに当たっては、役職者であるかどうかではなく、事業所毎で設定された、経験・技能のある介護職員の基準に該当するか否かで判断されたい。

○ その他
20 
本来は 10 月から特定加算を算定し、これによる賃金改善を行うことになるが、法人・事業所の賃金制度が年度単位であることに合わせるため、年度当初から特定加算を織り込んで賃金改善を行いたいと考えた場合、4~10 月分の賃金改善に特定加算を充てることは可能か。(例:10 月から月2万円の賃金改善を行うのではなく、4月から月1万円の賃金改善を行う場合)
(答)
・ 今般の特定加算については、年度途中から開始するものであり、給与体系等の見直しの時期が、年に1回である事業所等において、既に年度当初に今回の特定加算の配分ルールを満たすような賃金改善を行っている場合も想定される。
・ こうした場合には、その年度当初から 10 月より前に行っていた賃金改善分について、介護職員等特定処遇改善加算を充てることも差し支えない。
・ なお、当該取扱いを行う場合にあっても介護職員の賃金低下につながらないようするとともに、事業所内でよく検討し、計画等を用いて職員に対し周知することが必要である。

21 
法人単位で複数事業所について一括申請しており、そのうち一部事業所において加算区分の変更が生じた場合、変更届出は必要か。
(答)

計画書における賃金改善計画、介護福祉士の配置等要件に変更が生じた場合は、必要な届出を行うこととなる。

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2019年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.3) 
(令和元年8月29日) 

【介護職員等特定処遇改善加算】 

1 2019年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(平成31年4月12日)問15で、法人単位での取扱いについて触れられているが、法人単位で配分ルールを設定した場合、計画書の提出等はどのような取扱いとなるのか。 


(答) 
・ 法人単位で配分ルールを設定し処遇改善を行う場合であっても、「介護職員等特定処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(平成31年4月12日老発0412第8号厚生労働省老健局長通知)」(4)の複数の介護サービス事業所等を有する介護サービス事業所等の特例に基づき、指定権者毎に申請が必要である。 

2 介護職員等特定処遇改善加算を取得するため就業規則等の変更を行う際、役員会等の承認を要するため、令和元年度について、その承認が提出期限の8月末までに間に合わない場合、介護職員等特定処遇改善加算は算定できないのか。 

(答)
・ 計画書に添付する就業規則等について、令和元年度については、8月末時点の提出期限までに内容が確定していない場合には、その時点での暫定のものを添付することとしてよい。ただし、その内容に変更が生じた場合、確定したものを本年12月13日までに指定権者に提出すること。 

3 今般の介護職員等特定処遇改善加算は、10月から開始されるところであるが、介護職員等特定処遇改善計画書の賃金の総額欄の記載はどのようにすればいいか。 

(答) 
・ 計画書については、年度毎に提出するものであることから、年度単位で記載することが必要であるが、2019年10月から算定する場合においては、前年度の賃金の総額欄については、前年度の賃金の6月分を記載することを想定している。 

4 今般の介護職員等特定処遇改善加算は、10月から開始されるところであるが、賃金改善実施期間の設定については、10月から3月までの期間にしなければならないのか。 

(答)
・ 「介護職員等特定処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(平成31年4月12日老発0412第8号厚生労働省老健局長通知)」の
様式例の「⑩賃金改善実施期間」の欄に記載のとおり、原則10月~翌年3月を想定しているが、以下の条件を満たす場合は、事業者が任意に選択することも可能である。 
 ① 月数は加算算定月数と同じでなければならない。 
 ② 当該年度の加算算定の根拠となるサービス提供の期間の初月から、当該年度の介護職員等特定処遇改善加算支払終了月の翌月までの連続する期間でなければならない。 
 ③ 各年度において重複してはならない。 

「2019 年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.4)

(令和2年3月 30 日)」

【介護職員処遇改善加算・特定処遇改善加算の様式関係】
令和2年4月分の介護職員処遇改善加算又は特定処遇改善加算を算定する場合、介護職員処遇改善計画書・介護職員等特定処遇改善計画書の提出期限はいつまでか。
(答)
・ 令和2年4月分の介護職員処遇改善加算又は特定処遇改善加算を取得しようとする介護サービス事業所等は、令和2年4月15日までに介護職員処遇改善計画書・介護職員等特定処遇改善計画書を提出する必要がある。

地域密着型サービスの事業所であって、所在する市町村以外の市町村から地域密着型サービスの指定(みなし指定を含む。)を受けている事業所等において、介護職員処遇改善加算又は特定処遇改善加算を算定する場合、介護職員処遇改善計画書・介護職員等特定処遇改善計画書については、どのように記載すればいいのか。
(答)
・ 指定権者毎に、以下の記載例を参考に、別紙様式2-2(介護職員処遇改善計画書(施設・事業所別個表))又は別紙様式2-3(介護職員等特定処遇改善計画書(施設・事業所別個表))を作成することとなる。
・ なお、この場合においても賃金改善の計画については、1つのものとして作成することとなる。
(参考:記載例)

保険給付の訪問介護と総合事業における従前相当の訪問介護を実施している場合で、同一事業所とみなしたときの介護職員処遇改善計画書・介護職員等特定処遇改善計画書(実績報告書)については、どのように記載するのか。
(答)
・ 本Q&A問2と同様に扱われたい。

介護職員処遇改善計画書・介護職員等特定処遇改善計画書において、介護職員(職員)の賃金の総額を計算するに当たり、「なお、これにより難い合理的な理由がある場合には、他の適切な方法により前年度の(介護職員)の賃金の総額を推定するものとする」とされているが、「これにより難い合理的な理由がある場合」とは、例えばどのような場合を想定しているのか。
(答)
・ これにより難い合理的な理由がある場合としては、例えば、
- 前年の10月に事業所を新設した等サービス提供期間が12ヶ月に満たない場合、
- 申請する前年度において職員の退職などにより職員数が減少し、基準額となる賃金総額として適切でない場合、
- 前年(1~12月)の途中から事業規模の拡大又は縮小を行い、申請年度においては、変更後の事業規模で実施する予定である等、当該年度の賃金総額として適切な規模に推定する必要がある場合等を想定している。
・ なお、具体的な推計方法については、例えば、
- サービス提供期間が12ヶ月に満たない場合は、12ヶ月サービスを提供していたと仮定した場合における賃金水準を推計すること
- 事業規模を拡大した場合は、比較時点にいない職員について、当該職員と同職であって、勤務年数等が同等の職員の賃金水準で推計すること
等が想定される。
また、複数の介護サービス事業所等について一括して申請を行う事業所において、当該申請に関係する事業所等に増減があった場合は、変更の届出が必要とされているが、例えば、事業所が増加することにより、職員も増えた場合における推計方法は、当該職員と同職であって勤務年数等が同等の職員の賃金水準で推計し、前年度(前年の1~12月)の賃金総額を推計することが想定される。

令和2年度の介護職員処遇改善加算又は特定処遇改善加算を算定するに当たり、介護職員処遇改善加算又は特定処遇改善加算の「前年度の賃金の総額」を算出する場合の「賃金の総額」や「加算の総額」、「各介護サービス事業者等の独自の賃金改善額」は、どのように記載すればいいか。
(答)
・ 賃金改善の見込額の算出に当たっては、前年度の賃金の総額等と加算の見込額を比較し計算することとしているが、前年度の賃金の総額等については、原則、加算を取得する前年の1月~12月の実績に基づき記載することを想定している。
・ 令和元年10月から特定処遇改善加算を算定している場合の令和2年度の当該加算の取扱いに関しては、
- 特定処遇改善加算の総額について、10月~12月の実績(10月から算定した場合は、10月サービス提供分について、12月に各都道府県の国保連から支払われた収入)から12ヶ月分を推計(10月サービス提供分の介護報酬総単位数を用いて計算)し、
- 前年度の介護職員(職員)の賃金の総額について、特定処遇改善加算の総額(12ヶ月分を推計した額)と同額を前年度の介護職員(職員)の賃金の総額に含めて計算すること(独自の賃金改善を行っている場合は、当該額を含めること)等が想定されるが、個別の状況に応じ判断されたい。
なお、独自の賃金改善を行っていない場合には、特定処遇改善加算の総額(12ヶ月分を推計した額)と同額が前年度の介護職員(職員)の賃金の総額に含まれることから、相殺されることとなる。
・ また、本項目については、「賃金改善の見込額」が「処遇改善加算の見込額」を上回ることを確認するものであり、独自の賃金改善額についても前年の1月~12月の実績に基づき記載することを想定している。

介護職員処遇改善計画書・介護職員等特定処遇改善計画書における「前年度における介護サービス事業者等の独自の賃金改善額」には、どのようなものを記載するのか。
(答)
・ 介護職員処遇改善計画書・介護職員等特定処遇改善計画書を提出する前年度において介護サービス事業者等が、加算額を上回る賃金改善を行うために実施した賃金改善額(初めて処遇改善加算を取得した年度(交付金を取得している場合については交付金を初めて取得した年度)以降に、新たに行ったものに限る。手当や定期昇給によるものなど賃金改善の手法はわない。)について、記載することを想定している。
・ なお、このため、加算額を上回る賃金改善を行うために実施した「以前から継続している賃金改善」についても記載することは可能である。

介護職員処遇改善計画書・介護職員等特定処遇改善計画書において、様式2-1の「(3)賃金改善を行う賃金項目及び方法」のうち、「イ介護職員処遇改善加算」と「ロ介護職員等特定処遇改善加算」の「具体的な取組内容」で、記載が求められる「(上記取組の開始時期)」は、どの時点の年月を記載するのか。
(答)
・ 「イ介護職員処遇改善加算」については、初めて介護職員処遇改善加算を取得した年月を、「ロ介護職員等特定処遇改善加算」については、特定処遇改善加算を取得した年月を記載することを想定している。

介護職員処遇改善計画書・介護職員等特定処遇改善計画書に「加算対象となる職員の勤務体制及び資格要件を確認しました。」の欄があり、証明する資料の例として、介護福祉士登録証があるが、この資格要件については特定処遇改善加算を算定する場合のみチェックするという認識で良いか。
(答)
・ お見込みのとおり。

別紙様式2-1介護職員処遇改善計画書・介護職員等特定処遇改善計画書における「⑦平均賃金改善額」の「ⅲ前年度の一月当たりの常勤換算職員数」は、「原則として、本計画書を提出する前月の常勤換算方法により算出する」とされているが、職員数の変動があった場合など、前月の実績を用いることが適当でないと考えられる事業所においては、過去3ヶ月の平均値や前々月の実績など、他の期間の実績を用いることは可能か。
(答)
・ お見込みのとおり。

【特定処遇改善加算】
10 令和2年度からの介護職員処遇改善加算、特定処遇改善加算について、「介護職員処遇改善加算及び介護職員等特定処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(老発0305第6号令和2年3月5日付厚生労働省老健局長)が発出されたが、令和元年度の実績報告は、本通知に基づき行うのか。
(答)
・ 本通知については、令和2年度の介護職員処遇改善加算及び特定処遇改善加算に係る届出から適用するものであり、令和元年度の実績報告については、「介護職員等特定処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(老発0412第8号平成31年4月12日付厚生労働省老健局長)に基づき報告することとなる。

11 特定処遇改善加算の見える化要件については、2020年度から算定要件とするとされていたが、令和2年度の特定処遇改善加算を算定する場合、介護職員処遇改善計画書・介護職員等特定処遇改善計画書にはこの「見える化要件」についてどのように記載するのか。
(答)
・ 見える化要件について情報公表システムを活用し満たす予定の事業所については、掲載予定にチェックし、提出いただきたい。

12 共生型サービスを提供する事業所において、特定処遇改善加算を算定する場合、月額8万円の改善又は年収440万円となる者の設定は、介護サービスのみで設定する必要があるのか。
(答)
・ 介護保険の共生型の指定を受け共生型サービスを提供している事業所においては、介護保険の共生型サービスとして、月額8万円又は年額440万円の改善の対象となる者について、1人以上設定する必要がある。なお、小規模事業所等で加算額全体が少額である場合等は、その旨説明すること。また、介護サービスと障害福祉サービスを両方行っている事業所についても同様に扱われたい。

13  2019年度介護報酬改定に関するQAVol.21において「入居継続支援加算等を算定できない状況が常態化し、3か月以上継続した場合に変更の届け出を行う」とあるが、特定処遇改善加算の算定区分が変更となるのはいつからか。
(答)
・ 入居継続支援加算等を算定できない状況が常態化し、3か月以上継続した場合に変更の届け出を行うこととなるが、2019年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.2)1のとおり当該届出の4ヶ月目から特定処遇改善加算の算定区分が変更となる。
・ 例えば、3月まで入居継続支援加算等を算定していたが、4月、5月、6月と算定することができず、7月も入居継続支援加算等を算定できないとわかった場合には、7月から特定処遇改善加算の算定区分の変更を行うこととなる。

14 2019年度介護報酬改定に関するQAVol.212において、介護老人保健施設と短期入所療養介護等について、事業を一体的に行っており、同一の就業規則等が適用される等労務管理が同一と考えられる場合は、月額8万円の改善又は年収440万円となる者の設定にあたり、同一事業所とみなすことが可能とされているが、介護老人保健施設に併設している通所リハビリテーションについても同様に扱うことは可能か。
(答)
・ 介護老人保健施設に併設する通所リハビリテーション事業所については、それぞれで、月額8万円の改善又は年収440万円となる者を設定する必要がある。


15 「月額8万円以上」又は「年額440万円以上」の改善の対象とし、賃金改善を行っていた経験・技能のある介護職員が、年度の途中で退職した場合には、改めて別の職員について、「月額8万円以上」又は「年額440万円以上」の改善を行わなくてはならないか。
(答)
・ 特定処遇改善加算の配分に当たっては、賃金改善実施期間において、経験・技能のある介護職員のグループにおいて、月額8万円の改善又は年収440万円となる者を1人以上設定することが必要であるが、予定していた者が、賃金改善実施期間に退職した場合等においては、指定権者に合理的な理由を説明することにより、当該配分ルールを満たしたものと扱うことが可能である。
・ なお、説明に当たっては、原則、介護職員処遇改善実績報告書・介護職員等特定処遇改善実績報告書の「④月額8平均8万円又は改善後の賃金が年額440万円となった者<特定>」欄の「その他」に記載することを想定している。

16 特別養護老人ホームの併設の短期入所生活介護(ショート)と空床のショートをそれぞれ提供している事業所において、利用者が月の途中で、併設のショートから空床のショートに移動した場合、当該月の特定処遇改善加算の区分はどのように取扱うのか。
(答)
・ 原則、それぞれのショートで満たす特定処遇改善加算の加算区分を取得することとなるが、介護福祉士の配置等要件が異なることにより、特定処遇改善加算の区分がⅡからⅠに変わる場合に加え、特定処遇改善加算の区分がⅠからⅡに変わる場合についても、当該月に限り、特定処遇改善加算Ⅰを引き続き算定することが可能である。

17 介護サービスと障害福祉サービス等を両方実施しており、職員が兼務等を行っている場合における介護職員の賃金総額はどのように計算するのか。
(答)
・ 介護職員処遇改善計画書・介護職員等特定処遇改善計画書に、職員の賃金を記載するにあたり、原則、加算の算定対象サービス事業所における賃金については、常勤換算方法により計算することとしており、同一法人において介護サービスと障害福祉サービスを実施しており、兼務している職員がいる場合においても、介護サービス事業所における賃金について、常勤換算方法による計算をし、按分し計算することを想定している。
・ 一方で、計算が困難な場合等においては実際にその職員が収入として得ている額で判断し差し支えない。

18 「9 処遇改善加算等の取得要件の周知・確認等について」の「(3)労働法規の遵守について」において、「労働基準法等を遵守すること」とされているが、訪問介護員の移動時間については、労働基準法(昭和22年法律第49号)上、労働時間に該当すると考えるがどうか。
(答)

・ 貴見のとおり。「訪問介護労働者の法定労働条件の確保について」(平成16年8月27日付け基発第0827001号)において、「移動時間とは、事業場、集合場所、利用者宅の相互間を移動する時間をいい、この移動時間については、使用者が、業務に従事するために必要な移動を命じ、当該時間の自由利用が労働者に保障されていないと認められる場合には、労働時間に該当するものである」とされている。


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