2024/03/17

「令和6年度介護報酬改定に関する Q&A(Vol.1)(令和6年3月 15 日)

https://www.mhlw.go.jp/content/001227740.pdf

 〇 貸与と販売の選択制における令和6年4月1日(以下、「施行日」という)以前の利用者について

99 厚生労働大臣が定める特定福祉用具販売に係る特定福祉用具の種目及び厚生労働大臣が定める特定介護予防福祉用具販売に係る特定介護予防福祉用具の種目(平成11 年厚生省告示第 94 号)第7項~第9項にそれぞれ掲げる「スロープ」「歩行器」「歩行補助つえ」(以下、「選択制の対象福祉用具」という)を施行日以前より貸与している利用者は、施行日以後に特定福祉用具販売を選択することができるのか。

(答)

貴見のとおりである。なお、利用者が販売を希望する場合は福祉用具貸与事業者、特定福祉用具販売事業者、居宅介護支援事業者において適切に連携すること。

 

〇 貸与と販売の提案に係る利用者の選択に資する情報提供について

101 福祉用具専門相談員又は介護支援専門員が提供する利用者の選択に当たって必要な情報とはどういったものが考えられるか。

(答)

利用者の選択に当たって必要な情報としては、

・ 利用者の身体状況の変化の見通しに関する医師やリハビリテーション専門職等から聴取した意見

・ サービス担当者会議等における多職種による協議の結果を踏まえた生活環境等の変化や福祉用具の利用期間に関する見通し

・ 貸与と販売それぞれの利用者負担額の違い

長期利用が見込まれる場合は販売の方が利用者負担額を抑えられること

短期利用が見込まれる場合は適時適切な福祉用具に交換できる貸与が適していること

・ 国が示している福祉用具の平均的な利用月数()等が考えられる。

※ 選択制の対象福祉用具の平均的な利用月数(出典:介護保険総合データベース)

・ 固定用スロープ:13.2ヶ月

・ 歩行器 :11.0ヶ月

・ 単点杖 :14.6ヶ月

・ 多点杖 :14.3ヶ月

 

〇 担当する介護支援専門員がいない利用者について

102  担当する介護支援専門員がいない利用者から福祉用具貸与事業所又は特定福祉用具販売事業所に選択制の対象福祉用具の利用について相談があった場合、どのような対応が考えられるのか。

(答)

相談を受けた福祉用具貸与事業所又は特定福祉用具販売事業所は、当該福祉用具は貸与と販売を選択できることを利用者に説明した上で、利用者の選択に必要な情報を収集するために、地域包括支援センター等と連携を図り対応することなどが考えられる。

 

 

〇 選択制の対象福祉用具の販売後の取り扱いについて

104 選択制の対象種目の販売後のメンテナンス等に係る費用は利用者が負担するのか。

(答)

販売後のメンテナンス等にかかる費用の取扱いについては、利用者と事業所の個別契約に基づき、決定されるものと考えている。

 

スロープの給付に係るサービス区分に係る判断基準ついて

105 スロープは、どのような基準に基づいて「福祉用具貸与」、「特定福祉用具販売」、「住宅改修」に区別し給付すればよいのか。

(答)

取り付けに際し、工事を伴う場合は住宅改修とし、工事を伴わない場合は福祉用具貸与又は特定福祉用具販売とする.

 

【居宅介護支援・介護予防支援】

○ テレビ電話装置等を活用したモニタリングについて

106 テレビ電話装置等を活用したモニタリングについて、訪問介護員が訪問している間に、テレビ電話装置等の準備をすることは可能か。

(答)

訪問介護の提供に支障が生じない範囲で、例えば ICT 機器の On/Off 等の協力などを行うことは差し支えないが、具体的な実施方法や連携方法等は、あらかじめ指定居宅介護支援事業所と訪問介護事業所とで調整すること。また、協力・連携の範囲について、利用者の要望や目的によっては、適切ではない場合等もあると考えられるため、その必要性等については、状況に応じて判断する必要がある。

 

○ テレビ電話装置等を活用したモニタリングについて

109 サービス事業所に情報収集を依頼するにあたり、情報連携シートではなく、民間の介護ソフト・アプリの記録機能を活用する方法は認められるか。

(答)

情報連携シートは様式例であるため、必ずしもこの様式に限定されないが、介護ソフト・アプリの記録機能を活用する場合においても、情報連携シートの項目と照らし、指定居宅介護支援事業者と居宅サービス事業者等の連携に必要な情報が得られるかを確認すること。

 

○ 福祉用具について

112 選択制の対象福祉用具を居宅サービス計画又は介護予防サービス計画(以下「居宅サービス計画等」という。)に位置付ける場合、主治医意見書や診療情報提供書に福祉用具に関する記載がない場合は、追加で医師に照会する必要があるか。

(答)

追加で医師に照会することが望ましいが、主治医意見書や診療情報提供書、アセスメント等の情報から利用者の心身の状況を適切に把握した上で、貸与・販売の選択に必要な情報が得られているのであれば、必ずしも追加の照会は要しない。

 

○ テレビ電話装置等を活用したモニタリングについて

111 文書により利用者の同意を得る必要があるが、重要事項説明書等にチェック欄を設けるなどの対応でも差し支えないか。

(答)

利用者やその家族に対し、テレビ電話装置等を活用したモニタリングについて、そのメリット・デメリットを含め十分に説明した上で、チェック欄にチェックを入れることにより同意を得ることは差し支えない。

 

 

○ 特定事業所加算

116 「家族に対する介護等を日常的に行っている児童、障害者、生活困窮者、難病患者等の高齢者以外の対象者への支援に関する知識等に関する事例検討会、研修等に参加していること」について、自ら主催となって実施した場合や「他の法人が運営する指定居宅介護支援事業者と共同で事例検討会、研修会等を実施」した場合も含まれるか。

(答)

含まれる

 

 

【全サービス共通】

○ 業務継続計画未策定減算について

164 業務継続計画未策定減算はどのような場合に適用となるのか。

(答)

・ 感染症若しくは災害のいずれか又は両方の業務継続計画が未策定の場合、かつ、当該業務継続計画に従い必要な措置が講じられていない場合に減算の対象となる。

・ なお、令和3年度介護報酬改定において業務継続計画の策定と同様に義務付けられた、業務継続計画の周知、研修、訓練及び定期的な業務継続計画の見直しの実施の有無は、業務継続計画未策定減算の算定要件ではない

 

○ 高齢者虐待防止措置未実施減算について

167 高齢者虐待が発生していない場合においても、虐待の発生又はその再発を防止するための全ての措置(委員会の開催、指針の整備、研修の定期的な実施、担当者を置くこと)がなされていなければ減算の適用となるのか。

(答)

・ 減算の適用となる。

・ なお、全ての措置の一つでも講じられていなければ減算となることに留意すること。

 

168 運営指導等で行政機関が把握した高齢者虐待防止措置が講じられていない事実が、発見した日の属する月より過去の場合、遡及して当該減算を適用するのか。

(答)

過去に遡及して当該減算を適用することはできず、発見した日の属する月が「事実が生じた月」となる。

 

 

○虐待防止委員会及び研修について

170 居宅療養管理指導や居宅介護支援などの小規模な事業者では、実質的に従業者が1名だけということがあり得る。このような事業所でも虐待防止委員会の開催や研修を定期的にしなければならないのか。

(答)

・ 虐待はあってはならないことであり、高齢者の尊厳を守るため、関係機関との連携を密にして、規模の大小に関わりなく虐待防止委員会及び研修を定期的に実施していただきたい。小規模事業所においては他者・他機関によるチェック機能が得られにくい環境にあることが考えられることから、積極的に外部機関等を活用されたい。

・ 例えば、小規模事業所における虐待防止委員会の開催にあたっては、法人内の複数事業所による合同開催、感染症対策委員会等他委員会との合同開催、関係機関等の協力を得て開催することが考えられる。

・ 研修の定期的実施にあたっては、虐待防止委員会同様法人内の複数事業所や他委員会との合同開催、都道府県や市町村等が実施する研修会への参加、複数の小規模事業所による外部講師を活用した合同開催等が考えられる。

・ なお、委員会や研修を合同で開催する場合は、参加した各事業所の従事者と実施したことの内容等が記録で確認できるようにしておくことに留意すること。

・また、小規模事業所等における委員会組織の設置と運営や、指針の策定、研修の企画と運営に関しては、以下の資料の参考例(※)を参考にされたい。

(※)社会福祉法人東北福祉会認知症介護研究・研修仙台センター「施設・事業所における高齢者虐待防止のための体制整備-令和 3 年度基準省令改正等に伴う体制整備の基本と参考例」令和 3 年度老人保健健康増進等事業、令和 4 3 月。

 




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