2023/12/09

運営基準の改正等の概要(案)

 

運営基準の改正等の概要(案)

 

1.地域包括ケアシステムの深化・推進

①医療・介護連携による医療ニーズの高い方や看取りへの対応

施設系サービスについて、以下のⅰ~ⅲの要件を満たす協力医療機関(ⅲの要件を満たす協力医療機関については、病院に限る。)を定めることを義務付ける(※一定の経過措置期間を設ける。)。その際、複数の医療機関を定めることにより要件を満たすこととしても差し支えないこととする。また、居住系サービスについて、協力医療機関を定める際に、ⅰ及びⅱの要件を満たす協力医療機関を定めるように努めることととする。

ⅰ入所者の病状の急変時等に、医師等が相談対応を行う体制を常時確保していること

ⅱ診療の求めがあった場合に、診療を行う体制を常時確保していること

ⅲ入所者の病状の急変時等に、医師が診療を行い、入院の必要性が認められた場合、当該者の入院を原則として受け入れる体制を確保していること

施設系・居住系サービスについて、1年に1回以上、協力医療機関との間で、入所者の病状の急変時等の対応を確認するとともに、当該協力医療機関の名称等について、都道府県知事等に対して届け出ることを義務付ける。

・施設系・居住系サービスについて、入所者が協力医療機関に入院した後に、病状が軽快し、退院が可能となった場合は、速やかに再入所させることができるように努めることとする。

・指定介護老人福祉施設があらかじめ定めることとされている緊急時等の対応方法について、配置医師及び協力医療機関の協力を得て定めることとし、1年に1回以上、見直しを義務付ける。

・看護小規模多機能型居宅介護のサービス内容を運営基準に反映する。

②感染症や災害への対応

居住系・施設系サービスについて、あらかじめ、第二種協定指定医療機関との間で、新興感染症の発生時等の対応を取り決めるよう努めることとする。また、協力医療機関が第二種協定指定医療機関である場合は、新興感染症の発生時等の対応について協議を行うことを義務付ける。

③高齢者虐待防止等の取組

短期入所系・多機能系サービスについて、身体的拘束等の適正化のための措置を義務付ける。(※1年の経過措置期間を設ける。)

訪問系・通所系サービス、福祉用具貸与、特定福祉用具販売及び居宅介護支援(予防を含む。)について、当該利用者又は他の利用者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならないこととする。また、身体的拘束等を行う場合の記録を義務付ける

④地域の特性に応じたサービスの確保

離島・過疎地域に所在する定員30名の指定介護老人福祉施設について、当該指定介護老人福祉施設の生活相談員等により利用者の処遇等が適切に行われる場合、併設する短期生活介護事業所等の生活相談員等を置かないことができることとする。

⑤個室ユニットケアの質の向上

短期入所系・施設系のユニット型施設の管理者は、ユニットケア施設管理者研修を受講するよう努めなければならないこととする。

 

⑥福祉用具貸与・販売の見直し

・福祉用具の一部の貸与種目・種類について、特定福祉用具販売の対象に加えることとしているところ、以下の見直しを行う。

ⅰ福祉用具貸与及び特定福祉用具販売について、選択制の対象福祉用具の提供に当たって、利用者等への説明及び利用者の身体状況等に応じた提案を義務付ける。

ⅱ福祉用具貸与について、選択制の対象福祉用具の提供に当たっては、利用開始後6月以内に少なくとも1回モニタリングを行い、貸与継続の必要性を検討することを義務付ける。

ⅲ特定福祉用具販売について、選択制の対象福祉用具の提供に当たっては、特定福祉用具販売計画上の目標の達成状況の確認を義務付ける。また、利用者等からの要請等に応じて、販売した福祉用具の使用状況を確認するよう努めるとともに、必要な場合は、使用方法の指導、修理等を行うよう努めることとする。

・福祉用具貸与について、福祉用具貸与計画の記載事項にモニタリングの実施時期を追加するとともに、モニタリングの結果を記録し、介護支援専門員に交付することを義務付ける

⑦良質なケアマネジメントの確保

・居宅介護支援事業者が指定を受けて介護予防支援を行う場合の人員基準について、居宅介護支援事業所と同様のものとする。また、介護予防サービス計画の実施状況等について、市町村長から求めがあった場合については、情報提供することとする。その他、居宅介護支援事業者が指定を受けて介護予防支援を行うに当たって、所要の規定の整備を行う。

 

2.自立支援・重度化防止に向けた対応

①リハビリテーション・口腔衛生管理の取組の強化

・入院中リハビリテーションを受けていた利用者に対して、退院後訪問・通所リハビリテーションを提供する際には、医療機関が作成したリハビリテーション計画書を入手し、内容を把握した上で、計画書を作成することを義務付ける

特定施設入居者生活介護について、口腔衛生管理体制を整備し、各入居者の状態に応じた口腔衛生の管理を計画的に行うことを義務付ける。(※3年間の経過措置期間を設ける。)

②リハビリテーション提供体制の構築

・介護老人保健施設及び介護医療院の開設許可があった場合は、訪問リハビリテーション事業所の指定があったものとみなす。

・介護老人保健施設及び介護医療院が、訪問・通所リハビリテーション事業所のみなし指定を受けた場合、当該施設の医師の配置基準を満たすことをもって、当該事業所の医師の配置基準を満たしているものとみなす。

3.良質な介護サービスの確保に向けた働きやすい職場づくり

①介護ロボット・ICT等の活用によるサービスの質の確保と業務負担の軽減

・短期入所系・多機能系・居住系・施設系サービスについて、介護現場の生産性向上の取組を推進する観点から、利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の設置を義務付ける。(※3年の経過措置期間を設ける。)

特定施設入居者生活介護について、生産性向上に先進的に取り組んでいる場合、施設ごとに置くべき看護職員及び介護職員の合計数について、「常勤換算方法で、要介護者である利用者の数が3(要支援者の場合は10)又はその端数を増すごとに0.9以上であること」とする。

②柔軟な働き方・サービス提供に関する取組

(看護)小規模多機能型居宅介護の管理者による他事業所の職務との兼務について、兼務が可能なサービス類型を限定しないこととする。

・管理者が兼務できる事業所の範囲について、同一敷地内における他の事業所等ではなくても差し支えない旨を明確化する。

③良質なケアマネジメントの確保に向けた環境づくり

・次に掲げる事項に関して利用者に説明し、理解を得ることを居宅介護支援事業者の努力義務とする。

i 前6月間に作成した居宅サービス計画における各サービスの利用割合

ii 前6月間に作成した居宅サービス計画における各サービスの同一事業者によって提供されたものの割合

・一定の要件を満たした場合に、テレビ電話装置等を利用したモニタリングの実施を可能とする。

・ケアマネジャー1人当たりの取扱件数について、次のとおりとする。

i 原則として、要介護者の数に要支援者の数に1/3を乗じた数を加えた数が44又はその端数を増すごとに1とする。

ii ケアプランデータ連携システムを活用し、かつ、事務職員を配置している場合は、要介護者の数に要支援者の数に1/3を乗じた数を加えた数が49又はその端数を増すごとに1とする。

4.制度の安定性・持続可能性の確保

①福祉用具貸与・販売の見直し(再掲)

(略)

 

5.その他

・事業所の運営規程の概要等の重要事項について、インターネット上で情報の閲覧が完結するよう、ウェブサイトへの掲載を義務付ける。(※1年の経過措置を設ける。)

居宅療養管理指導について、感染症や非常災害の発生時の業務継続に向けた取組義務及び高齢者虐待防止のための取組義務の経過措置期間を3年間延長する。

 

 

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